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殺戮幸子VS四天王編:13

殺戮幸子VSルートヴィヒ

「それぞれが英霊に相応しい作曲家ばかりだよ」
「それぞれの音楽を披露してルートヴィヒのご機嫌取り?」

「ご機嫌取りなんてやめておくれよ」
続けて、ヴォルフガング。
「でも、まあ大将が歌を所望していることに違いはない」

「彼は聴覚に障害があるんじゃなかったの?」
疑問を抱くサチコ(=聴こえずとも察しはつく)。
「あるよ、だからこそのご所望なのさ」
ヴォルフガングは語る。
「大将は郷愁に駆られているのさ。音楽という故郷に」
「ふうん、何だかノスタルジックなのねえ」
「音楽家というのは大概そういうものさ」
様子を見渡して号令をかけるヴォルフガング。
英霊たちがアイネクライネナハトムジークの空間の中で
整然と彼の指示に従う。
「田園」「運命」「英雄」……色々あるが
「第九」歌が可視化できるのは、この曲があつらえ向きだ。
それぞれでいい! 何ならハミングでいいから
声を出して歌え! 口を大きく開けて! と、指示を出す。
居の一番に指示に従ったのはサチコ。

ラ~ラ~ラ~ラ~ ラ~ラ~
O Freunde, nicht diese Töne!
オー・フロインデ ニヒト・ディーゼ・トェーネ!

ラ~ラ~ラ~ラ~ ラ~ラ~
Sondern laßt uns angenehmere anstimmen
ゾンデルン・ラスト・ウンス・アンゲネーメルェ・アンッシュティーメン

ラ~ラ~ラ~ラ~ ラ~ラ~
und freudenvollere.
ウンド・フロイデンフォッルェッレ

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