Local translation in microglia processes is required for efficient phagocytosis [Abstract]
Published : 5, June, 2023
神経細胞、アストロサイト、そしてオリゴデンドロサイトは、局所的にタンパク質翻訳を遠方制御している。本研究では、マウスの脳由来の末梢マイクログリア内(PeMPs : peripheral microglia processes) に局所的なタンパク質翻訳があるか否かを検証し、PeMPsが新たなタンパク質の合成に関与するリボソームをもつとともに、それらが病原菌に対する防御機構、運動性、ファゴサイトーシスにかかわる転写産物を伴うことがわかった。さらに、急性的に翻訳を止めると、PeMPsのphagocytic cups*の形成や、リボソーム自身の内部のリボソームタンパク質の局在化、そしてアポトーシスを起こした細胞や病原体様の分子の貪食が妨げられることも示した。最後に、細胞体と分離したPeMPsは、病原体様の分子を効率的に囲むために、新たに局所的なタンパク質を合成する必要がある。まとめると、本研究のデータは、PeMPsにおいてタンパク質の局所的な翻訳が起こっていることに合致するとともに、ダイナミックなマイクログリアの機能維持のためには、新たにさらなる翻訳を行うことが必要であることを示唆している。
*phagocytic cups
ファゴソームの細胞膜が内側に陥没してカップのような形となった構造のこと。この機構によって細胞外の分子が取り込まれるとともに、取り込んだ後はカップが細胞膜と分離して細胞質内に運ばれる。
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