B@CK HΦME S3:02
AFLCの「A」bant-garde:大和語
Chapter:03「前衛」さんの入居
海堂「大和さん、AFLCにようこそ!」
大和「今日からお世話になります。作家志望で今日まで生きて来ました」
海堂「AFLCには四人の作家志望者さんが住んでいます」
大和「ほお、興味深いですね」
海堂「皆さん、連日の様にサロンで激論を繰り返しているんですよ?」
大和「いい物件を引き当てたみたいですね。僕の前衛も晒してみたい」
海堂「大家としては、全員仲良く、有名作家に成長することを願います」
大和「美しい理想郷ですね! 人と交わると、思想は厚みを持つはず!」
海堂「心ゆくまで、創作活動に専念して下さい」
大和「亀の歩みでも、自信作を書店に平積みしてみせますね!」
海堂「書店の一角がAFLCで占拠される日を、現実にして下さい」
大和「はい! 早速これから、鉛筆をナイフで削りますね」
AFLCの「C」omunity:北条時雨、赤城春馬、山口晴子
時雨「新作はペアルックティーチャーっていうんだよ?」
春馬「へぇ、タイトルから攻めの姿勢ですねー」
晴子「LGBTの匂いがする表題ですね」
時雨「晴子くん、ご名答! 副題は【踊るLGBT教室】なんだよ」
春馬「流石、考えが先駆だなあ、読ませて、下さいね?」
晴子「あ、アタシも読んでみたーい!」
時雨「勿論。担任はきよし、副担はミッチーと命名した」
春馬「あー、あの人の顔が浮かぶわ」
晴子「苗字を持たせないことで断定、特定を避けているんですね?」
時雨「体育教師は浜口、常時ジャージの上下」
春馬「こういうキャラクターがペアルックに口を挟みがち、ですよね?」
晴子「たった三行聞いただけで、学園のシルエットが浮かんでます!」
時雨「魅せ場は文化祭なんだ。演目は『きよしのズンドコカフェ』だよ」
春馬「個性が独走状態ですねぇ。僕が書店の客だったら、絶対買いますよ」
晴子「売れる匂いがプンプンするよね。先を越されたあ……」
時雨「ふたりが兼ねてからプレゼンしている……」
春馬「MAD LOVE LETTER、ですね?」
晴子「時雨パパにも早く読んで欲しいです!」
時雨「ゆとり教育の片棒担ぎじゃないけど、全員でGOALテープを切ろう!」
春馬「桜時くんにも声かけ、お願いしますね」
晴子「トキワ壮みたいなアパルトマンで、奇跡は産声をあげる寸前、かしら?」
未完成稿『MAD LOVE LETTER』
Written by:PARMA&PARCO
MLL:プロローグ 神の視点より
Prologue:Vision Of God
この物語はフィクションであり
実在しない二人のシナリオライター
PARMA・PARCO
(赤城春馬・山口晴子)の
執筆(PARMA)と
推敲(PARCO)によって完成されたものである。
エンターテイメントの王道を行く様な
伏線とその回収を基軸にされており
ふたりが互いをあざむく様なアイデアを
出し合う事で、骨子が形成されて行った。
反戦運動に燃える作家が居る。
大自然が巻き起こす災害を克明に描く作家が居る。
歴史に忠実な作品を、日々の気付きを
サイエンスフィクションを、ファンタジーを
ドキュメンタリーを綴るライターも居る。
差し詰めPARMA・PARCOの二人は
登場人物の生命を大切にする作家
と置いても差し支えは無さそうだ。
事故死も、自死も、絶命は一切禁止!
これから叩き台にされるシナリオはMLLと呼ばれる。
三つの英単語を使用して
限定的なあいうえお作文で遊べそうだが
作中でどんな機能を果たすだろう?
(LはR=ラ行と区別されるので、日本語での作文はほぼ不可能)
MLLの舞台で最初にスポットライトを浴びるのは
某香水メイカー フレグランス企画開発部長の
稲川京 Inakawa Kei。
彼は加害者か? それとも被害者なのか?
取り調べ室でうつむきながら
自分自身のアリバイを警察に語って聞かせる昼下がり。
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