一時、160円! 今円安だけど、ドルを買って損しない?
今回は 「今、ドルを買っても良いのかどうか」 を解説します。
この散布図は、縦軸に円ドル、横軸に米国金利をとって、2001年から2024年4月までをプロットしたものです。
青いプロットと緑のプロットが斜めに分布しています。
青いプロットは2001年~2012年と古い時代です。 緑のプロットは2015年~現在までで新しい時代です。
それぞれ、横軸の米国金利が高くなると円安になっていく傾向があります。
古い青のプロットは100円を中心に分布しています。 最近の緑のプロットは130円を中心に分布しています。
青いプロットと緑のプロットの間にオレンジのプロットと、赤のプロットがあります。
それぞれ2013年と2014年のプロットです。
ここまでをまとめると、
100円が中心の時代と130円の現在があって、2013年~2014年にかけて円安が進んだということです。
2013年は日銀の異次元緩和が始まった年で、円安の原因は異次元緩和だと考えられます。
青の枠も緑の枠も、少しはみ出た部分があります。この部分はちょうど110円と120円になっています。
金利が動いても、それぞれ110円と120円に固着しています。
このことは、おそらく「為替ディーラーも、切りの良い数字が好き」で、相場が動きにくかったのだろうと思われます。
横軸に最近6か月の日付をとって、円ドルと米国金利をグラフにしました。
「昨年11月から今年の1月初旬までの折れ線」が重なるように、縦軸を調整してあります。
すると、ふたつの折れ線が徐々に離れていくのがわかります。金利が変化しないのに、円安に動いたタイミングが4回あって、①②③は、いずれも日銀が緩和を維持すると発表したタイミングです。
日銀は日銀自身の破綻を避けるため、金融緩和を維持せざるを得ません。よって、今後も円安が進むと予想されます。
いったん、ここでまとめます。
2013年、2014年に、日銀の異次元緩和によって約40円の円安が進みました。これは、相転移と言えます。例えると、氷から水へと大きく変わりました。
ここ数か月、日銀が緩和維持のスタンスを出すたびに円安になり、5円ほど円安が進みました。これは相転移の予兆かもしれません。
日銀は500兆円も当座預金が膨らんでいるため、緩和をやめることができません。(「なぜ、緩和を止められないのか」についての説明は関連記事を参照してください)↓
緩和は続くので、円安の方向は変わらず、いずれ相転移が起こると予想されます。
結論として、『今、円安だけど、ドルを買っておいて、次の相転移に備えておいた方が良い』と思われます。
図ー7では、米国金利は一定としましたが、実際には動きます。それに伴って円ドルも動きます。
先ず、FRBの政策金利は現在、5%を超えていますが、インフレが収まれば、1~2%になります。
政策金利に伴って、市場の金利も低下しますが、イールドカーブの効果があるので、3.0~4.5%くらいに落ち着くと予想されます。
3.0~4.5%の市場金利であれば、円高になったとしても、135円までで、100円に戻ったりしません。なので、あわてないでホールドしておきましょう。
そして、『どこかのタイミングで次の相転移が起きたら、ドルを買って備えておいた人の勝ちになる』というのが結論です。
動画でも解説しています。↓