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チャット型AIは単語のスロットマシン

はじめまして。
過去にはセキュリティ関連などの記事を書いたりしてましたが、ある日急に嫌になって全部消してしまいました。色々考え方が変わり、今後はテック関連を中心に思いついたことや変だと思ったことなどを書いていきます。

大規模言語モデル(LLM)の全盛期?


去年ChatGPTが出現してから、大ブームとなっているチャット型AIに色々思うところがあります。正直なところ今が全盛期かなと思っていて、今後はあらゆるテクノロジーにありがちな幻滅期がやってきます。「AIを使った…」と言うフレーズが頻繁に使われたのは最近のことではありません。はるか昔にニューロファジーなどと盛んに宣伝された時代にも毎日、毎日聞いたフレーズです。最初はすごい、便利ともてはやされたものの、結局はその後発展せず、いつの間にか「AI」と言うのが恥ずかしいものとなってしまいました。
もちろん今回も同じ道を歩むのか?と言われると必ずしもそうではありません。しかし、大部分のテクノロジー、それもインフラに近いもの以外は大抵浮き沈みがあります。本質を理解しないで騒ぐ程、その後の沈みが大きくなります。

スロットマシンで大騒ぎ

では、大規模言語モデルの本質とはなんでしょうか?ニューラルネットワークを利用したAIは本質的に全て確率の世界で生成されたランダムなノイズでしかありません。この確率は用意された学習データをもとに偏りを作って、意図的に確率を狭くしたものです。これはカジノ側が辺りを調整できるスロットマシンとほぼ同じです。3個の記号の代わりに何千もの単語が並ぶスロットマシンで、レバーの引き方を変えればジャックポットが出せるとか、目押しすれば好きな並びが得られると言うことに夢中になっているのが現状です。

プロンプトを作り出す努力をしなくていい


ChatGPTやBing、Google Bardなどで欲しい出力結果を求めてプロンプトエンジニアリングが大流行しています。しかし少し考えてください。プロンプトエンジニアリングは確率を操作して、欲しい結果を得るためだけのもので、欲しい結果がわかっているのならプロンプトを考える時間で別の方法が使えます。PowerPointの資料なんて、Bingに作ってもらう程度のものなら、そもそも作らなければいいです。プロンプトに含まれているキーワードが重要なので、それだけ伝えれば十分です。
となると、今必死にプロンプトを作って「こんな結果が出た!」と騒いでツイートしたりするのがとても無意味な作業だと言うことがわかります。現在のチャット型AIはわかっていることを効率的に収集する一つの手段でしかないです。プロンプトなんて作らなくても、そのうち誰かが綺麗にまとめてくれます。そんなことに時間を使わず、今やっていることが本当に必要なのかを考えた方がいいです。

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