2024GW旅行記#2～🇫🇷38時間トランジットで巡るパリ|前編

パリオリンピック直前の2024年GW、スペインへのトランジットでパリに訪れた。

正直、これまで「パリに行きたい！」と強く思ったことはなかった。
しかし旅行前、ひょんなことから原田マハさんのアートミステリ小説を読んだことで、その気持ちはガラッとかわっていた。

『リボルバー』、『美しき愚かものたちのタブロー』、『常設展示室』など。パリの街やフランスにゆかりのあるゴッホ、ゴーギャンが出てくる小説を読み、すっかりパリが憧れの地になっていたのだ。

『美しき愚かものたちのタブロー』の
表紙にもなっているゴッホの絵

パリには１泊したが、翌日は朝食後すぐに空港に戻らなければいけない。観光に使えるのは、実質到着した今日１日だけだ。

初めてのパリ、初めてのフランスを、短時間で最大限楽しんだ記録を残しておこうと思う。

⭐︎なぜパリトランジットにしたのか？GW10日間のパリ・スペイン旅行の全日程はこちら

1日で巡れた観光地

最初に結論として。朝8時から夜20時までの12時間で、以下の9カ所を巡ることができた。

• オペラ・ガルニエ（外観）

• 凱旋門（外観）

• シャンゼリゼ通り

• エッフェル塔（外観）

• ノートルダム大聖堂（外観）

• サント・シャペル（入場）

• オルセー美術館（入場）

• オランジュリー美術館（入場）

• ギャラリー・ラファイエット（入場）

日本での事前予約はどうしたか

計画を立てる際は、１日とはいえ予定を詰めすぎないよう心がけた。

特に午前中。心配性の私は、もし早朝着予定の飛行機が遅延しても「大丈夫♪オ〜シャンゼリゼ〜♪」と安心できるように、予約が必要な観光地は午後に回すことにした。そして、午前中はフラっといけそうな観光地を巡ることにする。

私のマスト事項は以下の通り。

• オルセー美術館でゴッホやゴーギャンの絵を

• オランジュリー美術館でモネの《睡蓮》を

• サント・シャペルでステンドグラスを観る

そのため、これらはすべて、日本にいる間に公式サイトで予約をしておいた。

モンマルトルの丘やヴェルサイユ宮殿は移動時間を考えて今回は見送ることにした。
ルーヴル美術館は「朝一に入らないとモナリザの部屋に入るのに数時間並ぶ」との情報を目にし、帰りのトランジット時に任せた。

旅の始まり ～ パリの街並みとホテル

4/27（土）の朝5時半過ぎにシャルル・ド・ゴール国際空港に到着。所要時間は少ないが治安の悪い電車ではなく、時間はかかるが安全なロワシーバスで街の中心部まで行くことにした。

8：00　オペラ・ガルニエ（オペラ座）

ロワシーバスは、空港から直通でオペラ座に到着する。
バスを降りると、目の前には雨上がりの石畳と水たまりが広がり、私がイメージしていたパリらしい風景が広がっていた。

人通りが少ないパリの朝を満喫！

そして、あのオペラ座が目の前にあった。学生の頃に見た、劇団四季のオペラ座の怪人を思いだす。「ダーダダダダー」と頭の中で音楽が鳴った。

オペラ・ガルニエ

演劇好きなので、もちろん時間があれば演劇を見たかったのだが、流石に時間が合わず。でもその楽しみは次にとっておこうと思う。

8：10　パリ・マリオット・オペラ・アンバサダーホテル

オペラ・ガルニエから徒歩５分ほどで、予約したホテルに到着。いつもならトランジット時はもっとリーズナブルなホテルに宿泊するが、数年ぶりの長距離フライトに不安があり、疲れを癒してくれそうなこと、さらに立地の良さを重視してマリオット系列のホテルにした。

チェックインはまだだったが、旅好きの我が家はマリオット・ボンボイ会員のため、スタッフがラウンジで朝食を、と提案してくれた。

ラウンジの窓からは、遠くにエッフェル塔が見えて、パリに来たのだ！と興奮した。

クロワッサンとパンオショコラ。

そして、さすがはパリである。クロワッサンとチーズが本当に美味しかった。
疲れていたのでつい長居したくなったが、時間は有限。そそくさと観光へ出発することにした。

あまりにも可愛いMETRO入口

パリ観光スタート ～ 名所を巡る

9：30　エトワール凱旋門

METRO（地下鉄）で数駅移動し、凱旋門へ。

凱旋門は予想以上に大きく、開けた場所に堂々と建つその姿に心の底から圧倒された。
何というか、〇〇タワー的な立ち位置じゃなくて、宮殿的な立ち位置の観光地というか、とにかくこの建造物には威厳があった。

空にむかってそびえたつ凱旋門

内部の彫刻も細かく圧巻

左下にいるひとのおかげで
大きさが伝わるかな

「あぁ、また見に来たい」と今きたばかりなのにそう思うほど、格好良かった。
これまで「自分はあまりパリって感じじゃないかな〜」などと思っていた自分を恥じるほど。

登ることもできるが、今回は時間が足りず断念。こんな高いと思っていなかったので、次回は上からの景色を見てみたい。

9：55　シャンゼリゼ大通りを散歩

凱旋門から放射状に伸びる通りの一つ、シャンゼリゼ通りを歩く。もちろんあの歌「オ～シャンゼリゼ～♪」を歌いながら。

シャンゼリゼ通りの横断歩道からみた凱旋門

通りにはピエールエルメやルイ・ヴィトンなど有名ブランド店があり、オープンテラスのカフェで朝食を楽しむ人々もいた。

ピエールエルメの店の壁にうつる
木の影すらおしゃれ

ルイヴィトンの前で写真をとる
THE観光客をした

フランスのものではないが
今回の旅を支えてくれたon（スニーカー）

途中、モールのようなお店のちょうど開店時間に前を通ったのだが、店員さん達がノリノリで歌い、手拍子をしながら客を迎え入れていた。

パリジェンヌはもっとお澄ましなイメージだったのだが、それは自分の偏見だと気づかされた。彼女たちは今すぐ混ざりたいくらい楽しそうに働いていた。職場がランウェイだった。

こんなふうに働きたい

観光地だけあり、途中、スリに狙われる場面もあったのだが、正直こんなにわかりやすいスリは初めてだった。
あからさまに夫のリュックを狙っているので、二人でガンを飛ばすとすぐさま別の人に近づいていった。スリ対策は完璧で、リュックには着替えなど盗まれてもいいものしか入っていないが、やはりヨーロッパは気を引き締めなければいけない。

10：25　エッフェル塔

再びMETRO（地下鉄）を使ってエッフェル塔へ。

駅の出口をあがると、路上では移民と思わしき人たちがピカピカと光るエッフェル塔の置物を売っていた。

置物がおかれたカーペットの四隅からは紐が出ている。いつ警察がきても、この紐をさっと引けば、ふろしきでふわっと包むように、置物を一瞬で集めて逃げることができるのだ。

結構かわいいし、値段も高くないし、「買うのもアリかも？」と一瞬思ったが、冷静になりやめた。

手前の落書きとのコントラストに
フランスを感じた

エッフェル塔まではちょっと距離があり、歩いて移動。
途中川を渡ったのだが、「もしかしてこれが、オリンピックで今話題のセーヌ川！？」と盛り上がる。

なんか隅田川感がある
写真になってしまって後悔

そしてついにエッフェル塔の目の前に到着。

エッフェル塔はエッフェル塔だと思っていたのだが、最初に出てきた感想は「エッフェル塔ってこんなにかわいいの？」だった。

ただの鉄塔だと思っていたので、その繊細なデザインに感動と驚き。もっと強く言ってよ！（と思ったのだが、みんな知っていたのか？）

出発前に友人から「エッフェル塔はレースみたいな模様らしいから、見てきて」と言われていたが、まさにその通りだった。

繊細！

オリンピック直前だからなのか、エッフェル塔前の芝生は養生されていて入れなかった。
「ここ、ここ〜！」と、イッテＱなどで見たような画角での撮影はできなかったが、満足した。

本当に真下に行くには、チケットなのか、荷物検査なのか、何か入口を通らないといけないようだった。が、時間がないし、満足したので、エッフェル塔の観光は完了。

ちなみにその列に並ぶ人の横では、YouTubeのショート動画で「この人たちのゲームは当たってる客もサクラだから絶対に参加しないで！」と警告されていた出店もしっかりあった。

芝生に入れず

11：20　シテ島

来た道を戻り、電車でシテ島に移動。
シテ「島」とあるが、セーヌ川の中州のこと。場所はパリ中心部に位置していて、すぐだ。

かつてシテ島に住んでいた民族の名前が「パリ」の由来となったとか、シテ島を中心にパリの街が広がっていったとか、諸説あるが、とにかく「パリ発祥の地」と言われる歴史ある地区らしい。

今回はいかなかったが、マリーアントワネットが投獄され、最期を過ごした牢獄「コンシェルジュリー」もこのシテ島にある。この旅の数か月後に行われたオリンピック開会式で、マリーアントワネットの首がはねられる演出をし、物議を醸していた場所だ。

11：30　ノートルダム大聖堂

徒歩すぐで、2019年の火災により修復中と聞いていたノートルダム大聖堂についた。まだ中には入れなかったが、修復が進んでおり、外観はしっかり見ることができた。

下のほうは工事の壁で囲われている

ステンドグラス好きとして、真ん中の丸いステンドグラスは中から見るとさぞかし綺麗だろうなぁ、と思った。
2024年12月に中も含めて公開が再開されたとのことで、次はぜひ見学したい。

午後の観光は後編で

午前中は事前予約なしで自由に観光を楽しんだが、自分のペースで気ままに回ることができ、とても満喫できた。

これだけ回ったにもかかわらず、まだまだメインの観光地が残っているなんて、パリは本当にすごい。

後編では、ステンドグラスが美しいサント・シャペル、ゴッホやゴーギャンの絵が飾られているオルセー美術館、モネの睡蓮があるオーランジュリー美術館などを巡ったので、備忘録として残そうと思う。