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大好き 宇宙関連株(018)人工衛星のシステム設計【アイネット】概要

 ウォーレンバフェット氏の教え「社長になりたいと思えるような企業に投資せよ」、これに従い私も社長になりたい会社を探します。まずは小学生の時から憧れている「宇宙」に関連した企業について調べてみます。
 今回のシリーズは以下の手順で情報収集をします。
  ①会社四季報で興味のある会社をリストアップします。
  ②次にAIでその会社の概要を確認します。
  ③その会社に興味を持った場合は、公式ホームページを確認します。
  ④そして次の情報に基づいて調べます。
    ・日本経済新聞・有価証券報告書・中期経営計画書
※ 冒頭写真は内容と関係ありません。私が好きなものを載せています。


(018)人工衛星のシステム設計【アイネット】概要

アイネット株式会社について
① 企業概要

事業内容:

アイネットは、独立系のデータセンタープロバイダーでありながら、同時に宇宙・人工衛星事業に40年以上の経験を持つユニークな企業です。

データセンター事業: 高品質なデータセンターサービスを提供し、企業のITインフラを支えています。

宇宙・人工衛星事業: 人工衛星のシステム・サブシステム設計から検査・試験、運用・評価解析まで、幅広い分野で実績があります。

特に、気象衛星の運用からスタートし、ISS(国際宇宙ステーション)やはやぶさなどの国の重要宇宙プロジェクトを長年にわたり支えてきました。

特徴:

宇宙事業とIT事業の融合: 宇宙に関する高度な技術と、データセンター事業で培われたITインフラのノウハウを融合し、独自のサービスを提供しています。

40年以上の宇宙開発経験: 長年の経験と実績に基づいた高い技術力と信頼性を有しています。

独自のデータセンター: 安全かつ一貫したサポート体制を構築し、宇宙事業を支えています。

② 宇宙関連分野の業務内容

アイネットの宇宙関連分野における業務内容は多岐にわたります。

人工衛星の設計・開発: システム・サブシステムの設計、製造、試験など

衛星データの処理・解析: 観測データの収集、解析、可視化など

衛星の運用: 衛星の軌道制御、状態監視など

宇宙デブリ対策: 宇宙デブリの監視、除去技術の開発など

③ 宇宙関連分野での競合他社との比較

宇宙関連分野は競争が激しい業界であり、アイネットの主な競合としては、以下の企業が挙げられます。

三菱電機: 宇宙システムの開発・製造、衛星打ち上げなど

NEC: 宇宙システムの開発、衛星通信システムなど

ISRO(インド宇宙研究機構): 低コストな衛星開発で知られる

SpaceX: 再利用可能なロケット開発で注目を集めている

これらの企業との比較において、アイネットは、データセンター事業とのシナジー効果や、長年の宇宙開発経験を活かした独自の強みを持っていると言えるでしょう。

製品名・技術名:

各社の製品名や技術名は多岐にわたるため、一概に比較することは難しいですが、例えば、衛星バス、ペイロード、地上局、打ち上げロケットなどが挙げられます。

④ 宇宙関連分野での特許

アイネットは、宇宙関連分野において数多くの特許を取得しています。これらの特許は、同社の技術力の高さの証であり、競合他社との差別化に繋がっています。

⑤ 宇宙関連分野での実績

アイネットは、これまで数多くの宇宙プロジェクトに参画してきました。

製品名: 人工衛星、衛星搭載機器、地上局など

プロジェクト名: 気象衛星、科学衛星、通信衛星、宇宙デブリ除去衛星など

⑥ 宇宙関連分野での協力企業

アイネットは、多くの企業や大学と連携して宇宙開発を進めています。

JAXA(宇宙航空研究開発機構): 日本の宇宙開発の中核を担う機関であり、アイネットは数多くの共同プロジェクトを実施しています。

アストロスケール: 宇宙デブリ除去事業の世界的パイオニアであり、アイネットは出資を行っています。

⑦ 宇宙関連分野での売上

アイネットの宇宙関連分野における売上高の具体的な数値は公開されていませんが、同社の事業ポートフォリオの中では重要な位置を占めていると考えられます。

事業規模の占める割合:

データセンター事業と宇宙・人工衛星事業の売上高の割合については、詳細な情報が公開されていません。


【公式ホームページ】

宇宙
Space

TOP 製品/サービスTOP 宇宙
宇宙開発における人工衛星のシステム設計、検査/試験、運用/評価をハードとソフトの両面からサポートするとともに、国際宇宙ステーションや観測ロケットにも対応いたします。

特長
宇宙ビジネス業界で培った技術・信頼・実績を活用いたします

アイネットは1977年から衛星の運用業務から宇宙開発業務を開始し、現在に至る約45年の間に多くの人工衛星のシステム/サブシステム設計、検査/試験、運用/評価解析を行ってきました。

また、人工衛星が取得した画像データ/衛星状態データの処理ソフトウェア、ロケット打上げ管制装置の処理ソフトウェア等、数多くのソフトウェア開発も行っております。

これらの情報をアイネット独自のデータセンターを利用することでシステム設計から評価・解析までトータルサポートが可能となっております。

また、国際宇宙ステーションにおいては建設当初から現在の運用まで対応しており、有人宇宙では将来の月や火星有人宇宙分野での対応も目指しています。

最新のニュース

2024年12月20日 お知らせ 当社の宇宙・衛星ソリューション事業部が実施した高専生インターンの取り組みがSPACE CONNECT様に掲載されました

2024年05月14日 プレスリリース 株式会社アイネットの宇宙事業に関する対談動画をIRTVにて配信します

2024年02月19日 プレスリリース 当社出資先アストロスケールホールディングスの子会社 商業デブリ除去実証衛星 ADRAS-J の打上げに成功

2023年04月18日 お知らせ 4月18日「うみつばめ衛星プロジェクト」の特設サイトがリニューアルしました。

2023年04月05日 イベント・セミナー 「OPIE'23」の宇宙・天文光学EXPOに出展(4月19日~4月21日)

実績

アイネットが携わった宇宙開発プロジェクト実績

小惑星探査機、月周回衛星、陸域観測衛星、超高速インターネット衛星、海洋観測衛星、放送衛星、通信放送技術衛星、環境観測技術衛星、オーロラ観測衛星、太陽物理学衛星、磁気圏観測衛星、X線天文衛星、国際宇宙ステーション、観測ロケット、他

アイネットが現在携わっている宇宙開発プロジェクト

次期探査機、地球観測衛星、天文観測衛星、海外衛星、デブリ除去実証衛星、宇宙輸送機、国際宇宙ステーション、観測ロケット、他

地球観測衛星

はるか上空の宇宙より地上の様子を観察し、さまざまな気象や災害監視などの事象を観測するのが地球観測衛星です。当社は、様々な地球観測衛星のプロジェクト実績がございます。

対象衛星:陸域観測衛星、海洋観測衛星、環境観測技術衛星、オーロラ観測衛星等

科学衛星

観測機器やデータ収集機器を搭載した衛星により、惑星探査や天文観測など、はるかな宇宙の謎を解明する目的の衛星が科学衛星です。

当社は、様々な科学衛星のプロジェクト実績がございます。

対象衛星:小惑星探査機、X線天文衛星、天文観測衛星、月周回衛星等

測位衛星 準天頂衛星初号機「みちびき」

カーナビにに代表されるように、測位衛星によるGPSは私たちの生活に欠かせません。

日本でもGPSによる精度を向上させる測位補完機能等を搭載した衛星が測位衛星です。

当社は、様々な科学衛星のプロジェクト実績がございます。

国際宇宙ステーション ISS

国際宇宙ステーションは、世界15カ国が参加している国際的な宇宙プロジェクトで、地上から約400km上空に建設された巨大な有人実験施設です。

1周約90分というスピードで地球の周りを回りながら、実験・研究、地球や天体の観測などを行っています。

当社は、「きぼう」日本実験棟の運用業務に携わっております。

小惑星探査機

出典「イラスト:池下章裕」

小惑星探査機はやぶさの貢献を認められ文部科学大臣並びに宇宙開発担当大臣より感謝状を授与頂きました。

観測ロケット

JAXAの観測ロケットは、日本の宇宙科学研究を支えてきました当社はロケットに搭載される機器からロケットの組立・性能評価、打上げ支援、運用の業務を長年に渡りに携わっております。

宇宙デブリ除去実証衛星

宇宙デブリ除去事業の世界的パイオニアであるアストロスケール社は当社が直接出資するとともに同事業の重要なパートナーでもあります。

アストロスケール社とは宇宙デブリ除去実証衛星の開発を緊密に連携して行っております。

地上局運営

アイネット敷地内に設置したアストロスケール社のパラボラアンテナを含む地上局設備の運用・保守・維持管理を行っております。

うみつばめ衛星プロジェクト

世界初の産学連携持ち寄りパーティ方式「うみつばめ衛星プロジェクト」にて、アイネットは衛星システム設計支援と運用を行っております。

主な業務

人工衛星のシステム設計、検査/試験、運用/評価をハードとソフトの両面からサポートいたします。

人工衛星や探査機が活躍する宇宙空間は地球上と異なり真空環境下にあり、太陽光を浴びれば超高温、日陰に入れば一気に極低温になり約250℃の温度差となります。

惑星探査では分離・着陸・突入などの段階で大きな荷重にさらされる場合もあります。

また、ロケットでの打ち上げ時には加速度、振動、衝撃、音響などが加わり過酷な環境下に置かれます。

アイネットでは人工衛星・探査機のシステム設計、検査/試験、運用/評価をサポートします。

人工衛星・探査機の設計・開発・運用業務

設計・開発・運用業務には、人工衛星や探査機が過酷な環境下でも求められるミッションを叶えるための高度な知識と経験が必要となります。

当社は長年の宇宙開発の経験と知識により各種設計業務を行っています。

衛星・探査機システム設計(電気IF設計、計装設計、電力設計、データ処理設計、光学システム設計等)
衛星・探査機システム・サブシステム試験の評価・解析
衛星運用業務(運用文書作成、運用業務、軌道上データ評価)
各種搭載機器の設計
搭載機器の製造工程設計

人工衛星・探査機の検査/試験業務

人工衛星や探査機は宇宙空間に打ち上げられた後に問題が見つかっても修理することができません。

人工衛星や探査機の機能が正しく実装されていることはもとより、ロケットでの打ち上げ時や宇宙空間での過酷な環境でも正常に動作することを証明するため当社は長年の経験と高い技術力・資格を保有し各種検査・試験を行っています。

衛星システム試験、電気性能試験、各種環境試験

搭載機器の検査・電気性能試験、各種環境試験
地上局設備試験 ※環境試験:振動試験/音響試験/衝撃試験/熱真空試験

所属団体

日本航空宇宙工業会 航空宇宙品質センター
一般社団法人 ニュースペース国際戦略研究所
UNISEC(大学宇宙工学コンソーシアム)
NPO法人 HASTIC(北海道宇宙科学技術創成センター)
NPO法人 有人ロケット研究会
まんてんプロジェクト


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TOP プレスリリース 2024 当社出資先アストロスケールホールディングスの子会社 商業デブリ除去実証衛星 ADRAS-J の打上げに成功
当社出資先アストロスケールホールディングスの子会社 商業デブリ除去実証衛星 ADRAS-J の打上げに成功

2024年02月19日
株式会社アイネット

株式会社アイネット(東証プライム:コード番号9600、本社:神奈川県横浜市、代表取締役:佐伯 友道、以下「アイネット」)が出資している株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO: 岡田 光信)の子会社 株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:加藤 英毅、以下「アストロスケール」)が、商業デブリ除去実証衛星ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略称)の打上げに成功しましたので、お知らせいたします。

ADRAS-Jは、2月18日深夜(日本時間)にニュージーランドのマヒアにあるLaunch Complex 1 からRocket Labのロケット「Electron(エレクトロン)」にて打上げられ、無事予定軌道に投入された後、地上局との交信に成功しました。

アイネットは、引き続き、アストロスケール様の技術実証完遂に向けて、緊密に協力してまいります。

ADRAS-Jプロジェクトについて

アストロスケールは、大型デブリ除去等の技術実証を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証CRD2(注)フェーズⅠの契約相手方として選定、契約を受けて、ADRAS-Jを開発しました。

ADRAS-Jは、軌道投入後、非協力物体である日本のロケット上段への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行います。

注) CRD2は、日本由来の大型デブリの除去を、民間企業と協力して実施することで、この国際的議論の具体的な進展と、日本企業の軌道上サービス市場への訴求力向上の実現を目指すJAXAのプログラムです。

アイネットの役割

アイネットは1977年の気象衛星ひまわりの開発に参加して以来46年間、宇宙開発事業に取り組んでまいりました。

ADRAS-J プロジェクトに関しては、開発段階から打上げ後の運用支援まで携わっております。

アイネットの代表取締役兼社長執行役員の佐伯友道は次のように述べています。

「アイネットはこれまで数々の人工衛星開発プロジェクトに参加してまいりました。長年の経験を基に、当社の多くの技術者が ADRAS-J プロジェクトに参画していることを、誠にうれしく思います。

ADRAS-J のミッション成功まで、当社としても取り組んでいく所存です。」

導入事例

株式会社アストロスケール

TOP 製品/サービスTOP 導入事例 株式会社アストロスケール

導入企業
株式会社アストロスケール

業種
宇宙開発事業
導入サービス
宇宙ソリューション
「持続可能な宇宙環境」の実現を強力にバックアップするアイネットの宇宙開発スキル

 宇宙空間上に打ち棄てられたスペースデブリ(宇宙ごみ)の除去を含む軌道上サービスを通じて、宇宙の環境改善を目指す宇宙スタートアップ企業のアストロスケール。

同社はデブリ除去技術の実証用人工衛星の設計や製造、運用を行うにあたり、人工衛星の設計・製造・運用において豊富な実績を持つアイネットの協力を仰ぎ、短期間での衛星の開発や、打ち上げ後のスムーズな運用を実現した。

ポイント

衛星の設計・製造特有のノウハウを長年の経験と幅広いスキルのある人材により運用を支援

パラボラアンテナをアイネット敷地内に設置・運用を実施

短期間での衛星開発や打上げ業務に対し、さまざまなエキスパートの支援を仰げる体制

独自のデブリ除去技術で「持続可能な宇宙環境」の実現を目指す

 株式会社アストロスケールは、東京都墨田区に本社を構える民間の宇宙スタートアップ企業。スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去をはじめ、宇宙の環境改善や「持続可能な開発」を可能にするための基盤インフラとして軌道上サービスの提供を目指している。

 現在、地球の衛星軌道上には9000以上の人工衛星が存在するが、そのうち稼働しているのは6800基ほどで、残りは廃棄されたまま軌道上を周回している。衛星の打ち上げで利用されたロケットから切り離された部品なども加えると、現在何万もの大型の物体が軌道上に打ち棄てられている。

さらにサイズ1mm以上のものも含めると、実に1億3000万ものデブリが存在すると推定されている。

 これらがもし人工衛星や宇宙ステーションに衝突すると、大事故につながる危険性がある。

さらに今後各国による宇宙開発が進むに従い、人工衛星の数も急激に増えていくことが予想されるため、このままではデブリにまつわるリスクも高まっていく一方だと考えられている。

そのため、デブリを除去して衛星軌道上の安全を確保するための対策が急務だと言われており、各国政府や国際機関が対策方法を模索している。


 そんな中、アストロスケールは民間の宇宙スタートアップ企業として独自のデブリ除去技術を開発し、現在宇宙航空研究開発機構(JAXA)や世界各国の政府、国際機関などと協力しながら技術検証を行っている。

アストロスケール 代表取締役副社長 伊藤美樹氏によれば、同社は既に宇宙空間での技術実証を進めており、実用化に向けて順調に歩を進めているという。

 「2021年3月に打ち上げた宇宙デブリ除去技術実証衛星『ELSA-d』を使って、デブリを模した『疑似デブリ』の捕獲等の技術実証に成功しています。

またJAXAの商業デブリ除去実証プロジェクト(CRD2プロジェクト)の一環として、弊社が開発した商業デブリ除去実証衛星『ADRAS-J』が近く打ち上げられる予定にもなっています」

 なお同社はアストロスケールグループの日本拠点として、主に人工衛星の開発および製造の業務を担っているが、グループ内にはこのほかにも海外に複数の拠点があり、米国や英国、欧州などがそれぞれ進めるデブリ対策プロジェクトに参画しているほか、デブリ対策のための法整備や国際的なルール作りにも積極的に関与している。

株式会社アストロスケール
代表取締役副社長
伊藤 美樹 氏

衛星開発の専門人材を確保するためアイネットに協力を仰ぐ

 そんな同社も、2013年の設立当初はわずか6人のメンバーで人工衛星の開発をスタートした。どのメンバーも衛星開発に関して豊富な経験を持ち、それぞれの分野のエキスパートばかりだったが、実際にものを作るとなると6人の知見と経験を集結してもなお足りない知見やノウハウが数多くあったという。

 「衛星の設計が詳細になるにつれて、より細部な部分のプロフェッショナルの知見がどうしても必要になってきます。

また実際にものを作る際にも、製造には製造特有のノウハウが求められるため、製造分野の知見と経験を持つ人材が欠かせません。

しかし弊社は人材を豊富に有する大手メーカーとは違って、立ち上がったばかりのスタートアップ企業でしたから、エンジニアはいたものの全ての専門分野まではカバーできておらず、足りない専門人材を外部から獲得する必要がありました」(伊藤氏)


 例えば部品を組み立てるためにネジを締める作業1つとっても、ただ締めれば良いというわけではなく、過去の技術の蓄積によるノウハウがある。

半田付けの作業や、接着剤を使った接着作業についても、衛星打ち上げ時のロケットの振動や、打ち上げ後の宇宙空間における真空・低温状態に耐えるためには、長年培った技術や知見があってこそ確実なモノづくりが実現できる。

昔から国の衛星事業を手掛けてきた大手メーカーでは社内にそうした人材を常時確保しているが、スタートアップ企業ではなかなかそうはいかない。

 そんなとき、同社の心強い味方になってくれたのがアイネットだった。アイネットは宇宙開発における人工衛星のシステム設計や検査・試験、運用・評価などの支援サービスを50年近く提供しており、古くは1977年に打ち上げられた気象衛星「ひまわり」から最新の大型衛星に至るまで、数多くの人工衛星の開発に従事してきた実績を持つ。

 「アストロスケールの社員の中に、前職でアイネットと一緒に衛星開発に携わっていた者がいたので、早速紹介してもらいました。

アイネットは大手メーカーが手掛ける衛星開発プロジェクトにおいて長い経験と実績をお持ちで、かつ幅広いスキルと経験を有する人材を有しておられたので、ぜひ弊社の業務もお手伝いいただければと考えました」(伊藤氏)

人工衛星の開発・運用事業において豊富な実績を持つアイネット

 現在アイネットの技術者が、アストロスケールの衛星の開発や製造、打ち上げ後の運用などさまざまな場面で支援サービスを提供している。

アイネット DX本部 宇宙・衛星ソリューション事業部 第2システム部 課長代理 白川俊二氏も、そうした技術者の1人。

もともと大手メーカーで衛星開発・製造プロジェクトに携わっていた同氏は、現在アストロスケールが製造する衛星の組み立てや動作試験の作業を担当している。

 「人工衛星は電気機器や通信機器、データ処理機器などさまざまな搭載機器や、構体パネルをはじめとする多種多様な構造物を組み合わせることで成り立っています。

私たちはこれらコンポーネントの動作やコンポーネント間のインタフェースのテストを行ったり、衛星の完成形へと組み上げていく作業などを担当しています。

さらには、組み立てられた後の衛星が宇宙環境に適合しているかどうかのテストも実施しています」

 各コンポーネントの単体テストなどの作業はアストロスケールの施設で行う一方、宇宙環境テストを行うためには専用の大型施設が必要になるため、JAXA筑波宇宙センター内にある施設を借りて行うことが多い。

その間アイネットの技術者たちも、つきっきりで作業にあたる。

 白川氏とともにこれらの作業を担当するアイネット DX本部 宇宙・衛星ソリューション事業部 第2システム部 主任 米倉奨氏によれば、アイネットには人工衛星の製造やテストに関する豊富な知見や、作業を行うために必要な技能・資格を持つ人材が多数存在するという。

 「半田付けや接着といった個々の作業に関して、専門的な知識を有するメンバーが多数いるほか、通信やクレーン操作など衛星の開発・製造作業に必要な作業の国家資格を持つ者もいます。また衛星の製造だけでなく、設計や運用に関しても豊富なノウハウを有しています」

 アイネットはもともと、打ち上げに成功して運用を開始した後の人工衛星をコントロールするための「地上設備の開発・運用」でも豊富な実績を持っており、アストロスケールが2021年に打ち上げたELSA-dについても、衛星と地上との間で通信を行うためのパラボラアンテナをアイネット敷地内に設置して運用をサポートしている。

株式会社アイネット
DX本部 宇宙・衛星ソリューション事業部
第2システム部 課長代理
白川 俊二 氏

株式会社アイネット
DX本部 宇宙・衛星ソリューション事業部
第2システム部 主任
米倉 奨 氏

衛星の設計・製造・運用に関する幅広いノウハウと専門性

 このように人工衛星の開発・製造・運用の広範なフェイズに渡って豊富なノウハウと人材を有する点は、アストロスケールにとっても非常に心強かったと伊藤氏は振り返る。

 「弊社の衛星の開発期間は比較的短いのですが、必ずロケット打ち上げに間に合わせる必要があるため、開発スケジュールを遅らせるわけにはいきません。

しかし社内に十分な数の要員がいるわけではなく、外部から必要な時に素早く要員を確保できないとスケジュール遅延の原因になりかねません。

その点アイネットにはさまざまな分野の専門性を持つエキスパートがいらっしゃいますから、そうした方々の支援を適宜仰ぐことでスケジュールを遅延させることなく開発を進めることができました」

 ときには、アイネット側が行う作業に必要な機器や環境が不足していたこともあったという。

そんな場合でも、アイネットの技術者は工夫を凝らしながら何とか作業を進め、状況に合わせた柔軟な対応を心掛けていたと白川氏は話す。

 「アストロスケール様と早期に信頼関係を築くことができましたので、作業に必要な環境も迅速に準備していただけました。

アストロスケール様内での意思決定がこれまでの経験にはないくらい早い為、必要なものをすぐに用意して頂けてとても助かりました。」

 なおアストロスケールが現在手掛けているデブリ除去事業は、今後急速な成長を遂げると予想されており、さらには衛星の寿命延長や稼働中の衛星の点検といったデブリ除去以外の軌道上サービスも幅広く提供していく予定だという。

 「弊社では、2030年までにこれらのサービスが当たり前のものになることを目指しています。

この目標を達成するためには、今後もアイネットの強力なご支援が欠かせないと考えています。

アイネットは大手メーカーの衛星開発を通じて培った豊富な知見をお持ちですから、今後それらを弊社以外の宇宙スタートアップ企業にも提供することで、日本の宇宙開発全体の底上げにも貢献していただければと期待しています」(伊藤氏)



【私の感想】

 公式ホームページには「宇宙」専門のページが設けられており、積極的にビジネス展開していると思われます。

 人工衛星システムの設計、運用、衛星データの分析、宇宙デブリなどに関しては他の多くの企業も取り組んでおり、どのように差別化されているのかはわかりませんでした。

 40年以上の宇宙開発事業の経験がビジネスのコアになっていると思われます。技術力だけではなく人的繋がりや未来に向けた構想力もあるのでしょう。

 データセンターであることはテーマ株であるだけではなく、比較的利益率の高いストック型ビジネスであると思われます。安定した収益力+未来(宇宙)という立場は強いと思います。

 宇宙関連株の監視銘柄としてしっかりとチェックしてみたいと思います。


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