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エレキギターにハイパスコンデンサーは必要なのか【テレキャスター】



テレキャスターのボリュームポット

ストラトキャスターとテレキャスターの本体についているボリュームポットは地味に仕様が違います。

ストラトは250kΩの抵抗で音を減衰させていく形で、
古いテレキャスは何故か1MΩという大きな抵抗を使っています。レスポールなどのハムバッカータイプは500kΩくらいです。
ストラトの方が緩やかに音量が変化するという感じでしょうか。ハムバッカーは出力が大きいので500kΩくらいで相対的にいいのでしょう。違うかもしれませんが。
の、くせに、テレキャスターは1MΩ。

さて、
ギタリストは手元のボリュームを上げ下げすることで音量だけでなく音色をコントロールするのは定番です。
ギターからエフェクターおよびアンプへの入力信号を変化させることで、歪量を変化させることが出来るからです。ボリューム10MAXならソロが取れるくらいの歪量にしておいて、ボリューム6くらいでバッキングをする…これによって無駄に歪みエフェクター踏み替えたり増やさなくて済みます。
クリーントーンしか使わない人はさほど必要のない技術です。

このボリュームいじりをやる人はストラト使いが多く、これは単に
「リードギターを取るような人はストラトを持ちがちだから」
だけかと思いきや、またちょっと違いました。


ハイパスコンデンサ

テレキャスターには、ボリュームポットに、
「ハイパスキャパシター」「ハイパスコンデンサ」
なるものが搭載されています。

ボリュームの中に並列な回路があるような感じで、
絞ることによって、
基本回路の音量は比較的急に(1MΩ)で落ちていくのとは別に、
セカンド回路はハイパスコンデンサを通ることで高音域が生き残り、
それがブレンドされてアウトされます。
ボリュームを0まで絞れば消えます。

結果、絞っていくとだんだんキンキンしていくのがテレキャスターの仕様です。
英語圏では「Treble Bleed」と言われるらしいです。

さて、
テレキャスからハイパスコンデンサを外してしまえば、
手元での歪みのコントロールもしやすい無敵ギターになるのではないか!
と考えました。

はんだで固定されたコンデンサを外します。

すると、どうでしょう。

ボリュームを10から8に下げただけで、あら不思議!
すごいこもってます。すごいです。
これは厳しい。きっと聞こえません。
緊張しながらはんだを付け直し、治りました。

その昔、古のテレキャスターは、ボリュームを絞る事でベース!の時代があったとかどうだとか。だからなのか1MΩというデカい抵抗を使っていたようで、その後、うーん…と思ったのか別の理由かは分かりませんが、フェンダーがハイパスを付けたようです。1MΩの急激な減衰を補うように、ハイを残して聞こえるようにしていたのですね。

ですので、
テレキャスターのハイパスコンデンサを外したければ、ボリュームポットもストラトと同じような250kΩくらいのものに変えないと普通には使えないでしょう。
事実、現行品のテレキャスなんかはそうなっていることも多いようです。


まとめ

テレキャスターがキャンキャンする印象というのは、ボリュームポットを絞った時のハイパスコンデンサの影響による部分が大きい。
逆に言えば、ボリューム10MAXならそこまでキャンキャンはしない。

テレキャスターでボリュームを弄りたい場合は、
手元のトーンポット(ローパス)を10MAXではなく4〜5などに絞ってあらかじめ高音域のピークをならした状態を基本にしておくことで、
必要以上にハイパスコンデンサの影響が出ないようにすると良い様子。

なんかストラトよりテレキャスの方が好きという人は、ちょいと面倒だがボリュームポットの目盛りじゃなくて、自分の右手タッチとトーンポットでなんとかしなさい、と言われてるような仕様でありました。

おしまい

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