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ありきたりなショートショートを書いてみた。
【タイトル】
「ロキソニンセルフチョップザップ」
昨夜の深酒が悪かったのか、物凄く頭が痛くて眠れないまま朝を迎えた。
幸い今日が土曜日で午前中病院に行ける時間であったので、痛みを堪えつつ一つ先の駅にある病院に向けて自転車を漕ぎ始めた。
病院に向かう途中「ロキソニンセルフチョップザップ」という、何とも頭痛に効き目がありそうな「ザップ」があり、保険適用と案内が記されていたので、とりあえず自動扉を開けてみた。
初診の受付を済ませ、私の番号9番が表示されたので看護師の案内に従って診察室の中に入った。
診察室を見渡すと、棚には「鞭」や「メリケンサック」など、如何にも使用される側にダメージが100パーセント存在する「モノ」のオンパレードだった。
「ザップ」の先生は「今日はどうされましたか?」とニコやかに問診をしてきた。
私は頭痛の症状をすべて先生に伝えた。
先生は「それでは横にあるベッドに仰向けに寝て下さい、頭が痛いということなので、ヒザの皿を粉々にしていきます・・・」
先生のメガネの縁が「ジャキーン!!」と輝いた。と同時に私のヒザは粉々にされた。
「これでもう頭痛は無くなりましたね?」とニコやかに語りかけてくる。
咄嗟に私は「でも先生、ヒザがメチャクチャ痛いです!!」
「あっ、そうですか・・・それではアバラを粉々にしていきます。」
再びメガネの縁が「ジャキーン!!」と輝き、アバラ骨6本はすべて折られたようだった。
私は再び「先生、ヒザの痛みは取れましたが、アバラが物凄く痛いです!!」
すると先生は・・・
「では最後に心臓をツブしていきましょう!!」
(メガネ、ジャキーン!!)
先生の拳が私の口から喉を通り心臓に届き私の何かが「ブチュ・・・!!」となったその瞬間目が覚めた。
私の全身は汗をビッショリかいてはいたが、昨晩あれだけ深酒をしたにもかかわらず、頭痛など1ミリも感じることは無かった。