2008年6月2日オープン
内科・小児科・皮膚科で月〜金は10〜21時、土曜日は10〜17時、日祝休診の診療体制での診療が始まった。
地縁も何もない、いわゆる『落下傘開業』だし、そもそも駅ナカのクリニックなんて家賃が高い割に収益があがるのか?具合の悪い子どもは車で駐車場のある小児科に連れて行くはずで、駅の小児科になんて来るのか?などなど今にして思えば無謀な挑戦だったが、ナビタスクリニック立川はスタートした。
初日の受診者は20人
大家(当時はJR東日本ステーションリテイリング)との契約は、間にメディウェルが入り、久住診療所は転貸をうける形となった。また窓口業務を担うスタッフはメディウェルが雇用し、家賃を含めた委託費を支払う形でスタートした。
初日の受診者数がどの程度が普通なのかは分からないが、スタッフが慣れながらやっていくには多すぎず、が良いと思っていたので、そこそこ(あくまで個人の感想です)のスタートを切った。
アーリーアダプターは若い女性
コラボクリニックの経験で予想していたが、最初に受診するのは若い働いている世代の女性が主であった。そもそもエキュート立川自体が、2階フロアは惣菜、お菓子で、3階は女性服、家庭用品、4階が保育園、歯科、当院のような構成で、どちらかというと女性にフォーカスした店舗構成だし、当院も女性内科を開設して女性に来ていただきやすい雰囲気を醸し出していたので、一層その傾向が顕著だったのかも知れない。
認知経路は最初はネットで後から口コミが増える
やがて、子どもや男性、高齢者など様々な人が受診するようになった。若い女性が受診し、その子どもや夫、親が「良いから」と勧められて受診するようになったのだ。良い口コミが拡がる効果は高い。すでに『良いクリニック』というポジティブな気持ちで受診されるので、診察はスムーズに進み、スタッフも自然と愛想が良くなる。
一方、人間というのは難しい生き物で『良いクリニックが混むようになったら困る』という気持ちが働くので、あまり人に教えたくない、とも考えるものだ。だから自分の家族や、自分が大事にしている友人には口コミしてくれるが、そうでない相手にはあまり薦めてくれないのだ。だが、ジワジワ口コミは拡がっていき、やがてネット検索より知り合いからの口コミでクリニックを選んだ、という人が半分を占めるようになる。
もちろん、ネット検索でクリニックを見つける人はゼロにはならない。立川クリニックの場合、近隣に大学があり、地縁のない若い学生さんや、たまたま近くを通りかかった体調の悪い人などはネットで検索するからだ。
食堂やカフェでも同じではないだろうか?地元であれば、友人に聞いたりするし、行ったことがあれば良いところかどうか知っている。だが、始めて行く土地ではネットで検索するはずだ。
結果的には開業後9ヶ月で単月の黒字が出始めた
6月開業なので、半年くらいして慣れてきた頃に冬の繁忙期が到来して、多くの方にご利用いただくようになった。2009年3月には単月の黒字が出始めた。規模の大きいクリニックは、最初の落ち込みが大きくなりがちだ。にしては立ち上がりのスピードは速い方だったと捉えている。
すこし安心したころに、新型インフルエンザ流行のニュースが流れた。