9月26日・1限競争力CA
日付
9月26日
今日のテーマ
東京での家庭ごみ有料化の是非
記事
現在東京23区で家庭から排出されるゴミは東京湾の最終処分場に埋め立てられているが、約50年後には満杯となる恐れがある。東京湾では船の航路を確保するため最終処分場のさらなる拡張が難しく、23区内での処分先がなくなってしまう懸念がある。そこで、23区と東京都が家庭ごみの有料化の検討を行っている。
私は「有料化は現実的ではない」という反対の立場で立論するので、みなさんは「有料化すべきだ」という賛成の立場から議論してください。
【前提条件】
家庭ごみ有料化:各家庭が自治体の指定した有料ごみ袋を用いて廃棄することと定義。
市町村など自治体が「ごみの排出者が税金とは別にごみ処理費用を負担する制度」を導入すること。多くの自治体では、自治体が指定した有料ごみ袋を使って家庭ごみ処理有料化を行っています。=ごみを出す量に応じて手数料が異なる制度(従量制)。一方、排出量に関係なく一人あたりあるいは世帯あたり等の手数料が一定額の制度(定額制)もある。=現在はごみ処理に必要な経費は税金のみで負担している。
前提質問
Q.
A.
意見・論点
1. 都民の生活に負担が増える
近年全国で物価が高騰している。そして、東京は日本で一番物価が高い(2022, 総務省)ため負担が大きい。
更に、負担に耐えられなくなった人が不法投棄をする可能性があり、不法投棄の回収には大変な経費がかかる。
山川肇(2001)の調査によると兵庫県村岡町では、有料化によって不法投棄が増えたと考えられ、それが問題となって有料化が中止されたと報道されている。
Q.ごみ袋有料化と不法投棄の増加は、ごみ袋有料化は因果がないのではないか?最初から対策していればいいのではないか?(有料化しても不法投棄する人はする)
A.自治体によって相関も見られる
Q.住民にとっての必要経費ではないか
A.すでに負担が大きい
2.23区の総意が得られないのではないか
東京23区の家庭から出るごみは、最終処分場に埋め立て処分される前に、清掃工場などで焼却や選別や粉砕などの中間処理が「東京二十三区清掃一部事務組合」でまとめて処理されている。また、23区でごみの出し方のルールが異なっている。
そのため、有料化の導入には23区の総意が必要となるが、現在は17区で検討段階である。(FNN)
Q.八王子はすでに有料化していて、年負担1万円だが、1万円で何か生まれるのか?町の継続した美化に繋がる
A.生活困窮世帯の理解
Q.今なら最低限度の費用で間に合う、放置すればもっと高価になるのではないか
予想される反論・再反論
1. 家庭で排出されるゴミが減る
→山谷(2000)の調査によると、有料化によるごみ量の変化は初年度より昨年度の方が増加していると回答した件数が多い。
他にも、北海道苫小牧市の調査によると、北海道の帯広市でもリバウンドしていることが窺える。
Q.グラフでは、一旦減少し→リバウンド→減少傾向にあるのではないか?https://www.yamayashusaku.com/genryo_keihi_koukazu_1506.pdf
A.ごみの減少<都民の生活
2.全国的に導入されている
ごみ袋が有料化された市区町村は全国に66.7%ある(2022年度)
→東京は非常に高密度な都市であるため、住居スペースが限られており、家庭ごみの保管場所が不足しがちである。そのため、ごみを長期間ためておくことができず、頻繁にごみを出す必要がある。そのため、他の都市に比べて更なるごみの出し方の工夫が必要であると考えられる。
Q.京都市で有料ごみ袋を導入したら、住民の意識が高まった
A.目に見える成果はないのではないか
3. そのうち導入される
最終処分場を長く使うために将来的に有料化は避けて通ることは難しいため、新しい埋め立て地が見つからない限りは必ず最終処分場の延命措置(=有料化)が行われる。
→今日まで6年間検討中であり、この先も大きな動きはないのではないか。
Q.今までなかったからこれからもないとは言い切れない
A.住民の中で争点になっていない
参考文献・URL
大塚隆広,2024年,「最終処分場あと50年で満杯か…東京23区と都が「家庭ゴミ有料化」検討 既に実施の立川市は可燃ゴミ排出量が前年度比17.5%減」,(2024年9月23日,https://www.fnn.jp/articles/-/759355).
総務省,2023年,「消費者物価地域差指数」,(2024年9月23日,https://www.stat.go.jp/data/kouri/kouzou/pdf/g_2022.pdf).
山川肇,2001年,「都市廃棄物処理における有料化施策の影響と評価」,(2024年9月23日,https://www2.kpu.ac.jp/life_environ/mat_cycle_soc/lit/ch7.pdf).
山谷修作,2000年,「全国都市のごみ処理有料化実態調査」,(2024年9月23日,http://www2.toyo.ac.jp/~yamaya/gomishoriyuryuka.pdf).
北海道苫小牧市,2010年,「家庭ごみ有料化に伴う各種課題について」,(2024年9月23日,https://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/files/00008600/00008639/docu62.pdf).
【先生からのコメント】
・ごみの問題は都市特有の問題の一部、一方で地方では捨てる場所がある
・ごみ袋有料化で、オールオッケー・解決しない、さまざまな方面に配慮した政策が必要
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