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10猫に嫌われた時の話

おとうさんは地域猫だ。
本当なら耳の中を掃除して、シャンプーして、お薬を付けて、ブラッシングをして
ノミ・ダニの煩わしさから解放してあげたい。
ふわっふわにしたい。

私はできることとして
ノミ・ダニ駆除薬とブラッシングをすることにした。

今は当たり前のようにブラッシングを堪能してから部屋に入り、身体をコロコロされながら喉を鳴らし好きなだけ甘えてご飯を食べてから帰るおとうさんだが

抱っこでちゅ~るを食べる今日のおとうさん


ブラッシングもノミ・ダニ駆除薬もきっと初めてだったあの日は
見るからに嫌な顔をした。
はじめて私にシャーを言って
でも私は「あなたのためよ」
なんて言って家に入ってきたおとうさんが出ないよう扉を閉めて
身体を拭いたり薬をつけたりした。

おとうさんは
「美味しいご飯をくれるいいところだと思ったのに、ひどい目にあった!!」
と言い、私の手さえ怖がった。

そして3日ほど顔を見せなかった。

あのとき私は一度嫌われた。
やりすぎたのかもしれない。ほっとけばよかったのかも

嫌われて寂しかったし、もう会えないかもしれないと思った。

だけど猫だって馴れるもんで、いまではそれが日常になった。

おとうさんは今だって地域猫だけど
ツヤツヤでふわふわだ。

あのとき嫌われてもやり続けてよかったと思う。

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