「三国志名臣列伝 後漢編」


「三国志名臣列伝 後漢編」
宮城谷昌光

黄巾の乱(三国志でいうと序盤も序盤)あたりの名臣たちの苦悩と活躍が丁寧に丁寧に描かれています。
腐りきった宦官たちの悪政に、絶望と諦めが拡がっていく時代。古い秩序が崩れつつあるさなかの、正義を求める戦い。

権力におもねり事実を捻じ曲げ保身にはしる宦官の暗い才能に曇らされていく英知の行為。
嫌なところがぎゅっと詰まっています(笑)
それにどう立ち向かい、成就しもしくは散り、そして想いが三国志の本筋へと受け継がれていったのか。それが本書の読みどころでしょう。

関係ないけれど、宦官は去勢されているがゆえに通常ではあり得ないような肥満になりやすいという記述がある。これは豚でも去勢豚の方が雌豚より脂が乗りやすいのと同じだよな、なんてことを思ってしまう職業柄です。


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