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HERO♯1


1.『wiz』と『siz』

空には神、地の奥底には魔。
空から神は我らを見守り、地から這い出る魔物をほふる。
神の恩恵は霊力として
魔の力を活用は魔力として
人々に宿っていた。
その才能持つものは人類の2割ほど。
霊力宿りし『僧侶クレリック
魔力宿りし『魔導師ウィザード
として、役割を果たす使命を持たされた。

魔法と科学が同居した世界。

科学は魔力、霊力を動力として様々な物が発明されていった。

人々の暮らしのために科学を用いて、様々な物を作り上げる『sizシズ

魔力、霊力を直接操り、人々を魔物より守る守護者『wizウィズ

『wiz』と『siz』は国家公務員としてその資格がある者が務めることになっている。

今年も『wiz』の国家試験による悲喜交々が始まる。

魔法を発動するに至っては体内に内包する魔力量、霊力量が大事になってくる。
戦いに至ってひとつだけ魔法を使用して空っぽになるようでは命の危険に通じるという観点から実践試験が行われる。当然、筆記試験もある。

筆記と実践の試験から合格した者に『wiz』の担当官となる資格が与えられる。その下に書記官がつけられ、タッグで『wiz』の業務にあたるのが基本的スタイルだ。

不合格になったものは力を持つものである為に『siz』にて、研究者となってもらう。もっている力を動力に変えて研究を進めていく効率的採用だ。

『wiz』において担当官は業務を先頭に立ち、人々を守る為に戦う『HERO』だ。
書記官は担当官補佐で、業務の報告書等々、本部への事務的業務を主に行う。

試験の結果において、『wiz』に受かっても担当官と書記官とでは、かなりの差がある。
事務的業務を一切行う必要の無い担当官と担当官補佐ゆえに、担当官の仕事と事務的業務を抱える書記官。
担当官の人格破綻者の場合、担当官は何もせず書記官に全てやらせるなど、チーム内で内包的問題もある。


悲喜交々の試験結果発表。


『お、担当官だ』

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…………」
その横で悲痛な叫び声を上げる女の子。


「書記官……だぁ……」

『おいおい、そんなに泣くなよ、書記官だって立派な仕事だぞ?』
銀髪眼鏡の男が泣きじゃくる女の子へ声を掛けた。

「わかってないのよ!あんたは!担当官と書記官の仕事量の違いがっ!」

女の子のでかい声が銀髪眼鏡の男の鼓膜をつんざく。

『まぁまぁ、辞令を貰いに行こうよ、ね?』
「う……うん……」


先輩担当官より新人担当官、書記官へ辞令が渡される。

「シェン・ライオンハート」
『はい』
「チーム『デルタ』の担当官を任命する」


『はい、ありがとうございます』

辞令を受け取り、頭を下げるシェン。

「リサ・フラワーフォール」
『はい……』
「チーム『デルタ』シェン・ライオンハートの書記官を任命する」


「はい……」


泣きながら、こちらに来るリサ。

手を出すシェン。
『よろしくな、リサ。シェン・ライオンハートだ』
「ええっ!あんたがぁぁ!?わたしの担当官なのっ!?」
『全然見てないし、聞いてないのかよ』
苦笑いのシェン。

ふたりには専用の部屋が与えられ、そこで業務にあたる。

『ま、よろしく頼むよ、リサ』


これは魔法と科学が
同居した世界のお話ーー。







原点回帰です。
わたしはファンタジーものが好きでそれを題材にして物書きを始めました。

そして今。
完結まで導けなくて悔いが残っていた『HERO』を成仏させるべく挑んでみようと思います。

よろしくお願い致します。

サポートなんてしていただいた日には 小躍り𝑫𝒂𝒏𝒄𝒊𝒏𝒈です。