見出し画像

憧れのカメムシ!ニシキキンカメを飼育してみた!

1.ニシキキンカメムシとは

ニシキキンカメムシとは日本原産のカメムシ目キンカメムシ科に属するカメムシである。まるでタマムシを彷彿とさせるような赤と緑の鮮やかな金属光沢を帯びており、まさしくニシキキンカメムシの名前にふさわしい錦をまとった昆虫である。その特徴的な見た目から昆虫好きの中でもファンは多く、インターネット状の個人ブログやTwitter等のSNSにおいて、採集報告や飼育報告は多々見受けられる。また、稀に昆虫即売会やネットオークションで出品されることもあり、価格は1頭あたり2000円以上つくこともあり国産のカメムシ類にしてはかなりの評価額で取引されていることがわかる。
 さて、そんなニシキキンカメムシであるが、その人気とは裏腹にかなり入手、発見することが難しい昆虫であることがファンの間で知られている。理由としてニシキキンカメムシの主な餌となるツゲという樹木の生息域がかなり限定されていることがあげられる。そもそも、カメムシ目やナナフシ目をはじめとする草食傾向のきわめて高い昆虫種においては寄種となる植物の生息域にしか生息していないことも少なくなく、採集や撮影に出る場合は虫より木を探せといわれることもある。特に寄種が限定的である本種においてはツゲの木が山地の石灰岩地を好むこともありいわゆる「ポイントを知らないと見ることもかなわない虫」とされることもある。著者自身もニシキキンカメムシに憧れ、何度も採集を試みたことがあるが、中々ポイントを見つけることもかなわず、未だ野生個体を出会えたことはない。

2.ニシキキンカメムシの導入、飼育開始

さて、前項において著者である私自身もニシキキンカメムシを採集したことがないと書き記したが、現在飼育繁殖を行っている。その導入経緯と飼育の実際について書き記していく。
 昆虫愛好家が憧れの昆虫を入手する方法についてはいくつかあげられる。生息地における採集行為や他の愛好家からの譲渡、ショップやイベント等での購入等である。単純な話、捕まえられなくても運や人脈があればなんとかして入手することは可能なのである。(並々ならぬ努力が必要なのは変わらないが・・・)
 著者の場合は採集に出かけつつも、常にネットオークションや通販サイト、イベント等にアンテナを張っており購入経路においてもなにかしら入手できないが探っていた。すると、探し始めて3年も経過したころに偶然出向いた即売会においてゲリラ的な販売に遭遇できたのである。あれは本当に偶然であり奇跡的な出会いだった。金額としては多少値が張ったが交接確認済みペアだったこともあり、迷わず購入。飼育し今日にいたる。
 飼育をしてみた感想であるが、思っていたより難しくなく飼育しやすい昆虫であると言えるだろう。実際、餌もよく食べ、産卵行為も複数回確認できている。産卵した卵からも幼虫が孵化し、現在2令幼虫まで成長をしたところだ。幼虫が完全に羽化し次世代を産卵するまでは完全な飼育方法の確立とは言えないだろうが、現在飼育中の愛好家でも飼育累代に成功してる者が多いことからも、環境を整えれば飼育が容易な部類に含まれるのではないかと推察される。実際の飼育方法については次項に記そうと思う。

画像1

3.ニシキキンカメムシ飼育方法の実際

ここから先は

1,234字 / 1画像

¥ 150

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?