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人の働く姿が好き♡
退職したら、家のメンテナンスが次々と必要になった。
そこで出会った職人さんたちがステキ。
目の前でサクサクと仕事をする姿に見とれてしまった。
床の張り替え
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退職したその年にリビングと廊下の床が割れた!
経年劣化と私たち夫婦の体重増加が原因だ、きっと。
歩くとフワフワして危ないなぁ、とは思っていたのだけど。
すぐ大工さんに来てもらった。棟梁は私よりけっこうな年上。
リビングをグルっと見回して一言「モノが多いな!」。
ギクッ!!
棟梁と職人さんは部屋のあちこちのサイズを手際よく計った。
後日、棟梁は自宅に私たちを招いてくださった。
床材の確認のためだ。
すばらしく片付いた部屋にはモノが少ない。
ウツクシイ♡
棟梁の家と同じ床材を使うことにした。磨くほどにツヤツヤになるという。
私が通った木造の小学校校舎を思い出す。
さて、工事の前日、私たちはリビングとキッチンのモノを隣の和室に移した。
ビニールシートを敷いて、どんどん移動させた。
一番苦労したのは食器棚だ。
「テコの原理で重いものを動かす」グッズを買っていたのだが、とんでもない!全く歯が立たない。動かせない!棚をカラにしないと!
食器を農業用みかんカゴに入れて積んだ。いったいどれだけ溜めていたのか!
詰めながら捨てるものと使うものに分けた。
本当に必要なもの、大事と思えるものを取ってあとは捨てる方にまわした。
こんな事が無ければ片付けなかっただろうな。
工事当日、職人さんたちはきちんと計って切ってある床材を恐ろしいほどのスピードで打ちこんでいった。古い床材の上に接着剤をたっぷり塗って重ねていく。一枚一枚に切れ込みが入っていて、カンカンっと詰めていくとピッタリ隙間なく板がつながっていく。
その手際の良さと無駄のない動きに見とれてしまう。
お昼ご飯の時間、職人さんたちは家の裏手にシートを敷いてお弁当を食べる。そこにお茶とおやつを差し入れた。
休憩が終わると、仕事再開。
午前中と同じテンションでテキパキと働く。
「すごいスピードですね」と言うと少し笑って「身体に染み付いたスピードだから・・・速くしようとか思ってないです。かといって遅くもできない」と。
動きが速くて無駄がない上に正確だ。長年まじめに正直に働いてきた結果だと感じ入る。
水道工事
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水道料金がいつもの5倍になっていた!
連絡するより前に、水道課の人がビックリして検査に来てくれた。
水漏れはわが家の敷地内で起きているもよう。
さっそく水道工事業者に来てもらう。
水漏れの個所はわかる。
かすかに水の流れる音がしていたのだ。
夫は「何も聞こえないけど?」と訝る。
工事業者は「いつもは聴診器で調べるんだけど、今日は持って来てないな、しまった」と言う。
「ありますよ」と聴診器を渡すと「なぜあるの?」と驚いていた。
私のカンはドンピシャで、水漏れは想像通りの場所だった。
工事の日取りを決める。
水道工事は床下にもぐっての作業だ。
防護服を着てもぐる人は私よりけっこう年上。
後継者について尋ねると「若い人はこの仕事に来ないねぇ」と言う。
作業して戻ってきた職人さんは汗だくだ。
私は汗拭きシートを冷凍庫でキンキンに冷やしておいた。
氷の入ったお茶と一緒に出すと、「生き返る~」とすごく喜んでくださった。
きつい仕事だけど、若い人にも頑張ってほしい。
後継者ができますように!
庭木の伐採
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気づいたらモクレンとキンモクセイがとんでもなく大きくなっていた。
夏の日差しから守ってくれるし、良いなと思っていたのだけど。
風が吹くとキンモクセイの枝がキュッキュキュッキュと音を立ててサンルームの屋根を押している。よく見ると透明の屋根は傷が入っている。
このままでは屋根が割れてしまうかもしれない。
すぐに造園さんに連絡した。
しかし!
造園さんは忙しすぎてなかなか来てもらえない。
他にないかなと調べてみたら、造園業者が減っていることに気づいた。
この分野も大変なんだな。
待つこと2か月。下見に来て「どれをどのくらい切るのか」確認した。
それによって必要な道具があるからだ。
作業当日、大きなトラックにクレーンを載せて来た。
職人さんはクレーンの先のバスケットに入って自由自在にバスケットの位置を動かす。
チェーンソーを自由に操って、気持ち良いほど切っていく。切ったものは気をつけて下ろす。もう一人は次の作業の準備をする。
息の合った動きだ。怪我しないように、周りに危険がないように気をつけながら作業しているのがわかる。
切ったものを軽トラックに積んで2度往復していた。自分の山に持って行くのだそうだ。
作業が終わると、全ての道具を大きなトラックに積んで、庭や道をていねいに掃いていく。見事に美しくなった!
木の切り口には薬がたっぷり塗ってある。
そうかぁ、傷つけたんだもんね。
さっぱりカットしてもらったので、今後は自分たちで手入れができると思う。
この数年で、家のことでお世話になった業者さんがたくさんいる。
お風呂のお湯が溜まらない、という事態になった時は二つ隣の県から部品の取り換えに来てくれた。しかも結構な高齢の方。やはり若い人がいない、という。その日だけで同様の取り換えが20件もあるというから大変だ。
みんな共通しているのは、専用の良い道具を持っていて、手入れが行き届いていること。当たり前だけど、道具へのこだわりと投資がスゴイ。
そして、私がお世話になった人たちはけっこう高齢。でも元気もりもりで若く、颯爽としている。自信もって働いているのが伝わってくる。
彼らが元気なうちに、若い人には技術を受け継いで欲しいと思っている。
世の中はみんながそれぞれの分野で働いているから廻っている。
これまでは自分が働くことで精いっぱいだった。
改めて人の働く姿をみて「美しい」と感じた。
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毎年自分たちで選定している