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自然とアート
屈斜路湖畔のベンチで、寄せる波の音とセミの鳴き声を聞きながら、ボーッとスマホで電子書籍を読んでいました。
ふと下を見ると、左足をセミがよじ登ってくるではないですか!
とてもびっくりしたものの、昆虫は基本的に好きなのでパニックに陥ることなく、まずは手に、そして木の枝に移るよう誘導しました。
少し弱っているのか、あまり動かないので、横から写真をパチリ。
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こんなに近くから虫を見ることはなかなかないので、まじまじと見ていると、羽がとても「精巧」に「作られ」ていることに気づきます。
「すごいな」
と感動しました。
「そういえば・・・」
ということで、「ルネラリック セミ」で検索してみると、香水の瓶が出てきました。
〈11TH AVENUE / 2024年8月16日〉
ラリックが、私と同じように、セミの羽の模様を見て感動したことは明白です(・・・よね?)
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また、このひまわりなど、花弁がメラメラと炎のように感じられて、ヴァンゴッホが好んで描きそうです。
〈SOMPO美術館 / 2024年8月16日〉
アートの語源
人は、自然から多くのインスピレーションを得て絵を描いたり彫刻を作ったりします。
「アート」という言葉は、AI の「A」、artificial (人工の) 「art」なので、人工という意味を含んでいるとは思ったものの
「もしや語源は『自然』という意味を含むのではないか」
と考えて調べてみると、意外なことに、まったく「自然」とは関係がありませんでした。
もともと「アート」の語源はラテン語の「アルス」にあり、これはギリシア語の「テクネ」を古代ローマ人が翻訳したものだ。「テクネ」は現在のテクニックやテクノロジーにも使われているように、技術とか手仕事といった意味。つまり美術のもとの語義は「手仕事」にあるといっていい。
「美術の基礎問題」連載第1回
村田真〉
驚きました。
当時は、単なる「手仕事」と、あまり大事なこととして認識されていなかったようです。
けれども今は「アート」は、「生存する」という観点からすれば副次的なものかもしれませんが、感性・感情に大いに影響を与え、ときに人生を左右する大切なものとして考えられていると思います。
〇〇の art
また、アートの語源についての説明を読んだ後、セミの羽の写真を見て、次のように思ったのです。
「ああ、これは神、あるいは『大いなる何か』による art (造形・手仕事) だ」
と。
私は神を信じませんが、それでも、そう感じるのです。
(なので、この文章中には、昆虫や植物を形容する際、「精巧」や「作る」など、普通は「人間」が主体となる言葉を使っていますが、上記のような思いによるものです。ご容赦ください。)
他にも、今回の釧路旅行で、同じように感じたことがあったので、したためたいと思います。
お付き合いいただければ幸いです。
笹の葉
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まず、霧のせいか雨のせいなのかは分かりませんが、極小の「雨つぶ」がついています。
どうしてこんなに小さくて丸くなるのか、とても不思議でした。
もちろん、笹の葉の表面の構造から、物理的に答えは導けるのでしょうが、
「だとしても」
です。
環境に適するように長年かけて変化したにしても、自ら「手を入れる」ことができない植物が変化すること自体が、とてもすごいことだと感じます。
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次は、私の年代だと映画「マトリックス」を連想する人も多いのではないでしょうか。
人のつくる「コード」 (code) ではないのに、
「何らかのメッセージが潜んでいるのではないか?」
と勘ぐってしまいます。
蝶の羽
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次は蝶です。こちらは体の外側に、特徴的な「目」のような模様が見えます。
「外敵から身を守るため」と言っても、先ほどと同じ内容になってしまいますが、自ら模様を描けるわけではありません。
長年かけて変化したとしても、
「何でこんなにピンポイントに『目』っぽくなるの?」
です。
誰かの意思が介在していると考えたら、分かりやすいのですが・・・。
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こちらは、体の外側に、ベルベット地に、きれいな模様が「描かれて」います。
人が
「ああ、美しい・・・」
と感動するデザインは、どのように形作られたのか、謎です。
毒(?)キノコ
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(これが「毒キノコ」かは分かりませんが、勝手に毒キノコという前提で書いております。悪しからず。)
これが毒キノコだとすると、「ヤバいもの」ということを、キノコ自らが「傘」の赤色によって主張して、食べられないようにしているとも感じられます。
「キノコに意思はないのに・・・」
です。
人間の目
他にも、今回訪れた場所は自然の宝庫で、いろいろと見ていて飽きないものばかりでした。
小さい蜘蛛がつくる精巧な巣や、昆虫に大人気の小さな小さな花など、多くの驚くべき「自然」を目にしました。
それらも写真に収めようとしたのですが、ピントが合わずに断念しました。
かなり進化した最新のスマホでもダメでした。
一眼レフのいいやつであれば、ピントは合わせられるのかもしれませんが、それでも、頭で意識したものを自然に0秒でクッキリ見ることは、到底できません。
この人間の目というのは、とてつもなく凄いものだと再認識しました。
他にも、昆虫が花の紫外線を感知することなど、
「環境に合うように進化したのです。」
という一文で終わらせるには、あまりにも障りがあるようなことが、この世界には満ち溢れています。
〈Gigazine / 2018年3月1日〉
人間を含めた生物、植物の不思議について、理由が解明できなくても、説明に納得できなくてもよいので、
「素直に感動できる眼差し」を持ち続けていたいと、しみじみと思いました。