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生きていく。【虎吉氏cover小説】
夢中になる事は快楽だ。
子供の頃、同じ事をひたすら繰り返して夢中で遊んでいたアレは、きっと気持ちよくてやっていたハズなんだ。
物心ついた時からは、テレビゲームを凄まじい長時間やっていた。
良くもまぁ、目をそこまで酷使してやって居られたものだ。
大人になって、自由になる時間が減った時、テレビゲームに使う時間が惜しくなったのか、それとも同じ事の繰り返しに飽きたのか。
全くやらなくなった。
夢中になれるモノ。
それはそれに没入し、他の事を考えなくなるモノ。
高校あたりからアコースティックギターを触り始めた。
音楽はもともと好きだった。
自分で曲を伴奏出来る。
それに目掛けて夢中だった。
反復練習。不思議なものである日突然、綺麗に音が出るようになり弾けるようになった。とは言ってもCodeを押さえることが出来るくらいだが。
大量にあった時間はわたしの味方をしてくれた。
それと同時に小説も読み漁った。
授業そっちのけで小説、放課後は友達のところでギター。
そんな毎日が好きだった。
社会に出て。
友達とは縁遠くなってしまってギターを忘れていった。
その楽しみをわかってくれる人の前でなければ共有出来ないのがわかったからだ。
仕事をするようになってからは小説からも離れた。
だが、最初に入った会社は夜勤で暇な夜は小説を書く方になった。
パソコンの練習にもなって良かった。
ブラインドタッチというやつもそれで覚えた気がする。
書いていたら夜が早かった。
これも大量にあった時間がわたしの味方だった。
歳を経て。
きっと、同じだけの時間くらいわたしにあるハズなのに。
大量にあると思えなくて、わたしの味方が減った気がする。
歳をとると時間経過が早く感じるという定説もあるくらいだから仕方ないのかもしれないが。
だが、今。
わたしは原点回帰した。
あの頃書いた小説をまた書いている。
書ききれなかった想いを乗せて。
夢中になって書いている。
没入して時を忘れ、快楽にも似たあの感動をもう一度。
時間は少なく感じてしまうけれど、きっと私の、味方をしてくれる。
そう信じて、生きていく。
[完]
こちらの企画に参加させていただいています!
エッセイっぽくなってしまったかもしれませんが💦
┏○ペコッ
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