眠れない夜に

　そう。
　眠れないのです。
　少し前から。

　でもそんなに気にしてなくて、
　睡眠薬に頼ろうかと思う時もあるのですが、
　
　まだいいか、そう薬箱の前で
　何度も引き返しています。

　そもそも、私の睡眠サイクルは人のそれとは

　違っているのです。小さなときから。

　いわゆる真っ当な社会人生活を
　よく頑張って送っていると思うのです。

　そんな眠れない夜に私は大好きなゴッホを

　想うのです。

　特に好きなのは、あの有名な星月夜。

　精神病棟に入院していたゴッホが
　描いた作品の一つです。

　眠れない夜明けに見たあの光景は
　ゴッホの精神世界を直に感じることができます。

　無音の中に身をおいているような情景を

　自分も見ているかのようでした。

　ゴッホは黄色が好きですよね。

　私は黄色はあまり好きじゃないけれど
　ゴッホの黄色と青は、許せるのです。

　農村の生活を描いた黒黒とした作品も
　きらいじゃありません。
　農村という民俗、風俗視点は野性的でいて、
　繊細だからかもしれません