髪が伸びるのが速すぎる話


そのまんまぼくは髪が伸びるのが早過ぎるわけでありまして。ただきっとそれは他人と比べたときにはさした意味を持たないと思うんです。というのを懇切丁寧にお教えしてあげるわけでございます。

髪が一日にどのくらい伸びるのから知らないしどうせすぐ忘れるから調べることも致しませんが、まあ大体三ヶ月ほど毎で前髪が邪魔になって美容室にお電話するから概算はできるでしょう。こんな話じゃあぼくがいくら喚いたって誰もわかってくれないでしょうね。焦ることなくゆっくり考えていけば三枚おろしで背骨に包丁が沿って流れていくように、物事のあらましは解決されると思いますから。
時系列を考えましょう。ぼくはいつか髪を切りに行くのです。顔面あっての顔ですから(と言っても目的論じゃございません)、要は変な意匠を施すまでもなく、快適さを重視しておりまして、そう遠くないほどに髪を切りに行くのです。もっさりした頭もスッキリして、視界良好、財布と一緒にすっきりして、後から見たら思ったほどなんて知っていながらも一応満足するのです。話はそこからです。本当にそうなのですよ。というのもここでこれまで私に取り憑いておりました頭への重量、熱放射の効率の悪さ、絶望的な視界という問題が除かれまして、どうでしょう、セットも何もしないような小坊主の脳内から髪の毛についての一切の意識がなくなってしまったのです。実際の時の流れはそこから数ヶ月でしょうか、しかし脳の注意はその間ずっと眠っておりまして、次に目を覚ましたのがその時、意識の時系列ではほんの一瞬であるというわけで。あとはもう何とも申し上げるお言葉はありません。

こんな言い訳じみた駄文を書いてる暇あったら美容院に電話して髪切れとか仕送りを送ってからにしてね


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