オトジェニック・中島みゆき「ホームにて」
ここで中島みゆきさんのことを書くのはまことにおこがましい。もちろん私は中島みゆきさんの音楽は好きだが、「ファン」というほど中島みゆきさんの楽曲を追いかけていたわけではないし、曲をコンプリートしているわけでもない。ミュージシャンとしてどのように歩んでこられたのかもよく知らない。私のiPodに入っているのは、『大吟醸』と『おかえりなさい』と、あと1曲だけである。コアなファンの方々からは「お前は何もわかっていない」とお叱りを受けそうだが、思い起こすと書かずにはいられない性分なので、素人の戯言と思ってお許しいただきたい。
思春期の頃、中島みゆきさんの歌が巷によく流れていた。テレビドラマの主題歌や挿入歌、CMソングもあったかもしれない。その頃だけではない。いまも中島みゆきさんの歌はメディアに流れていて、自然と耳馴染みになっている歌が多い。
ずいぶん前だが、たしか笑福亭鶴瓶師匠のラジオから中島みゆきさんの「ホームにて」が流れてきて、私はその歌に釘付けになった。いままで、人口に膾炙した名曲は数あれど、その瞬間から私のベスト1は「ホームにて」となった。
自分がこれまで聴いてきた音楽に限られるが、さまざまなミュージシャンが奏でた「ふるさと」をテーマにした楽曲のアンソロジーを作りたい、という夢を描いたことがある。松山千春「ふるさと」、矢野顕子「Home Sweet Home」、渡辺貞夫「My Country」など。どんなミュージシャンの手にかかっても、「ふるさと」を意識した楽曲は人の心を揺さぶり、気持ちをこみ上げさせる力がある。「ホームにて」も、私にとってはそうした1曲である。
中島みゆきさんがほかの歌手に提供した楽曲も私の中に深く染みこんでいることに気づいた。加藤登紀子「この空を飛べたら」、研ナオコ「かもめはかもめ」、桜田淳子「化粧」。この3曲が、私にとって提供曲のベスト3である。
「やはりお前は何もわかっていない」と言われそうだが、好きなのだから仕方がない。
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