久住英二

内科医です。内科全般の診療をしていますが、とくに血液の病気や感染症、ワクチンに関する知識が豊富です。産業医という、会社で働く人々の健康を支える仕事もしています。医療や、健やかに暮らすための note を書いています。是非お読み下さい。

久住英二

内科医です。内科全般の診療をしていますが、とくに血液の病気や感染症、ワクチンに関する知識が豊富です。産業医という、会社で働く人々の健康を支える仕事もしています。医療や、健やかに暮らすための note を書いています。是非お読み下さい。

マガジン

  • 久住英二のクリニック開業日記

    クリニック開業に至るエピソード、開業してからの話 これからどうするか、などなど

最近の記事

「咳止め」はなぜ効かないか

コロナ禍を経て、公共の場所などで咳をすることに対する周りの目線が厳しい世の中になった。我慢しようとすればいっそう咳き込むので、困っている人は多い。咳とは?そして咳の出る原因とは何なのか、および効果的な対策について知ってもらいたい。 咳の出るメカニズムは「反射」 皆さんは熱いヤカンに手を触れると、「アッ、手が熱いぞ。見たら煮えたぎっているヤカンに触れているではないか!火傷すると大変だから手を引っ込めよう」などと考える暇もなく、体が勝手に反応して手を引っ込めているはずだ。この

    • 2008年6月2日オープン

      内科・小児科・皮膚科で月〜金は10〜21時、土曜日は10〜17時、日祝休診の診療体制での診療が始まった。 地縁も何もない、いわゆる『落下傘開業』だし、そもそも駅ナカのクリニックなんて家賃が高い割に収益があがるのか?具合の悪い子どもは車で駐車場のある小児科に連れて行くはずで、駅の小児科になんて来るのか?などなど今にして思えば無謀な挑戦だったが、ナビタスクリニック立川はスタートした。 初日の受診者は20人 大家(当時はJR東日本ステーションリテイリング)との契約は、間にメデ

      • 機器の選定とか準備が始まった

        エキュート立川に場所を見つけたのは良いけれど、何から手をつけたら良いのか分からない。以前からお世話になっていたアインファーマシーズが隣に薬局を開設することになっており、子会社であるメディウェルの方が中心となってオーガナイズし、設計、開業支援の取り付け、役所への手続きなど一連の開業準備を進めた。 医薬品卸業者とは 医薬品卸は東邦薬品を紹介され、開業支援部の方に機器の選定など手伝ってもらった。なぜ医薬品卸が開業支援するのか?それは医薬品の流通の慣行によるところが大きい。医療機

        • コラボクリニック新宿を振り返る

          駅ナカにあってコンビニ受診しやすい『ナビタスクリニック立川』は、2008年6月に立川駅のエキュート立川にて、グループ診療を提供するクリニックとして私が個人開業した。その先駆けとなったのは、2006年11月から2007年12月の間、新宿西口の雑居ビルに開設した『コラボクリニック新宿』だ。今回はコラボクリニック新宿について振り返る。 コラボクリニックは、鈴木寛氏が東大駒場キャンパスで主宰していた『すずかんゼミ』の学生たちがプロジェクトを立ち上げた。 鈴木寛氏は、当時は民主党の

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        • 久住英二のクリニック開業日記
          3本

        記事

          機能性食品の罠

          人間は感情の生き物で、理屈ではおかしい事が分かっているのだけど、不合理なことを止められない。そして「自分なりの考え」に固執して専門家のアドバイスは無視する。機能性食品やトクホは、矛盾に満ちた人間の感情をうまく利用して売り上げを上げている。 システム 1 とシステム 2 先ごろ亡くなったダニエル・カーネマン博士の著書『ファースト・アンド・スロー』によると、人間には素速い判断に適した本能的な判断をするシステム1と、判断に時間がかかるが、客観点データに基づいて理論的に判断をする

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          めまいの季節

          めまいで受診される方は多い めまいで外来や救急外来を受診される方は多いです。めまいは非常に不快な感覚で、吐き気が誘発されますし、脳出血でも起こしたのではないだろうか?と、とても不安になります。でも、安心して下さい。めまいのほとんどは良性(=命に関わらない)で、一時的であり、対処が可能です。 ただし、医師がめまいを診断するのは容易ではありません。めまいの存在を示唆する眼球のゆれ=眼振(がんしん)を診察室で観察できるケースは多くありません。めまい感を自覚するレベルと、それが眼

          めまいの季節

          肺がん検診はどうすれば良いのか?

          前回の大腸癌にひきつづき、肺がん検診はどう受ければ良いのか、考えてみました。肺がんには大きく分けると、喫煙者におきるがん、非喫煙者におきるがんがあります。前者の代表は扁平上皮癌、小細胞癌で、後者の代表は腺癌です。 検査方法は喀痰細胞診と胸部X線写真 痰に含まれる異常な細胞をチェックするのが喀痰細胞診で、これは扁平上皮癌という喫煙に由来する肺がんの検査。細胞ががん化すると、細胞の大きさや、細胞の中にある核(遺伝情報の入っている部分)の形や大きさが変わるから、それを見つける検

          肺がん検診はどうすれば良いのか?

          大腸がん検診はどの方法が良いのか?

          みなさん、がん検診うけていますか? いまのところ、日本でルーチンで実施されているがん検診は、女性では乳がん、肺がん、胃がん、子宮頸がん、大腸がんで、男性では肺がん、胃がん、大腸がんです。公益財団法人日本対がん協会のホームページには、男女別の部位別がん罹患数と死亡数が掲載されています。 大腸がん、いやですねぇ・・・。こんなにメジャーな癌なんですよ。大腸がんで死なないためには、ライフスタイルを変えて予防することと、もしがんになっても、治療すれば高い治癒率が期待できるような早期に

          大腸がん検診はどの方法が良いのか?

          スギ花粉症をどう治療しているか

          花粉症は2〜3月に症状の強いスギ、4月からGW明けくらいまではヒノキ、その後はハルガヤ、カモガヤなどイネ科の雑草と症状が続きます。 毎年花粉の飛散量予報が出ますが、診療していると年ごとの花粉の飛散量と症状の強さが一致しない方が多くおられ、花粉の量だけでなく、それに対して反応する体の具合によっても症状が違うのだな、と実感します。 私は抗アレルギー剤の飲み薬(レボセチリジン:ザイザルのジェネリック薬)、症状に応じてアレジオン点眼とアラミスト点鼻、時には喘息の吸入薬であるシムビコ

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