感謝の思いを込めて あの時のマスターへ
高校三年生の時、進学も決まり
初めてのアルバイトをした
マスターとママさんがいる
ギンガムチェックが基調の洋食屋さん
店名は二人の子供が双子だったことにちなんでつけられていた
マスターが鍋をふるい
パスタやドリア、ハンバーグなどの
看板メニューを作り
人気のパフェはママさんが担当
アルバイトの私は、ホールの仕事に加え
人気の明太子パスタの明太子を皮から外す作業と、こちらも人気のおろしハンバーグの大根おろしを
ひたすら作っていた記憶がある
ある日、働いている私を見たかったのか
両親がお店にやってきた
私は気恥ずかしさから戸惑っていたが
マスターは大喜びして
デザートやらなんやらいろいろサービスをしてくれた
嬉しくて、ありがたかった
数ヶ月後、私は進学と引越しで
アルバイトを辞めることになったのだが
その時にマスターからお手紙をいただいた
すごく心が温まる内容で
ずっと大事にしまってあったのに
残念ながらなくしてしまったようだ
はじめてのアルバイトにここを選んでくれてありがとう。素敵な両親に大切に育てられたのですね。この先の人生でいろいろなことがあるかもしれないけど、ここを思い出してね。いつでも遊びにきてね。
便箋2枚に、そんなようなことが書かれていた
それから私は就職して
忙しい日々を送り、不義理にも
その後お店を訪れることはなかったが
なぜか節々にマスターとママとお店のことを思い出していた
接客を教えてくれてありがとう
明太子の皮の剥き方を教えてくれてありがとう
働いてお金を稼ぐことを教えてくれてありがとう
両親を褒めてくてれありがとう
私を褒めてくれてありがとう
まかない美味しかったです
よく遅刻してごめんなさい
(その後もしばらく遅刻魔でしたが、今はちゃんとしています💧)
お店はその後、お子さんが引き継いで
今はもうなくなってしまったようだ
マスターもママさんも双子のお子さんたちも
みんな元気でいてくれるといいな