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熱狂! g-GODライブ❕

この数日、ある「事件」がらみで、ひとの自由ということについて考えていたところだった。人はその「自然状態」で無限定な自由を持つことはない。日本国憲法に規定される自由、基本的人権も、公共の福祉を侵さない限りにおいて保証されるのだ。社会、他人を傷つけてまでもの自由は許されない。当然のことだ。ここで私は公共の福祉を人としての共同認識という言葉で置き換えてみた。音楽におけるコードである。

私はフリーフォームの音楽をする。そこでは多く奏者の身体性、手クセ指クセが音楽を規定する。だが私が師と仰ぐテナーサックス奏者は違った。最低一日4時間の、全音域・全調性におけるスケールとアルペジオの練習を欠かさない。あらゆる身体の規制から音楽を解き放つためだ。そうして徹底してブルースを聴きこむ。そこで生まれる音楽が、フリーフォームでありながら、いかにブルースフィールに満ちるか、ご想像いただけるだろう。それはともかく...

壮絶なライブだった。インコードのジャズ「でしか」ないということが、いかに本当に自由であるかということを、私はあらためて脳天から水を浴びせられるように思い知ったのだ。サイズであるということは本質的に自由であるということなのだ。

七里屋茶房7周年記念   g-GOD feat. Yoko SPECIAL JAZZ LIVE 2024.6.30

GUITAR:小森淳  ORG.:仁田豊生  DS:田中良明

私はハモンドの音がたまらなく好きだ。一音がざっと響いた時、たまらなくジャズが懐かしくなる。この日の仁田のような名手の響きならなおさらだ。この夜の、たがいに敬意を払いあうとびっきりのレギュラートリオの中で、ハモンドも輝いていた。

ステージはTalking About JCから始まった。速いテンポながら、さっそく小森の、どこか敬愛するというジミヘンの響きにも似たソロが泣かせる。その、次の仁田ソロにも通ずるジャズフィール!私はここままでで克明な演奏メモを捨てることにした。目の前で起こっている壮絶な劇に、私のメモの言葉は軽すぎた。骨太でスリリングなトリオのインストルメンタルが続いている。聴衆の反応がムチャクチャ熱い!

1st最後でヴォーカルYokoが登場する。ミディアムのファンクビートに曲名を見失ったが、私の大好きなYou don’t Know What love Is だった。ずいぶんとジャズをうたいこんだ声の質とフェイクがよかった。

2ndセットに入ってYokoがその実力を発揮する。リズム感とノリ、優れたスキャット。終演後わたしが泣きの小森と呼んでしまったバラードでのギタープレイ。小森も仁田もブルースソウル!田中のセンスのいいバッキング!私はYokoの歌声で、クラシックのソプラノ、レリ・グリストを想った。

アンコールが素敵だった。私たち以上の世代なら、青春、過ぎ去った恋を思い起こしてふっと涙ぐまざるを得ない、追憶のテーマ、The Way We Were...

私は、熱く、深い感動を胸の奥にしまって、家路についたのだった。

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