麻美の途方もない1日。♯5
車の横を通り抜けられるバイク。
最高だ。
麻美は目的地へ近付く喜びを感じていたのだが……。
時間が時間だ。
果たして彼が待っているのかどうかもわからない。
それでも行くしかなかった。
15:58
「この通り真っ直ぐ行けば駅だ!車輌入れないから、ここまでだけど」
「ありがとうございます!」
麻美は元気にお礼を行って走り出した。
「頑張れよー!」
バイクの人が手を振る。
商店街を抜けて、駅が見えてきた。
16:00
もうすぐ待ち合わせの改札が見える。
16:02
ーーあれ?何で?
彼があらぬ方から走ってくる。
彼も麻美をみつけたみたいで走り寄ってくる。
息を切らせてお互い対峙。
「「連絡できなくてごめん!!待ったよね!?」」
ーーへ?
予期せぬハモりにお互いがビックリしている。
「「あのさ、いろいろあり過ぎて何から言っていいか!」」
「あ、あの……わたし……」
「麻美ちゃん、待ってないよ。オレも今来たところ……だから」
彼は優しく笑って言う。
「とりあえず、ご飯食べに行かない?」
麻美のお腹が鳴った。
「「朝から何にも食べてなくて」」
再びのハモり。
何だかおかしくて、ふたりして笑った。
ーー似た者カップルのこのふたり。
彼の方に何があったかは……、
また別のお話。
ℋ𝒶𝓅𝓅𝓎 ℰ𝓃𝒹
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小躍り𝑫𝒂𝒏𝒄𝒊𝒏𝒈です。