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生産性をメンタルヘルスに使ってみる

生産性を高める、色んなところで聞く言葉です。生産性を上げるためには朝早起きしなさいみたいなアドバイスまでされたりしていました。

でも、生産性って何なのか、高めるための考え方はどういうものなのか理解すると、メンタルヘルスにも活かせるものではあるので、生産性について知っておくことは悪くないと思います。

今日は生産性ってなんなのか、どう生産性を上げるのか、それをどう活用するのかについて話してみようと思います。

わかりやすさ優先で話すので、細かい定義などがズレたりしますがご了承ください。

一応大学生の頃この分野の研究もしていたのですが、末席面汚し君ではあるのでちょっとビビって書きます。

生産性って何

そもそも生産性とは言われてもその詳しい定義を知っている人が少ない気がします。
日本生産性本部の定義では、[生産性は生産諸要素の有効利用の度合いである]とされています。
数式で表すと  
生産性=産出(output)/投入(input)
となります。

産出には売上や生産個数、付加価値なんかがよく使われています。
投入には、労働人数や労働者の総労働時間何かがよく入ります。

そもそもこの生産性は数値化することで対策や効果測定が出来るという利点があるのですが。
ビジネスの文脈で使われる時に何故か数字が蔑ろにされたり、ろくに検証もされていないことが多いので、個人的には別の言葉を使ってほしいなとか思っていました。

ココでは、「産出を投入で割れば生産性が出る」と分かればOKです。

生産性が高まるって何

先程の数式

生産性=産出(output)/投入(input)

から生産性が高まるということは何が起きているか考えてみましょう。
大雑把に言ってしまうと。改善前より少ない投入で産出量を維持または向上させる事ができたということです。

組織で考えても使いにくいと思うので個人の仕事で説明していきます。
貴方が一人暮らしで家事をする場合を想定します。産出は完了した家事の数で投入は貴方の労働時間です。

例えば、貴方が電化製品を一つも所有しておらず、掃除、洗濯、料理、皿洗いなどの家事をする場合は、すべてがかかり切り業務になるのでおそら4時間は掛かりそうですよね。
4(作業)÷(4時間)=1
この場合生産性は1です。

そして、貴方が便利な家電製品を揃えていて、ルンバが勝手に掃除してくれて、ドラム式洗濯機に洗濯物を入れてボタンを押すだけ、料理も炊飯器や電子レンジ、電気式調理器などに頼り、具材を切ったりして材料を入れたら放置でよい、皿洗いもすべて食洗機に対応している食器を使い軽く水をかけたら食洗機に入れてボタンを押せば良い、となった場合、おそらく貴方が働く時間は30分いかないくらいだと思います。
4(作業)÷(0.5時間)=8
この場合だと家事の生産性は8にあがりました。

生産性はこんなふうに使えばよいです。本来多数人でやったり、購入したものの金額と見合った生産性の向上が図れるかとかもっとややこしいのですが、自分で使うならそんなに難しく考えなくていいです。
産出を固定して、投入を減らす事を考えましょう

誤用?な生産性

多くのビジネス書では、メモをこうやって取ったことで生産性が高まりました。
貴方もこういうメソットを使うと生産性がアップ!運動をすることで生産性がアップします。
と書いていたりします。

違和感があります。
朝の運動を始める前は、平均何時間仕事に時間がかかっていたが、運動を始めたら、平均何時間になったので、生産性はこんな数字になる、ということは生産性は高くなりました。ならまだわかるのですが…
多くはなんか、思考がクリアになってダラダラしなくなったんです。みたいな定性的な事を言ってきます。

生産性を高めたいなら計測が大事です。トヨタの生産方式だと、生産性にこだわりがあり、1工程にどれくらい時間が掛かるかしっかり測定したりするそうです。僕が生産に関わる労働者ならメンタルを病む自信がありますが…
ココまでいかなくても生産性向上を謳う以上数字は使ってほしいです。
数字を使ってしっかり効果測定して、改善していく使い方が出来るのが良いところなのに。

「車変えてからたくさん乗っているんだけどガソリンスタンド寄ってない気がするから燃費いいと思うんだよねーだからこの車オススメだよ」とか中古屋さんのおじさんに言われたら、「リッター何キロか教えてくれ」って思いません?

痩せたら車の燃費良くなったという記事に具体的な走行距離とか給油の回数とかリッター距離書いてなかったら突っ込みたくなりますよね?
なのに生産性ではそれがない事がしばしばあるんです。
気にしすぎですね。

生産性を追いすぎると疲れる

生産性は追求しすぎると、メンタル的に良くないです。なのでうまく使う必要があります

常に時計を横において、何分掛かるかタイムアタックのように仕事をして、いつもより遅いと気付いて焦って仕事するみたいな使い方をするのはおすすめ出来ません。

あくまで、この作業は普通これくらいかかるかな、と把握して、やり方を変えてみて、このやり方だとそんなに変わらないけど作業自体は楽だな、とかこのやり方だと早く終わるな、とかそんなふうに使ってください。

現状の数的な把握、そこから改善の計画実行、効果の測定、修正、を繰り返すイメージです。

僕は個人で使う時、精神コストで考えると良い気がしてます。

投入は自分の中で100点満点でどれくらい疲れるとか嫌とか精神を使うのか評価してください。
産出は時間でも言いし、作業の工程数でも、個数でもいいです。
この作業は普通これくらい精神使うな、これやるとちょっと精神コスト下がるなと考えながらやってみてください。

別に生産性を高めるって、よりよいものを作るとかより早くするとか考えなくてもいいです。会社で求められているならそうじゃだめなんですが、個人で勝手に使うんですから、人にノウハウをうりつけない限りは自由かなと思います。

精神生産性とか名前を点けたら面白いかもしれないですね。

生産性って細かくめちゃくちゃたくさんある

生産性と大枠で語られていますが、中身はかなりたくさんの種類があります。
産出が生産量などの物体に光を当てたものだと物的生産性と呼ばれて、されにその中で投入に何をいれるかで枝分かれしていきます。
生産量を一人あたりの労働時間で割ると物的生産性の中の労働生産性です。
産出が付加価値なときもあるし、本当に多種多様なものがあります。

種類が多いがゆえにどの生産性をどんな目的で使うのかが重要になってきます。変化量が多く見えるものを使ったらよく見せることだって出来ちゃいます

なので生産性が上がったんですとか、この国のこの産業の生産性が高いですみたいな情報を受けたとき、それを使いたいなら中身は精査する必要があります。

生産性はその言葉から、イメージがしやすいです。
効率よく生産ができているとか、技術力が高いとか感覚で捉えやすいしわかり易い言葉です。
それ故に、大衆に向けて使う場合、その中身についてあまり深く追求しない場合が多いので注意してください

使い方見分け方が大事

何においてもそうですが。数字を使った言葉は特に、騙されたりしやすいものです。
使い方としても、数字の評価は、なぜそうなったかまではわからないことも多く、それ単体で評価に用いいると失敗します。
その内容や特性を理解して置くことで、騙されたり、それをうまく使えず何かを失ったりすることを少なくすることが出来ます。

深堀りしようとするとどこまでも行けそうなのでこれくらいにしておきます。

読んでいただきありがとうございます。生産性はあくまで数字です。それをどう捉えてどう使うかが大切なのでみなさんも、どうか人が幸せになれるように使ってください。


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