海賊さんとのひと秋の恋
一言でいうと、私は某テーマパークのとある海賊さんに、ひと夏の恋ならぬ「ひと秋の恋(片思い)」に落ちた。ただしその恋(片思い)は、海賊さんが死ぬほどの勢いで海をも越えてバズってしまったことで終わりを迎えた。
今回起きた事実は「『あのお兄さん』がバズってしまった」。たったこれだけしかない。
でもこの一つの事実だけで、私の純粋で厄介で複雑なオタク心に嵐が吹き荒れたのだ。このままいくと、私のこの気持ちは成仏できないまま、1000人目の亡霊となってしまうので、ここで文章に書き起こして、供養させてほしい。
これは、哀れなオタクがただ自分の感情と思考を整理するためだけに書いている文章です。ぜひ存分に笑ってください‼️
誰かに文句を言いたいわけでも、共感してほしいわけでもない。
ただ今まで感じたことのないこの気持ちを文章に書き起こしたいだけなのです(笑)
強火のDオタの人
K-POPオタクの人
以上の2点いずれかに当てはまる人は読まないことを勧めます。そして、ここまでで私が誰のことを語ろうとしているか分かってしまった察しの良い方も読まないことを推奨します。私も炎上怖いし。(笑)
何より、こうして気持ちの整理をしようと文章に書き起こしている時点で、自分がかなりめんどくさいオタクで、最高に気持ち悪い人種であることは私が一番理解していますので、お手柔らかにお願いいたします。😌
私について
最初に、私について少し書かせてほしい。
私は、生粋のオタク気質である。某邦ロックのバンドは10年以上かなり熱心に追いかけているし、「オタクといえば」で王道の、アニメも声優もアイドルも各所通ったことがあるオタク。
おディズに関して言えば、もともと幼少期からDの作品にたくさん触れていて、定期的にパークにも連れて行ってもらっていた私は、
好きな作品がある
わりとマイナーな作品のキャラクターもある程度知ってる
パレードやショーを見るのが好き(アトラクションオンリーの楽しみ方ではない)
周回とかはしないけど、キャラグリも好き
みたいな感じ。「Dオタではないけど、キャラの名前とか作品はある程度知ってるライト層」「年に数回、友達とパークに足を運ぶ若年層」に分類される立ち位置だったはず。
ただ、その生粋のオタク気質に今年のハロウィンのパレードがぶっ刺さってしまったのが全ての始まりなわけです…
Frenzyとの出会い
そんな私がいかにしてFrenzyな出会いをしてしまったのか。どのように狂わされたのか。
今年はハロウィン期間に2回パークへ足を運んだ。目的は2回とも「ハロウィンのパレードを見ること」。これに尽きた。
1回目は、そもそもパークに行くことすらうん十年ぶりなのに今年のハロウィンのパレードが見たくなってしまった母と。
2回目は、ハロウィンのパレードをどうしても見たいとわがままを言った私の引率をしてくれた心優しい長年の友人N(手練れのDオタ)と。
母とのインパに関しては、友人Nとの予定が確定した後に、不意打ちで急に決まったので、私としては「パレードの予習の機会をもらえてラッキー☆」の感覚だった。
はじめましてFrenzy
1回目は一緒に行ったのが母親だったので、12時ちょうどくらいに入園というなんとものんびり日程でスタートした。(ポジション争いの詳細を知ってしまった今振り返るとあまりにも恐ろしい)
ハモカラが終わり、座り見6列目くらいのところでレジャーシートを敷き、体育座りで並ぶ親子。くだらない話で盛り上がり続け、あっという間に15:05を迎えた。「はじめまして。私の名前はDr.ファシリエ。」このセリフを聞いた瞬間にぶち上がった。
やばい、ついにキタ!!!!うおーーーー!!!!!ジャズっぽいアップテンポの音楽が最高!!!これから最高なことがはじまっちまうぜ!!どうしよう!!!!ダンスよくわかってないけど!!!!
親子ともども、アナウンスの時点でテンション爆上げだったわけですよ。
まず目に入ったのは、黄金の像を携えてやってきたファシリエさんのフロート。音楽の乗り方がもうさ。ファシリエさんすぎた。天才。
そして、3台目のフロートに差し掛かったところで気づく。
え、どイケメン集団いない?????????
ここでわたし、完全に海賊たちにやられました。正直座り見の6列目くらいともなるとだいぶ遠くに見えて、アクロバットや海賊さん特有の振り付けが見れたわけではなかった。正直いうと、ガストンガールズポジだった。
そう。噂には聞いていたガストンガールズたち。ほんとだ。めちゃくちゃかわいいやんけ!!!
ゲストにめちゃくちゃ絡んでる。メイクも衣装も振り付けもかわいい。声までかわいい。すごい。
それでも、私に刺さったのは海賊たちだった。停止位置はかなーりずれてて、ほとんど見えなかったけれど、目の前のガストンガールズちゃんたちよりも隙間から海賊が見たかった。もともと、ディズニー作品の中で一番好きなのはピーターパンだったので、もちろん一番好きなヴィランズはフック船長だが、改めて海賊が魅力的に見えた。
その時からフック船長とスミ―とドナルドばかり見ていた。そして隙間からほんの少しだけ見えるキャプテンフックが率いる海賊さんたち。
すこし視線を左に向けると大人気の美人カラスたちもいたはずなのに、とにかく私の心を奪ったのは海賊だった。(フレンジーの仲間たちがもはや全員大好きで、その中でも遅効性のカラスの魅力にやられている今現在の自分からしたらしっかり目に焼き付けておいてくれよ…の気持ちに今更なっているけれど。)
こんな感じで、パレードが終わるころにはすっかりフレンジーの魅力にやられてしまった。「予習できる、ラッキー☆」どころの騒ぎではない。
終わった瞬間から、撮ったばかりの動画をすぐに見返しながら、同じように感動した母とあそこが良かった、ここがかっこよかった、あの衣装が素敵だったと感想戦を繰り広げた。さすが親子、抜群に盛り上がる。
こうして、次の日からは家のテレビをYouTubeにつないで、暇さえあればフレンジーの動画を見漁る親子が爆誕した。
Frenzyな一日
初めてフレンジーを浴びてから約10日。友人Nとパークに行く日を迎えた。
パレードに出会ったあの日から、私は冗談抜きで狂ったように動画を見ていた。モチベが鬼のように上がっていること、予習はバッチリであることをNに伝えると、どのポジションで見たいか事前に希望を聞いてくれた。さすがプロのオタク(?)
「フック船長が見れたら嬉しいです…!あとはやっぱり海賊さんが見たいです…!」と返信した。
そしてプロのオタクに勉強させていただいた私は、最前を狙うのであれば始発でパークに向かうことが必須であることを知る。まじ?????(笑)
せっかくプロのオタクが同行してくれると言っているんだし、私も海賊モチベがマックスまで上がっている状態だったので、始発で行かない選択肢はなかった。やったろうじゃん、早起き。
まだまだ真っ暗な中車を走らせ始発に乗り、やっとこさ舞浜に着いた。
人が多すぎた。
私史上、一番早く舞浜に到着した自信があった。というか、間違いなく一番早い到着時間だった。それでも人が多い。
友人Nが、「最前とれるかな~不安だよ~」としきりに言っていた意味をここで初めて理解した。なるほどね、これはやばい!
待ち時間の間には、Nとオタク話に花が咲いた。お互いの界隈の愚痴やら、オタクって難儀だよね~という定番の着地点に落ち着いたり。その中でもダンサーに推しが出来ると大変だよ、という話が身に染みた。大変そうだった。そこには足を踏み入れないようにしようと強く心に誓った。
そんなこんなであっという間に迎えた開園時間。早起きした甲斐もあって、開園してすぐに中に入ることが出来た。Nには、「走らなくていいからね、むしろ走っちゃダメだからね。でも早歩き過ぎてびっくりするかもだから、ちゃんとついてきてね。」と言われていたので覚悟はしていたつもりだった。
が。周りの人みーんな早すぎ!Nも早い!!私は10年以上サッカーをしていて、大学も体育科なので運動神経には自信があったのに、そんな私が笑っちゃうくらいみんな早かった。(笑)
推しのためならみんなこうなるんだなぁと一種の感動さえ覚えた。
なんとか友人Nが3rd停止の海賊ポジ最前を確保してくれたので、そこから約6時間の地蔵開始。3rdの停止位置なので、私たちがいる場所にご一行が来るのはパレード開始からさらに30分ほど遅い。それでも、おいしいご飯を食べたり、ポップコーンをつまんだり、お互いに共通の友達が多いNと話していると待ち時間を待ち時間に感じないくらい、ひたすらに楽しかった。
そして「あのお兄さん」に落ちる
さぁ、やっと出てきました、冒頭で紹介した「あのお兄さん」がやっとここで登場します。前置きが長すぎた~!ごめんなさい本当に。
そう、パレードご一行様が3rdまでやってきたわけですよ。
先頭ダンサーたちがキレキレのダンスを踊りながら練り歩いてるのが見えてくる。その時点でもうかなりやばいのに、近づいてくるにつれて、ダンサーさんたちがこちらに目線をかなり向けてくれていることに気づく。
え、最前すげえ!!!!やばい!!!やばすぎる!!!息するようにファンサくれるじゃん!!!!これ海賊たちにやられたら終わる!!!(フラグ)
先頭ダンサーも、女王様ダンサーもクルエラダンサーもそれぞれ目線をくれた。キャラたちもこっちを見てバッチリファンサしてくれた。
そしてやってきた5人の海賊たち。
私は!!!今日!!あなたたちのために早起きして最前勝ち取ったの!!!この時間まで待ってたんだよ~~!!!の思いが溢れた。
そしてフラグは回収される。海賊さんたち、全員もれなくファンサ上手なんですよ。そんな中、私の目の前を通過する瞬間にひときわやばい目線をくれた海賊さんがいた。それが「あのお兄さん」。
たった一瞬の目線で私は完全に1人の海賊さんに撃ち落とされてしまった。本当に格好良かった。なんというか、ただ好きになるというよりも、「刺さった」が正しい表現だと思われる。
さっきも書いたけれど、もちろん他の海賊さんたちもめちゃくちゃファンサ上手で、ダンスもめちゃくちゃ盛り上げてくれてさいっこうに楽しかった。本当に最高の時間だったんです!!!
念願の海賊ポジ。5人の海賊さんたちから数々の素敵なパフォーマンスを見せてもらって、ちゃっかり会話までしちゃって、おちゃめなスミ―も見れて、最強にかわいいドナルドも見れて、それはそれは幸せな時間でした…。ハチャメチャに盛り上がりながらダンスも踊って、最終的には結構な量のエネルギー持ってかれたと思う。(笑)
ただ、オタクあるあるだと思うんですが、一番楽しくて一番盛り上がってる時の記憶ってなくなるじゃん??それにすぐ陥ったわけ。あのお兄さんから目線貰ったことなんて一瞬で忘れ去ってたの。
もうすっかり海賊たちの虜だったはずなのに、パレードご一行が去っていく頃にはオタク特有の必殺技「記憶消し」であのお兄さんのことはいったん忘れていた。(もしかしたらファシリエさんのミスで、楽しい記憶まで消されていた可能性も否めない。)
ところが、帰りの電車で開催された動画振り返り祭りでようやく、雷に打たれたような衝撃が走ったあのお兄さんの目線を思い出す。「え、そうだよね。このお兄さんからすんごい目線貰っちゃったよねぇ!!!!」って感じで記憶が復活した。
あの日に自分で撮った動画は、音声がひどすぎて他人に見せられたものではない。本当に、オタクの哀れな悲鳴や、カエルが踏みつぶされたみたいな声や、言葉なきモンスターが初めて発語しましたみたいなうめき声までバッチリ記録されているから。でも、あの日からあの動画は宝物になって毎日見返すたびに元気を貰えるツールになっていった。
日常がFrenzyになっていく
次の日から、私の毎日はフレンジーにまみれた。冗談抜きで、フレンジー、もといあのお兄さんのことで頭がいっぱいになったのだ。職場にいるはずなのに、なぜか15時をすぎる頃にはドキドキそわそわする日々。
そして、パブサ能力が格段に上がっていった。海賊さんたちが見られそうなワードを片っ端から検索窓に並べ、動画や画像を漁った。全ては海賊たちのかっこいいパフォーマンスを見るため。もっと言うと、あのお兄さんのパフォーマンスを見るため。
ツイッターもTikTokもインスタも、とにかくこの世にアップロードされている海賊たちの動画が見たかった。特にあのお兄さんの動画や画像は片っ端からいいねしたりブックマークしたりして、いつでも見返せるようにした。こんなにSNSが発達した時代に感謝したことはない。あの時期、色々な動画をアップしてくださっていた先輩オタクの方々、本当にありがとうございます。
宝箱に新しいお宝をドンドン詰め込むような作業は本当に楽しかった。(海賊のオタクだしね!お宝集めないとね!)
その見つけ出したお宝たちを、私は朝起きてから寝るまで暇さえあれば見返して元気をもらっていた。むしろ見ないと一日が始まらないような感覚にさえなった。こうして私のSNSのおすすめたちは日を追うごとにフレンジーの仲間たちで埋め尽くされていった。
海賊さんたちのパフォーマンスはいつだって素敵だったけれど、中でもいっそう魅力的に見えたのはやっぱりあのお兄さんだった。(重ねて言いますが、全ての海賊さんが最高なんです。それは大前提として話を進めさせてください。)
海賊っぽい気だるげさを含みながらもめちゃくちゃ上品なダンスは見るたびに胸がときめいた。ありとあらゆる所作に品が感じられるところが大好きだった。心の底がきらきら輝くような、くすぐったいようなそんな感じ。
最高過ぎて、脳内で勝手に「さいこ~!(ガストン!)さいこ~!(ガストン!)」とガストンが歌い始める毎日だった。
なんてしなやかに上品に踊るんだろう。どうしてそんなにフワッと回れるんだろう。踊り方と表情だけで海賊としてのキャラ付けが分かるのはなんでなんだろう。なんでこんなにも目線1つが魅力的なんだろう。
そんなことを頭でぐるぐる考え、そしてまた検索窓にワードを並べていくうちに、私はあのお兄さんの正体にたどり着く。名前も知らない人を好きになるのは初めての経験だったので、そこにたどり着いたことそのものに喜びと感動を覚えた。
ただし、最初に述べたように、私は色々な界隈でオタクをやってきた経験がある。各界隈で微妙に違うルールやマナーがあるのはよく理解していたし、「郷に入っては郷に従え」がオタクをする上で私の大切なポリシーだった。
特に今回は、世界観がしっかりと確立されていて、絶対に守らなくてはいけないルールがある界隈。より慎重になろうと思った。
あのお兄さんに出会ったあの日の朝に友人Nからもその厳しさについては聞いていたので、私が知ったあのお兄さんの正体は、誰にも言わなかった。
「このタイミングでインスタをフォローしたら、私が新しく好きになった人がいることを知っている友達に正体バレるだろうか?」
「このアカウントでフォローしたらわかりやすすぎるな。」
「時期がずれてからフォローしたほうが良いかもな。」
とか。とにかく、私のせいでお兄さんに迷惑をかけないように、SNSもフォローしないで、毎回検索でお兄さんのアカウントを見に行った。(ストーカーか。)
文字にすると本当にキモいですね。ごめんなさい。
今思うと、私のプライベートな弱小アカウントでお兄さんの正体がバレるわけがない。明らかに心配しすぎだった。
でも、なんとか徹底してルールを守りたかった。この意識の高さだけはいつか誰か褒めてください!!(笑)
こうしてあのお兄さんの正体を知った後も、私は変わらず最終日までフレンジーに狂い続け、1人の海賊が言ってくれた「俺は旅を続ける。またどこかで会おう!」という最終日ならではのセリフに涙を流した。
「また来年ね。そっちから言ってくれるんだね。会いに行くね。」
そんな気持ちで。
迎えるXデー
あのお兄さんに撃ち落とされた日から約一か月が経っても、私はいつまでもハロウィンにいた。が、まもなく私の心に嵐が吹き荒れる日がやってくる。
その日はいつも通り、過去にいいねやブックマークしておいた動画を片っ端から見返していた。そんな中で、TikTokの動画に変化が起きていることに気づく。
いきなり再生数伸びすぎじゃない???
明らかに再生数が跳ねている。今まで自分が動画を漁っていた時は再生数もいいねの数もDオタの方々が見てるんだろうな~お兄さんが好きな同士のみなさんですか~ここにいたんですね~くらいの程度だった。
動画を開いてみるとコメントもものすごい数になっていた。
どうやら私の好きになったあのお兄さんは、韓国のとあるアイドルに似ていたらしい。コメント欄は、その話題で埋め尽くされていた。
「○○に似てる!」
「今日で○○似のダンサー出てくるの何回目だろう笑」
「この方の名前分かる方いますか!!インスタ知りたい!」
「ディズニー行けば○○に会えるってこと?」
大体こういうコメントばかりだった。
すっっっごく嫌だった。そう、嫌だったんだ。今文字にしてみて改めて明確になった。めちゃくちゃ嫌だった!!!(笑)
あのお兄さんに魅力があることは私が1番知っていた。なんでみんなこの魅力に気が付かないんだろうとさえ思っていた。
なのに。この見つかり方は嫌だった。みんな、韓国のアイドルに似てるから好きなんだろうか。海賊としてのダンスは見てる?表現は?パレードの内容は?他の海賊さんたちは?
他の動画にも似たようなコメントばかりが並んでいた。曲がりなりにもZ世代の私は、TikTokの恐ろしいくらいの拡散力を知っている。どんどん再生数が伸びていく動画と、増えていくいいねとコメント。
慌ててツイッターを開くと、そちらでももう「似すぎてる」という内容のツイートがバズり始めていた。
嫌だった。
数時間後にはご本人のインスタのリンクを貼る人も現れ、挙句の果てには海賊として踊っているあのお兄さんの動画に本名のハッシュタグをつけている人まで出てくる始末だった。なんかもう、全てが無理になってしまった。必死に隠そうとした自分がバカだったんだろうか。
こんなにSNSが発達した時代をうらめしく思ったことはない。きっと来年は、パークであのお兄さんは見れない。
「知る人ぞ知る、でいてほしかった」みたいな多少の独占欲はあったと思う。間違いなく、ゼロではなかった。急に主語でかくしますけれど、オタクって、「見つかってほしいけど見つかってほしくない」って感情をもつものじゃないですか。でも、それだけではなかったと思う。
じゃあ、なぜ私はこんなにモヤモヤしたのか。
一つ目は、単純に「お兄さんが消費されるのが嫌だったから」だと思う。
ここ最近のトレンドは、想像以上に流行るのもそれが廃っていくのも早い。なんとなくエンターテインメントを「楽しむ」感覚よりも、「消費」されていく感覚の方が強いのではないかと感じている枠組みに、自分の好きなものが連れていかれてしまった気持ちになった。
その件について触れた大体のツイートは「海賊ダンサー」「○○似のダンサー」「ディズニーダンサー」大体この3つで呟かれていた。一連のツイートをざっと眺めてみたりしたけれど、パレードの名前は一向に挙げられていない。反対に、「フレンジー 海賊」で検索しても大してツイートは増えていなかった。
パレードの名前も中身も知らないような人たちが会いに来たいとか!!!なーにをいうとんじゃ!!!!!顔しか見てないんか!!!今は海賊たちに会えないの!!!!!終わってほしくないハロウィン終わっちゃったんだから!!!!最前で見たい?!始発必須ですけど?!?!
あの日、始発でパークに向かい、6時間地蔵してあの最高の時間を手に入れた私は、内心こんな気持ちでツイートを見ていた。性格が悪い。
バズったのがハロウィン期間中でなかったのが不幸中の幸いだったな、と思った。
もう一つは、「ノイズが聞こえるようになったこと」。
あんなに毎日狂ったように見ていたあのお兄さんの動画を、私はあれ以来見れていない。正確に言うと、バズった次の日に一度だけ見返した。けれど、見始めたとたんに韓国のアイドルに似ていると言われたあのお兄さん、という肩書が浮かんでしまって、完全に純粋な気持ちで見れなくなって再生をやめた。動画を見ると、あの一連の出来事を思い出してしまう事がノイズだった。
きっと、今後私が「海賊ダンサーの人たちが好き」とか、「海賊さん達がかっこいいんだよ!」とか言っても、「あー!例のね!」みたいになるのが嫌だった。そんなこと言う人いないかもしれないけど。
違うんだよ、私が好きになったのは、韓国アイドルに似てたからじゃないんだよ。それにあの海賊さんだけがかっこいいんじゃなくて、全ての海賊さんたちがかっこよくて最高なの。(厄介オタクの発言)
それに付随してもう一つ。「他の海賊さんたちが比べられること」。
何度も前述したように、海賊たちは5人全員が素敵なパフォーマンスとファンサを届けてくれた。いつだってかっこいいし、いつだって最高なのだ。あのお兄さんだけじゃない。(この文章では、便宜上あのお兄さんだけ分類して書いています。ご了承ください。)
でもきっと、あのお兄さんと比べる人が出てきてしまうと私は思う。あのお兄さん「だけ」を目的に来る人がいたら、私はかなり悔しいし、悲しい。でもきっとゼロじゃないと思う。
テレビで芸人さんがネタにされたりするけれど、もし、「じゃない方の人」みたいな言い方をする人がいたら許せない。こんな感情を抱くことになった時点で、やはりあの一連の出来事は私にとってノイズなのだ。
そんなこんなで、これ以上追うのは自分の気持ち的にしんどくなりそうだったので、ひと秋の恋(片思い)は終わりを迎えた。
純粋な気持ちで、海賊たちを見続けたかったな。あともっとかわいいオタクでいたかったな。(笑)
最後に
以上で、私の言いたいことは言いきった気がする。ここまで読んだ方がいるかはわからないけれど、読んでいただいた方お付き合いありがとうございました。
文句を言いたいわけでも、誰かに共感してほしいわけではないとか言って書き始めたけど、結局馬鹿みたいに長いお気持ち表明文になってしまった。なんなら、新規が新規に文句言っているという、立ち位置が行方不明な文章になってしまった。
でも、このモヤモヤが今まで感じたことのない類の感情過ぎてどうしていいか分からなくなったけど、その正体は解き明かせたのではないかと思う。はー、スッキリした!!
現在の私はというと、だいぶ落ち着いて、フレンジーの仲間たちの動画を見てエネルギーをチャージしたりしている。海賊たちの動画は、一連の出来事を思い出して涙がでたりするけれど(笑)そう考えると思ったより重症を負っていたのかもしれない。
とはいえ、こんな風に話のネタにしてしまおうというメンタルを持っている時点で私は強いと思われる。きっと来年の秋にはまた海賊たちに会いに始発に乗っているのではないだろうか。また会おう!っていってくれたしね。
じゃあ、本当にこれで最後。最高に楽しいエンターテインメントを提供してくれて、私に新しい世界を見せてくれたあのお兄さんには本当に感謝しています。今後のお兄さんの活躍を心の中でひっそりと願っています。