入塾100人待ち不登校支援専門塾が教える、受験直前期の不登校の子どもとの関わり方(解説動画つき)
こんにちは、入塾待ち100人を超えることもザラにある「学習支援塾ビーンズ」塾長の長澤です。
【筆者のプロフィール】
東京大学 経済学部経営学科卒。
大学生時代からの現場経験を活かして「悩める10代」のサポート方法を「ビーンズメソッド」として体系化する。
さらに、親との衝突が絶えなかった自身の経験を活かし、保護者さまへのサポートや相談事業にも注力。
副代表としては、外部の協力者との研修事業を担当。
プライム上場企業への講演や研修を実施。
有料範囲の冒頭で口頭説明動画を貼り付けています。
是非、そちらを中心にご覧ください!
なお、下記の記事も併せて読んでいただくことで、本記事の内容をより深く理解できます。
また、今日の内容は、一部の保護者さまにとっては、「受験直前にこんなことまで起こるの?」と驚かれるかもしれませんし、少し怖く感じる内容かもしれません。
しかし、最終的には大丈夫ですので安心してどっしりと構えていただければと思います。
さて、本題に入ります。
前提
不登校の子どもにとっての「受験」の意義
そもそも、不登校の子どもたちにとって、受験とはどのような意義を持つのでしょうか。
特に、長い人生という視点で。
私は「不登校の子どもにとっての受験=現実と折り合いをつけながら自分らしく生きるしなやかさを得るための好機」であると考えています。
ここをまず大前提において話を進めさせてください。
ビーンズは優しいだけの塾ではなく、「いざとなれば受験対策を本気で行う受験のプロ」
私が塾長を務めるビーンズは、不登校の中高生たちが通う塾です。
そのため……
一般的には、
「勉強や進路を厳しく指導する」というより「優しく寄り添う塾」と捉えられがちです。
しかし、それは半分正しく、半分誤解でもあります。
なぜなら、私たちは受験のプロとして、子ども達の背中を強く押す受験対策を行うこともあるからです(もちろん、声を荒げたりはしませんが……笑)。
受験対策の本格的なフェーズに入った生徒たちのことを、私たちは「挑戦期に入った生徒」と呼びます。
「挑戦期」とは何かについては、
また別の機会に詳しく説明しますが、ビーンズのブログにも記事があるので、ぜひご覧ください。
さて、私自身も高校での落ちこぼれ状態から東京大学を受験し、色々ありつつも合格を勝ち取りました。
その過程で、まさに受験という勝ち負けが出る戦いの厳しさを痛いほど経験してきました。
私をはじめとするビーンズの講師陣は、誰よりも本気で合格を目指すチームです。
ここも踏まえて前提に今からの話を聞いていただければなと思います。
適切にサポートすれば不登校の子どもにとって「受験の失敗=人生の失敗」にならない
受験は結果がはっきりと出る世界です。そのため、残念ながら努力が報われないこともあります。
しかし、大人がしっかりサポートすれば、不登校の子どもたちにとって、受験に「失敗」はありません。
なぜなら、受験を通じて「現実と折り合いをつけながら自分らしく生きるしなやかさ」を身につけることができるからです。
受験直前クライシスは、このしなやかさを得るための大切な機会です。
一見すると「クライシス=危機」という言葉に怖いイメージを持たれるかもしれませんが、見方を変えれば、それは成長のチャンスです。
ぜひ希望を持ってお聞きください。
では、「受験直前クライシス」とは何かを説明します。
簡単に言うと、「受験直前期に起こるメンタルの危機」のことを指します。
ビーンズの現場では、これを「底打ち」と呼ぶことがあります。「底打ち」とは何かについては、後ほど詳しくお話しします。
受験直前クライシスは起こらない方が良いとも言えます。
ただ、残念ながら受験直前クライシスはどの子どもにも高確率で発生します。
不登校の子どもなら特にそうです。
実は、これを経験することで子どもたちの人生にとってプラスになることもあります。
つまり、「必ずしも悪いこととは言えない」のです。
というわけで今回は、「起こってしまった受験直前クライシスを良い経験に昇華させるには」という前提でお話しさせていただきます。
さて改めて……
不登校経験のある子どもが受験期に突入すると、ほぼ間違いなく何らかの形で「受験直前クライシス」を経験します。
乗り越えの過程は一旦置いといて……
この受験直前クライシスを乗り越えると何が起こるのでしょうか?
まず、「底打ちからの超回復」が起こります。
受験直前クライシスは、受験期間中でもっとも精神的に落ち込む時期です。
しかし、逆に言えば、これを乗り越えれば状況は改善するのみなのです。
これ以上悪くなりようがないので……(笑)
実際、多くの不登校の受験生を見てきましたが、クライシスを経験すると、その後は驚くほどの回復を遂げます。
これは「ただの原状回復」ではなく、「超回復」と言えるレベルのものです。
なぜなら、クライシスを乗り越えることで、子どもたちは「現実を受け入れつつ、前に進む力」を身につけるからです。
ただし、この過程には適切なサポートが必要です。
保護者や我々プロの大人が適切に支援することで、子どもたちは成長し、飛躍的な回復を遂げるのです。
繰り返しますが、受験直前クライシスは「悪者」とは言い切れません。
適切にケアし対処すれば、子どもたちにとってむしろ良い機会となるのです。
なぜなら、受験という現実に直面することで、子どもたちは「現実との折り合いのつけ方」を学ぶことができるからです。
また、受験に失敗することで自信を完全に失ってしまうのではないかと心配される保護者さまもいらっしゃいます。
しかし、実際には、受験の結果が希望通りでなくても、多くの子どもたちは成長していきます。
受験は「一度失敗したら終わり」ではありません。
では、受験直前クライシスに陥った子どもたちの行動や心理についてお話しします。
まず、大前提として、「現実を見て頑張らなければならないことは、本人が一番よくわかっている」ということを理解してください。
親からすると、「この子は現実が見えていないのでは?」と思うことがあるかもしれません。
そのため、つい正論を突きつけたり、恐怖で煽ったりしてしまうこともあります。
しかし、基本的にこれは逆効果です。
なぜなら、本人はすでに「今の状況がまずい」ということを理解しているからです。
ここまで申し上げると、一部の保護者さまは「いや、そんなことはありません! うちの子は全く現実を分かっていません!」とおっしゃいます。
これは断言できるんですが、そういう風におっしゃる保護者さまのお子さんほど現実を痛いほど分かっています(笑)
親の前ではプライドもあるし、現実逃避したいし、
下手に「お母さんお父さんの言うとおりだよね」って雰囲気を出すと「じゃあ、なんで今すぐ頑張らないの!?」とさらに詰められるのが嫌だから
現実がわかってないフリをしているだけです。
証拠といってはなんですが……
そういった保護者さまのお子さんほど、ビーンズの授業では「~までに偏差値を~くらい上げないといけないんですけど……」「本番まであと~日だから、それまでに~時間は勉強しないといけないんですけど……」と恐るべき解像度の高さで目の前の現実を説明してくれます。
「現実わかっているなら努力してよ!」と言いたくはなりますが……
人間は「やらなきゃいけないのはわかっていてもできない」ことがある生き物です。
この、「やらなきゃいけないのはわかっていてもできない」という人間の性質をビーンズは「ままならなさ」と呼んでいます。
これは私や保護者さんだって同じだと思います。
それは決して怠慢ではなく、人間全てに共通する問題です。
不登校などに悩む中高生はこの傾向がちょっと強いだけです。
ビーンズでは、この人間の「ままならなさ」を受け入れ、適切にサポートすることが大切だと考えています。
さらに、「4階構造」という概念を理解することも重要です。
これは、10代の子どもたちが健やかに成長し、挑戦と努力ができるようになるために必要な条件をまとめた概念です。

1階から3階がしっかり組み上がっていない状態で、
恐怖で煽ったり勉強を強制しても、子どもは本当の意味で頑張ることはできません。
保護者の皆様には、ぜひこの点をご理解いただき、お子様が安心して挑戦できる環境を整えていただければと思います。
万が一、「いや、子どもには現実をとにかく突き付けて、がんばらせないといけないのである!」という思いがどうしても抑えられない保護者さまもいらっしゃるかもしれません。
酷なことを申し上げますが……
そのような保護者さまは、その方法だと逆に状況が悪化するという現実を目の当たりにした後で、もう一度この記事を見ていただくと良いのかなと思います。
後で詳しく申し上げますが、「底打ち(=目の前の現実に完全に追い詰められて)からの超回復」は子どもも親も同じですから……
受験直前クライシスの2つのモード
受験直前クライシスは、2つのモードに分類されます。
1つ目が「現実拒否モード」、2つ目が「大泣きモード」です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ここから先は
¥ 280
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?