②インディペンデントトライアル

前回のあらすじ
仮劇団員の3人、演技が上手すぎる。ってか自分が下手すぎ問題。

どうしようと悩んでいる時、当時のTwitterに「トライアル参加者募集」の投稿がありました。

情報としては知っていましたが、それまでだった募集告知が妙に自分に引っかかっていました。
「1人芝居って、、何?何するん?」
「相手がおらへんって事やんな?舞台に1人、、怖!」
想像しただけでビビり倒していました。
下手な自分が?1人で?芝居を?
いや、どうしようって悩んでるけど流石にこれは、、、。そんな事を考えているうちに募集締め切りの期間まで残りわずかです。
そんな中、カモフラ再再演で知り合ったこやちさんとマナカさんがTwitterでトライアルの事に対して呟いていました。気が付けば募集に応募している自分がいました。
「何で?」と思われる方がいて当然だと思います。でも、あの時のあの呟きは間違いなくビビっていた自分の背中を押してくれました。
最初の書類審査に必要な資料を準備している時に自分の中では「応募はした!これで受からなくても挑戦した事を褒めよう!うん!、、そうや!試しに本当に1人芝居するならどんな台本をしたいか書いてみよう!ほんで来年には、この台本で、、」
クズですね。今思えば大クズだったと思います。
挑戦するとか思いながら、もう落ちる前提で考えていたのです。だって、自分みたいな無名な素人が運で受かる世界じゃ無い。皆が観たいのは自分じゃ無い。歴代の参加している人を調べると、その思いは強くなっていました。
でも、書類審査の結果は合格。
は?、、、いや、何で?
届いた時はマジでそればかりが頭を巡っていました。それでも合格したのは事実。切り替えて、やれるところまでやろう!と思いました。
周りの方にも「トライアル頑張って下さい!」と応援されて「頑張ります!」と答えていましたが、足はガクガク震えていました。体は正直ですね。




幸いにも台本は既に完成していました。
弟の結婚式に参加した時の自分を元に書いた
「結婚式場にて〜ある男の場合」。
今まで台本を書いてはいましたが、他の人に見せる事はあっても、舞台でやる事は叶わなかった自分の作品。思っている事も、技量も、今の自分で全力を出せる物。それを舞台でやれる事には正直ワクワクしました。
そして、公開審査に向けての稽古1回目。
スマホで動画を撮りながらの練習。
、、、辛い。受け答えが無い事に無を感じてしまう。誰か殴ってくれ。どついてくれ。「何言ってるねん!」ってツッコミ入れてくれるだけでいいから。
地獄でした。書いてる時はめっちゃ面白いと感じた物が稽古になった瞬間、何が面白いか分からなくなりました。
自分の台本を見つめ直しました。
「方向性は合ってるはず」「でも、何かが足りない」「大事な事は何だ?」頭の中がグルグルしました。他の参加者の方々のラインナップも出始めました。勝てない。自分語りの今のままでは無理だ。そんな事を考えながら、公開審査が始まる時間を見ていました。「19:30から、、って事は観にきてくれる人達は仕事終わってから観に来てくれるんやでなぁ。そんで観終わって家帰って、明日の準備して、家の事して、、。」
何かピンと来た感じがしました。
「、、じゃあ、自分が仕事終わった後に観たい作品って何?皆に観てもらった後にどんな気持ちで明日を迎えて欲しい?」という考えが思い浮かびました。結論は早かったです。
「分かりやすくて面白い物!笑えて、観て良かったと思える物!」
目的が定まった瞬間でした。
「勝つ事じゃなく、観に来てくれた人が1人でも笑って面白いと思える様にしよう!」
そう考えてからの自分の行動は早かったと思います。台本の改訂、親友へのスタッフ参加のお願い。チラシを作ってみたり。頭で思い浮かんだ面白くする事を全力でやりました。
稽古もそこから180度変わって面白くなり、手応えも感じ始めていました。

いよいよ本番の日が来ました。
リハーサルの順番が朝の1番目でした。
ザ「これってさぁ、、」
友「本番は1番最後のトリになるやろなぁ」
ザ「やでなぁ」
この時審査の順番はまだ決まっていなく、審査直前に発表されるのですが、2人で「まあ、俺達やしそうなるやろ。」とリハーサルから言っていました。
案の定トリでした。
2人「ですよねー。」
ダチョウ倶楽部の「押すなよ」は「押せ」
ザッキーの「リハーサルが1番目」は「審査の順番最後」と同じと覚えていてくれると助かります。参加者の方々の演技が終わり、いよいよ自分の番です。
友「空気ぶち壊してこい。」
ザ「おう。」
舞台に向かう階段を降りる前に交わした言葉が最高だったので覚えています。
正直、舞台に立っている最中、皆さんが笑ってくれてる事しか覚えていないぐらいでした。
それぐらい夢中になっていて、気が付けば終わっていました。終わった後に拍手をもらえた時「あかん泣くな。ここで泣いたら俺も意味わからん。」と思いグッとこらえました。

結果の発表です。
勝つつもりが元々無かったので、「真面目」と書かれたTシャツに着替えて審査を待っていました。面白いと思ったのでしょうけど、誰にもイジられずダダスベリしていました。
結果は2位。勝ち抜けた嬉しさもありましたが、「自分の作品が面白かった。認められた」
その嬉しさで思わず叫んでしまいました。
改めまして、参加者の方々、観に来て下さった皆様、親友、応援してくださった方、本当にありがとうございました!

いよいよ次が三次審査!
「もっと観に来てくれた方が面白くなるようにしよう!」
ワクワクが止まらなかったです。


③トライアル三次審査に
続きます。






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