星の王子さまの★エッセイ絵本・その2
『白い努力 黒い努力』
努力について、いろいろな名言があります
「成功するためには、
どれだけ才能があるかではなく、
どれだけ努力するかが大切だと思っている」
中居正広
努力は才能に勝る、
という名言ですね。
「努力は裏切らない。
ただ、結果が出るまでの時間が
人それぞれ違うだけだ」
福山雅治
努力は、裏切らないと、
言い切っていますね。
「努力することができれば、
何でも達成することができる」
ヘンリー・フォード
なんでも達成できる。
羨ましいほどの自信です。
彼らにとっては、
まさにその通りだと思います。
なにしろ、
それだけの結果を出していますから。
でもね……。
これって、
すべての人に、
当てはまることでしょうか?
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私は50歳になる頃、
連載していた漫画が、
すべて打ち切られました。
仕事を取るべく、
あちこちの出版社に持ち込みをしました。
ところが、
「50歳を超えた、可能性のない漫画家には興味がない」
と、門前払いでした。
それではと、いろいろな漫画賞に応募しました。
ある漫画賞の審査員には、
私と同期の漫画家がいました。
見栄と恥ずかしさから、
違うペンネームで応募しました。
サラ金でお金を借りながら、一年間ほど、
それまでやったことのない努力をしました。
命がけの努力でした。
努力選手権という大会があったら、
優勝できたかもしれません。
一年後……。
何の結果も出ませんでした。
すべては徒労に終りました。
それどころか、心身を壊してしまいました。
借金が大きく膨らんでいました。
「こんなに努力しているのに、なぜ……」
努力さんに、裏切られたような
情けない気持ちになりました。
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そんな、ある日、
星の王子さまの弟さん、
ふみおくんが、
こんなふうに、
話しかけてきました。
「ねぇねぇ、
それって、
『くろいどりょく』なの」
「えっ?」
「『くろいどりょく』してると、
『くたびれもうけ』になるだけなの」
確かに、ふみおくんのいう通りです。
こんなことなら、まだ、
1年間、のんびりとしていた方が、
よほどましでした。
「ふみおくん、ということは、
もしかして、『くろいどりょく』の反対の、
『しろいどりょく』というものも、あるの?」
「は〜い、『しろいどりょく』もあるの。
『しろいどりょく』だと、
まいにち、いいことが、いっぱいおこるの」
「え〜と、『しろいどりょく』って、
どうしたらできるの?」
「それはね、けっかでわかるの。
かみさまは、おはなしできないけど、
けっかで、今、しているどりょくが、
『くろいどりょく』なのか、
『しろいどりょく』なのかをつたえてくれるの」
「結果って?」
「どりょくをして、いいことがおこったら、
それは、『しろいどりょく」なの。
それって、なかなかいいよ。
という、かみさまからのサインなの」
「神様は、結果で、自分の気持ちを伝えてくるんだね」
「そうなの、それでね、
『くろいどりょく』だと、
なんだかな〜の、けっかばかりでてくるの。
でも、これって、とてもいいことなの。
かみさまが、そっちにいくのはちがいますよって、
サインをだしてくれているだもん」
「そうかあ、ぼくは、この1年間、
神様が、その方向性は、あなたにはあっていませんよ、
という方に向かって、闇雲に努力していたんだね」
「そうなの、そうなの」
「ふみおちゃん、ありがとう!!!」
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それからは、
「この努力は、『くろいどりょく』だろうか?
それとも、『しろいどりょく』だろうか?と、
手探りしながら、努力を継続しました」
しばらく経つと、
『くろいどりょく』と
『しろいどりょく』を、見分けられるようになりました。
神様のサインを読み取れるようになったのです。
『しろいどりょく』が積み重なってくると、
驚くほど、物事がうまくいき出しました。
あれだけあった借金も、すっかりなくなりました。
それどころか、
ものすごく楽をしているのに、
こころも、生活も、豊かになりました。
毎日が、とても楽しくなりました。
ふみおちゃん、ありがとう。