胸いっぱいのアイと情熱をアナタへ♯75
変化し続ける世の中で
わたし達はーー。
65.just a little bit【peaceful remix】
ほんのひと時の平和かもしれない。
この時間が少しでも永く、
少しでも多く在る様にとーー。
あれから、数日後。
ルナは墓に手を合わせる。
「スズカ、またどっかで会お」
先に逝った友達は、何となく笑ってる気がした。
そんなヴィジョンがルナに降りてきたからだ。
「ん、わかった」
友の言葉に頷いて、墓を後にした。
ルナは街を歩く。
小鳥遊医院に向かって。
街中の喧騒。
喧嘩を売られてる人が居る。
サラリーマン風のスーツの男が、チャラチャラした男に絡まれているのを見て、ルナはチャラチャラした男へわざとぶつかりに行った。
「あ、ごめぇーん」
その瞬間にルナの手癖が働いた。
チャラチャラした男から財布を抜き取る。
「いってぇな、ねぇちゃん!怪我したぞ!どうしてくれんだ!?あぁ!?」
「そんだけ元気なら怪我なんかしてないっしょ?せこい男だねぇ」
これだけ騒いでいると、街中で人集りになる。
「けーさつ呼んだ方が良くないか?」
「あの女の子、危なくない?」
ルナはケロっとしたまま。
ザワついた周りの人達の言葉でチャラチャラした輩は決まりの捨て台詞を吐いて去っていった。
「キミ、ごめん!ありがとう、わざとぶつかってくれたんだろう?」
サラリーマン風の男がルナに聞く。
「ん?いや?何となく」
笑ってその場から立ち去るルナ。
ーーま、自業自得だよ?チャラ男くん。
と、舌を出した。
「よっ!カヲルちゃん!お見舞いに来たよ〜!」
「ルナちゃん!ありがと~!」
しこたま買い込んだお菓子を持って来たルナ。
「おいおい、一応病院だぞ、ルナ!」
と、一連の流れの説教もルナには全く意味も無く。
「小鳥遊先生なら、カヲルちゃんもう治ったんじゃないのぉ?」
「んなわけあるか!」
「おーこわ……」
そそくさと悟の病室へ逃げるルナ。
「相変わらずやかましいな」
「ついでに見舞いにきたよ?」
「はいはい」
いつものやり取りのふたり。
「右手使えないなら、あーんとかしてやろうか?あーん」
「いらねぇよ、左手で食える」
「じゃあ……」
ルナが懐からナイフを取り出し悟へ向けて刺す!
悟は冷静に左手の人差し指と中指でナイフを掴み、止める。
「ちぇ……左手だけでも余裕ですか?」
「余裕です」
「ねー、悟のこと殺りたいからさー、一緒に住んでいい?」
「は?サカガミのとこで飼われとけよ」
「あー、自信ないんだ??」
「寝てても殺られねぇよ」
「じゃー決まり!引っ越す!」
「入れねぇ」
「ふーざーけーんなー!」
カヲルを見舞いに来たスズタニがこっそり盗み聞きしていた。
ーーあら、ルナが……人と暮らすの?あらあら……❤
今日も小鳥遊医院は騒々しいーー。
続