An Evening of Jazz Standars Vol.8 ジャズスタンダードの晩9/21 Shuji Morita Tenor Sax Minoru Yoshhiki Bass
森田修史が誇らかに盟友と呼ぶベーシスト吉木稔。スタンダードの晩第八夜は、そんな二人の、もちろんすこぶる手の合うデュオだった。交通事情で、まったくリハーサルのできなかった当夜、いくばくかの不安を覚えたのは、外野の私たちだけだった。次から次へとあふれたスタンダードの奔流は、私たちを十分に堪能させまくって余りあるものだった。
1stいきなりファストテンポ。強烈なスウィングはまさしくジャズ!息の合ったアンサンブル。吉木、木の香りのする息の長いベースソロ。4小節交換のあと、ソロたっぷり。ダル・セーニョ、終止のしっかりしたコーダ。「ソフィスティケイテッドレディと間違えないようにしないといけないね」と森田ひとことあって一曲。吉木たっぷりと深く響くソロから始まる。森田イン、バラード… サブトーンぎみにグリッサンドを使って歌いこむ。倍テン、森田ハイノート多用、吉木ソロ、a tempoから倍テン、ボキャブラリーすこぶる豊富。D.C. 森田カデンツア、限界のフラジオ… 曲後、ビリー・ストレイホーンかデューク・エリントンかわからない時があるね、両方ピアニストだったのだから、どういう関係だったんだろう、と所感。続いて森田ソロから吉木イン、森田めいっぱいのソロ。吉木たっぷり深く、バースソロは8から4,2,1か。D.C.短いキメ。そして誰もが知るバラードは森田バースから。吉木イン、たっぷり森田。吉木ソロはたっぷりと心のこめられた歌!高い精神性を感じる。森田たっぷりとハイトーンを使った、いつもより音域が広い気がするソロ。D.C.森田カデンツア。1st最後はモンクのファストナンバー。アンサンブルが密なスウィング感。森田ソロは調性感が明瞭なパワープレイ。吉木の木の香たっぷりな雄弁なソロ。D.C.
2nd、トレーンのナンバーから。森田ソロは倍音の使い方がいつもと違う感じ。吉木は拍ごとに深く、やわらかい音で歌う。D.C. そして待ってましたのディズニーナンバー。デュオ、ルバートで始まる。ベースのビートは4つにとれてしまったが、おなじみの3拍子!森田の極めて雄弁なソロと吉木の音数がたっぷりと深い。D.C. オルガンポイント上で森田がインプロビゼーションして、Fin. ほとんどアタッカで、ミディアムビート。森田豊かな倍音、音域が広い。吉木が縦横自在。D.C. おなじみのバラード。吉木ソロかき鳴らす。森田深くイン。ベースも音深く鳴らす。森田ソロ2コーラス目、吉木のさらに深い歌へ。森田がオブリガートで彩る。いつの間にか倍テンになっていて、森田がアルペジオでイン。森田自在に歌う。フラジオ!さらに森田吉木歌い上げて、森田カデンツアでFin. 最後はロリンズのファストナンバー。森田と吉木のユニゾンパートとアンサンブルパートがばっちりそろう。今日ちょっと基本に立ち戻りすぎたかな、と森田のひとことはあった。お見事な速弾き!バースソロのあとD.C. アンコールはバラード。森田ソロから森田カデンツア。最後はおまけに吉木のアルバム所収アフリカ民謡がついた。
おしゃれな遊び心たっぷりのスタンダードの晩… いつまでも続いてほしいものだ。