生きのびる戦い
「いつ奴らが襲ってくるのか不定期なので予測がつかなくて困るわねえ」
「備えあれば憂い無しだ。この町を守るてだてを備えなくちゃならない」
「わたし達は争いごとをけぎらいしているのよ。平和に暮らしたいだけなの」
「奴らにとってはこっちの一方的な考えだと少しも気にしていないさ」
「彼らから防ぐ手だてはないのかしら。穏やかな生活を尊重してくれないかな」
「腹を満たせば、どんな考えだって気にしないだろうよ」
「それじゃせめて自分たちが獣以下だと気がついて欲しいわ」
「だからそんなことは奴らにとってはどうでもいいことなんだ」
「同じ人間のはずなのに、どうして他者を認め尊重できないのかしら」
「自己中心的、自分さえよければ他者などどうなっても気に留めないよ」
「信じられない。欲望の塊でしかなく思いやる人間性ってものがない存在なのね」
「突き詰めてみればみんな奴らと同じ、自己保存の本能で生きているんだ」