
あたしこういうのが好きで…
祖国のために戦う勇猛果敢で高潔な美少女な私は仲間を守るため敵に囚われることとなる。しかし大層丁重に扱われ着飾られ「何が狙いなの…?」と怪しむとめちゃくちゃ強くて余裕たっぷりなイケメン王は「お前を気に入った。俺の妃になれ」と言い放つ。断固拒否し逃走しようとするが失敗しその度「くっ…」「逃さぬ。大人しく俺のものになれ」を繰り返し段々と絆されていく。冷酷な見た目に隠された優しさや苦しみにキュンとしたりする。もうこのまま身を任せて仕舞えば…という思いがよぎった瞬間「わ、私は…なんてことを…仲間を裏切るのと同じだわ…!」自己嫌悪に苦しむ。着ている豪奢なドレスをキッと睨むとアクセサリーを全て取り去り、天蓋ベッドに泣き暮れた。その事を聞きつけた王は優しく私に話しかける。「悲しむな…ここにお前を傷つけるものはない…」私は王に抱きついた。ついに私が自分のものになったと思った王。しかし、これは私の作戦だったのだ!油断させて逃走する。私が王の妃になる事をよく思わない者の力など借り、後少しというところまで行くが、怒り狂った王によって阻止される。「俺を騙したな。我慢もここまでだ。明日結婚式(とりあえず身内だけで)を挙げる」悔し涙を滲ませる私。急拵えでシンプルではあるがとても美しいドレスを着ていざ王のもとに歩む。私を見て愛おしそうに微笑む王にうろたえる。そして初夜…!あわやというところで仲間が助けに来る。「よかった無事で…遅くなって、ごめん…」「いいの!助かったわ!」この川を越えれば逃げ切れる、というところで私は王と剣を構える。「選ばないのか、俺を…!俺は…」見つめあったまま私が何も言わないでいると「次会うときは本当に敵だ。容赦はしない」剣を引いて抱きつきたくなったけれど譲れぬものはある。未練を見せまいと国に戻り、仲間には元気いっぱいの顔を見せるも時に切なげな表情をし、戦乱の最中の逢瀬、共に生きられぬ運命、ついに王を殺す…。
やっぱ王道が一番です。これ以外ダメです。許せない。