32 家の網戸を開けて入ってくる地域猫
食欲も戻り元気になったおとうさん猫。
私の気持ちが届いたのか前よりも絆が深まった気がする。
恐怖心は感じない。
今までウチの誰かが気づくまでベランダで静かに待っていたおとうさんだけど
もう待つことはしない。
勝手に開けて入ってくる。
リビングにいればすぐに気づいて部屋に入れてあげるけど、私だってちょっとトイレに行ってたりちょっと掃除をしていたり、その場にいないことがある。
でも5分も席を外すことはない。だってうちの部屋の中はリビングと寝室しかないような小さなアパートだから。
そんな少しの時間の間にわざとなのかおとうさんはやって来て、勝手に開けて入ってくる。
そして「あ、やっと来たね」と言わんばかりに当たり前にくつろいでいる。
もちろん開けた網戸は開けたままだ。
勝手に入ってくるのはいい。
待たせてる罪悪感がないし帰るときだって勝手に開けて帰るんだから、家にいる時は居たいからいるんだなと思える。
うちは狭いしおとうさんの落ち着ける場所はなかなかない。
だけど、子供が留守番をしているときでも、夫が一人でいるときでも勝手に入ってくるのは、うちの家族全員を認めてくれているんだと嬉しくなった。
だんだん暑くなってきた。
蚊も出てきた。
網戸は閉めてください。