ふみおくんの⭐️つぶやき10 2024創作大賞の中間発表 その2
「ねぇねぇ、知ってる?
ワクワクって、
ふたつの種類があるの」
ふみおくんが、
A子さんに
こう語りかけてきました。
「え、あなたは、だあれ」
「ぼく、ふみお」
ふみおくんは、
自分が星の王子さまの弟であることを
ていねいに説明しました。
「信じられないけど、
そういうことが、
あるかもしれないわね……」
落ちこみ、
疲れ果てていたA子さんは、
それ以上、
真偽を追求する、気力はありませんでした。
やがて、
ふみおくんが、
このように、
話し始めました。
「あのね、
A子おねえさん。ワクワクには、
しろいワクワクと、
くろいワクワクがあるの」
「しろいワクワクと、くろいワクワク?初めて聞く言葉だわ」
ふみおくんによると、
それは、こういうことだそうです。
A子さんの場合で例えれば、
「くろいワクワク」とは、
A子さんの小説を、審査員が、
「これは素晴らしい」と評価してくれた場合に、
感じるワクワクです。
素晴らしいと、褒めてくれているのだから、
それでいいじゃないか。
で、すませそうなものです。
ところが、
ふみおくんは、こういうのです。
人に評価される立場になると、
相手の顔色を、うかがうことになります。
相手の判断に、一喜一憂することになります。
そうなると、
ワクワクを、自分で、
コントロールすることが、
できないのです。
審査員の評価によって、
ワクワクの心を、
振り回されてしまうのです。
だから、
結果が出るまで、
心が、
期待と不安の間を
めまぐるしく、
行ったり来たりするのです。
発表の日が、
近づくにつれ、
その揺れ幅が、
増幅していくのです。
極限まで振り切られた、
ワクワク感は、極限に達します。
その直後に、
落選。
落ち込むのは、当たり前です。
自分の心の、
幸、不幸は、
人任せにしてはいけないのです。
だから、
人任せの評価は、
例え、
褒めてもらって、
どんなにワクワクしても、
それは、
「くろいワクワク」なのです。
それでは、
「しろいワクワク」とは、
なんなのでしょうか。
つづく。