【短編小説】アンチ狩り #2
ようやく現場に着いた。
車から降りると、既にスタッフが撮影の準備を進めていた。
僕は愛想よく、にこやかに挨拶を交わす。
俳優は人気商売でもあるが、それは視聴者だけでなく現場スタッフにも同じことがいえる。
もしスタッフに横柄な態度や悪態なんかをついてしまえば、また一緒に仕事をしようとは思わないだろう。
まあ数字が取れてさえいれば使わざるをえない部分もあるかもしれないが、俳優なんて、いつ人気が落ちるかも分からない。
というか、目移りが激しい業界であるがゆえに、それは明日かもしれな