苦しさに向き合え、わたし
小学生の頃から自然が大好きで、木々の緑と空の青と揺れる風の音だけに囲まれていつも生きていたいと考えていた。
そう思わせたのは、子どものころ毎年真夏に訪れていた、素朴な農村地域にある祖父母の家での思い出だった。
コンクリートだらけの首都高を抜けて、両親が運転する車でもうひと眠りすれば、徐々に道路の幅が広くなり、空が開けて、道行く車がまばらになる。
そして、遠くに山が見え始め、田んぼの脇の細いあぜ道を抜ければ、祖父母が住む広い庭の平屋にたどり着く。
庭の入り口には祖母が大事にし