よしねこ観光地創生研

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最近の記事

兵庫県知事選挙が証明したオールドメディアのスゴイ威力

前知事の斎藤元彦氏が事前の予想(オールドメディア)の予想を覆して当選し、知事に返り咲きました。この逆転劇にはSNSによる情報の伝播が威力を発揮したと指摘されています。 さて、22の市長が応援した元尼崎市長の稲村和美氏は、中盤までは優勢とされながら結果的には13万票の差をつけられて落選。分厚い応援団は深く失望するに至った訳ですが、稲村氏に投票した年代は高齢者層で、斎藤元知事を押し上げたのは若い世代という傾向が明瞭だったとか。これは、東京都知事選での石丸候補の躍進や先の衆院選で

    • なぞの霞が関スタイル(とある補助金の事例)

      ポストコロナを見据えた受入環境整備促進事業補助金として、「観光地・観光産業における人材不足対策事業」というのが10月末に締め切られました。これが第4次募集とのことで、普通に考えれば、応募が少なく予算が余ってしまうと来年の予算要求が難しくなるので、何とか消化しようと頑張っているように見えてしまいます。 財務省としても、余剰が出れば財政難と訴えている根拠に関わりますので、予算執行率は高いに越したことはない。年度末の道路工事が増える構図と同じような話は観光支援策にも生じています。

      • 修学旅行・・・終わるか、変わるか、どうするか?

        中学・高校の定番行事である修学旅行が転換点に直面しているようです。その原因の一つがインバウンド観光客の激増。奈良・京都のような定番的な訪問先では、宿泊料金が高騰して予算を超え、行ったとしても混雑が団体行動を困難にします。加えて、バスドライバーの不足やら食事代の値上がりもあって、前例踏襲で済ませてきた教員各位の頭を悩ませているとのこと。 修学旅行の目的地が定番化してきた背景は、父兄をはじめ関係者に対する趣旨説明が楽で、企画書や報告書は旅行代理店がほぼ用意してくれるので負担が少

        • まもなく衆議院選挙ですね

          ブロックチェーンなどの新技術やインバウンドなどの大きな流れなどを効率的に活用することも考え、地方創生を進めていく考えです。 石破首相の所信表明演説のうち、観光振興に触れたとされる一節。 国内観光の需要を増進することには今のところ関心はなさそうです。国民どもは観光旅行など考えずに働いて防衛増税にも耐えるべきという、実に爽やかな物言い。自民党議員の労働者敵視には呆れる他ありません。もっとも、別の観点から国民の苦労を増やしたい立憲民主党や、蓄財成功者は犯罪の証ゆえ権力で巻き上げ

          石破政権と地方創生のマキ…直し?

          地方創生交付金の倍増を宣言した石破新首相ですが、そういった方式には賛同できない、とのご指摘は首相の地元である鳥取県の元知事・片山善博氏によるもの。同じインタビューで「(石破氏は)政治家ではありますが、私は石破さんにだまされたということが1回もない。本当に誠実な人です。仕事に対して非常にまじめで、ウソを言いません。そんな性格だから、お金と国会議員からの人気がないんですよ…。そういう人です。」とまで言っているので、アンチサイドの発言ではありません。 もっとも、政治ネタ芸人の方が小

          石破政権と地方創生のマキ…直し?

          高尚なお話よりも即効性のある観光施策があります

          「(自民党次期総裁候補)石破氏の地方政策は『中央省庁の地方移転』や『地方でのデジタル技術の活用推進』など税金を使うものばかりで、収益の話も財源の話もない。ビジネスの観点から言えば『おとぎ話』の域を出ません。 そのうえ金融所得課税まで進めるというのですから、海外からの投資も富裕層も逃げてしまい、ますます日本にお金が回ってこなくなる。時代の流れに合っていないと感じます」 これは、ジャーナリスト大西康之さんによるご指摘。同時に石破氏は、観光の付加価値化という昔ながらの処方箋も提示

          高尚なお話よりも即効性のある観光施策があります

          ジェネリックな野党的な批判の解析

          野党的な立場からの政権批判で、よく見かけるけれども決め付け感が強い論法があります。 >存在理由がはっきりせず惰性で続いている施策や利用の少ない公共施設をなくせば、財政健全化につながる。施策メニューや公共施設があることから無理やり捻り出して仕事(観光振興とか男女共同参画、高齢者福祉のイベントなど)がある。幹を伐れば枝葉が消えるから財政に余力が出来る。 例えば、広島県安芸高田市の石丸元市長は、このような発想で施設廃止などを進め、財源に余裕が出来たとその成果を胸を張って説明して

          ジェネリックな野党的な批判の解析

          自民党総裁選挙と地方創生の行方は不明

          岸田首相の退陣表明により始まった自民党の総裁選挙。9名の候補者が我が国の未来を輝かせて見せると、名乗りを上げられました。USAの有名大学(大学院)に留学された方も多く居て、偏差値至上主義の時代にあっては最高級の人材がひしめいています。 これならば我が国の未来は安泰!繁栄確定!老後の憂いは何もない!中共・露帝・朝鮮恐れるに足りず! ・・・どうもそういった気持ちが湧かないのが不思議なところです。年金受給開始を80歳にするという壮絶な提案をしている神奈川県選出のセンセイが最有力

          自民党総裁選挙と地方創生の行方は不明

          発展途上の海洋レジャー

          三重県尾鷲市では、今年、三木里海水浴場(三木里ビーチ)の設置をやめたそうで、市によると、観光客らがゴミを放置したり、バーベキューで使った炭が防風林に捨てられたりといったマナー違反が相次いで発生。海水浴場設置についての理解を地元から得られなかったというのが主な理由。 市の担当者は「来年は設置したいが、言葉が分からない外国人観光客などにマナーをどう伝えるかが課題だ」とも話しているそうですが、この辺は国際的なビーチリゾートの事例から学べば答えはありそうです。 マナー問題以外にも

          発展途上の海洋レジャー

          大災害時代の観光の心得

          去る8月8日の夕方、宮崎県南部に極めて強い地震が発生しました。かねてから言われている南海トラフ自身が本格化するのではないかとの予測が流れ、観光客の動きに影響が出ているようで、宮崎県内では4月上旬にも震度5弱の地震が発生しているので、地盤に変化が起きていることは確かなようです。 さて、地震予知は政府を中心に精力的に取り組んでいるようですが、残念ながら役に立つ予報は出てきません。ただ、あまりに外し続けるので、私見ですが、逆に危険性が低いとされる地域(警戒を呼び掛けられていない地

          大災害時代の観光の心得

          フランス精神・・・はいはい

          パリ五輪開会式。フランスでは大成功の声が多いようですが、違和感が多いとの意見も聞こえています。 パリは世界屈指の観光都市、その町並みは宝石箱が並んでいるようとの感想を述べた有名作家もいるようで、確かに、その美しさは評価されて当然でしょう。パリではしゃいでいた自民党代議士も居ました。パリを訪問した喜びを書き連ねるのは勝手ですが、公費を使って身内を連れてフレンチ料理を堪能しているところまで見せびらかせば、顰蹙を買うのも当然ではあります。 フランス人の美的センスは世界に冠たるもの

          フランス精神・・・はいはい

          航空機燃料不足に見る観光立国政策の実相

          日本国内の空港で航空燃料が不足している中、成田国際空港は伊藤忠商事を通じて初めて韓国から航空燃料を調達することになりました。訪日外国人の増加による国際線への需要増加などによる航空燃料の不足が深刻化し、航空会社が増便や新規就航を見合わせる事態になっています。 国内で精製した燃料と同じタンクに海外の燃料を混ぜることに対して石油元売りなどから懸念する声があるものの、輸入燃料の品質証明が出ることで責任を転嫁する先が明確になり、空港関係者は安心して決断できたようです。 航空燃料の不

          航空機燃料不足に見る観光立国政策の実相

          東京都知事選2024に学びました

          広く耳目を集めて投票行動を引き出す。投票を来訪と消費に置き換えれば集客ビジネスに通じる取組とみることもできます。私は都民ではないので、他人事としてそういう観点から見ていると学ぶ点は多々ありました。 横綱相撲だった小池都知事。川上戦術というのだそうですが、離島や辺境エリアの人口密度の低いところから選挙活動を開始して、終盤に向かって人口の多い都心部にて支持を訴える。日頃、都知事が訪問しない地域では、強いインパクトを受けるので投票の動機を高める効果は高く、都会へ行ってしまった子供

          東京都知事選2024に学びました

          行き先不明でもバスに乗り遅れるな?

          観光を絡めた移民政策のような国際的リモートワーカー (デジタルノマド )に長期滞在してもらうことで、地域消費の拡大、ビジネスの経済効果が期待できるとして専用ビザを発給、日本においてもデジタルノマド誘致に向けた在留資格制度を4月1日より施行していたそうで、観光庁はこのようなデジタルノマドの誘客に向け、デジタルノマドの特性・ニーズを踏まえた受入体制の構築、滞在プログラムの造成等に取り組む実証事業をしているとのこと。 日本の都市住民を田舎暮らしに向かわせる事業も上手く行っているの

          行き先不明でもバスに乗り遅れるな?

          巡礼の在り方を考える

          サウジアラビア政府は6月23日、ハッジと呼ばれる聖地メッカへの大巡礼で今年死亡した巡礼者が1300人を超えたと発表。熱中症で手当てを受けた巡礼者は膨大な数に上ってしまったとのこと。異教徒の不幸ゆえどのような表現が適切か分かりませんが、ご冥福をお祈り申し上げます。 この悲劇の背景には一種のオーバーツーリズムの構図があるようで、その対策として同国政府はハッジ許可証を発行して、これを持たない「無許可」の巡礼者は、エアコンの効いた団体ツアーバスの使用が認められなかったり、水や食事も

          巡礼の在り方を考える

          札幌ドーム経営難のそもそも論

          日本ハムファイターズに逃げられて、巨額赤字を出した札幌ドームの運営会社がそう遠くない段階で経営破綻するのではないか、との観測が出ています。運営会社なので、施設の固定費を負担することなく札幌市から施設の管理委託料を受け取ることが可能でしょうから、破産するまでは行かないでしょうが、利用者のいない巨大施設をどうするか、という問題は重くのしかかります。 この球場に限らず、維持経費が税金で賄われている事例は数多ありますので、プロ野球チームが居なくなって利用料が減ったとて、市民のために

          札幌ドーム経営難のそもそも論