見出し画像

3/100日目「陸路の夢破れ、空を越えてジョージアへ」

バクーの朝。
本当なら、今日は 陸路でジョージアへ向かうはずだった。

コーカサスを旅するなら、バクーからトビリシへ 長距離列車やバスで国境を越えるルート が人気だ。
雄大な景色の中をゆっくり移動するのは、きっとロマンがあるだろうと期待していた。

しかし、2023年8月。

「アゼルバイジャンとジョージアの国境は封鎖されている」

そんな情報が飛び込んできた。
どうやら、しばらく前から 陸路での移動は不可 になっているらしい。

「……飛行機で行くしかないか」

急遽、バクーからトビリシ行きの航空券を手配。
当日購入なので当然 高値。想定外の出費だったが、仕方ない。

こうして、予定外の「空の旅」が始まった。

美しい街並みを見送りながら、空港へ

タクシーで空港へ向かう。

窓の外には、バクーの 黄金色の街並み が流れていく。
整然とした道路、石造りの建物、近未来的なフレイムタワー。

「もう少し、この街にいたかったな……」

バクーは予想以上に美しく、もっと探索したい場所がいくつもあった。
でも、旅は続いていく。

30分ほどで空港に到着し、チェックインを済ませる。
ヘイダル・アリエフ国際空港は近代的で、出発ゲートも清潔で洗練されていた。

コーヒーを一杯飲みながら、しばし出発を待つ。

ジョージアの首都、トビリシに降り立つ

約1時間のフライトで、バクーから ジョージア・トビリシ へ。

飛行機が着陸すると、窓の外には バクーとはまったく異なる景色 が広がっていた。

「バクーが黄金の街なら、トビリシはまるで絵本の世界みたいだ」

赤い屋根の家々、緑の丘に囲まれた街並み、石畳の道が続く旧市街。
どこか ヨーロッパと中東が混じり合った雰囲気 が漂っている。

バクーの 洗練された近未来都市 とはまったく違う、古き良き時代の面影を残した街。

空港からタクシーでホテルへ向かいながら、そんな景色をぼんやり眺めた。

トビリシの夜、静かに始まる

ホテルに到着したのは夜。

宿泊先は 中心街近くのホテル。
ちょっと古いヨーロッパ風の建物で、高級感はないが 立地は抜群。

石造りのエントランスをくぐると、歴史を感じる木の扉とアンティーク調のインテリアが迎えてくれた。

「派手さはないけれど、いい雰囲気のホテルだな……」

フロントでチェックインを済ませ、部屋に入る。
スーツケースを置くと、どっと疲れが押し寄せてきた。

今日は 移動だけの1日。

でも、空港から街へ向かう途中、トビリシの 街灯に照らされた建物や石畳の道 を見て、明日が楽しみになった。

「明日は、この街を歩き回ろう」

そう決めて、ベッドに倒れ込んだ。

こうして、100日間の旅の 第2の舞台「ジョージア・トビリシ」 の幕が開いた。

次回:丘の上の要塞、硫黄の香る温泉街、トビリシの街歩き

→ 4日目、ジョージア・トビリシの街を歩く!

いいなと思ったら応援しよう!