オスカー

某社投資部門でテクノロジー関連。アラサー独身。

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桐野夏生「日没」

とにかく暗い作品である。 僕は、人生に肯定的になれるくらい明るい作品も好きだが、今まで忘れられない読書は常に暗い作品を読んだ時に体験するものだった。 何もかもうまくいかず人生に展望のなかった高校2年生で読んだ夏目漱石「こころ」、20代前半の全てを賭けた仕事で燃え尽きた頃に読んだ村上春樹「風の歌を聴け」。 心が塞ぎ込んだ時期に寄り添ってくれるものは限られていると思う。少なくとも、僕の場合は限られてきた。そうした時期に家族や恋人や友達に救われたことはない。こうして明文化すると改め