「アレクサンドリア四重奏 I ジュスティーヌ」

「アレクサンドリア四重奏 I ジュスティーヌ」
ロレンス・ダレル

恩田陸が、最もインスピレーションを受けた小説、いずれはこういう作品を書いてみたい、と色んなところで語っていて、ずっと読みたかった本です。三島由紀夫も幾度も絶賛していました。

“「わたしたちはお互いを斧の代りに使って、本当に愛している人たちを切り倒してしまうんだわ」しかし、ぼくはいま、あの埃にまみれた夏の午後から遠く離れたいまとなって、やっと理解した。裁きを受けるべきはぼくたちではない、あの都会なのだとー。”

物語を時間に乗せて紡ぐ大河小説のスタイルに真っ向から立ち向かい、全てが“都市・土地”、風景が思考を支配する。土地の歴史の一部としての個人の視点を描こうとする野心的な試みーーー

、、、と聞いてもんのすごくワクワクしてページを開いたのですが、正直何度も挫折しかけた(笑)きつかった。。村上春樹を原液で飲まされてるような男と女と女と男と。。。。
しかも全四巻と来たもんだ。
意地で一巻を読み通し、一応二巻にもざっと目を通しておくかー、と読み始めたところ、、

、、、傑作かもしれん。
この小説の仕掛けというか真の構造が明らかになって、肌が総毛立ちました。黒澤明の藪の中的に色んな視点が入り混じって真実に向かっていく、確かなことは、そこに都市があること。
アレクサンドリア。
おぉー、一気読みしたいけどちょっと休憩して別の本で中和しないとえらいことになりそう(笑)

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