【DTM】プラグインさん
DTMといえば、必ず登場する物…
そう、それは、
プラグイン(エフェクト)
ギタリストのエフェクターのように、
DTMerの心を躍らせるアイテムたち。
毎年「セール」っていう言葉が目に飛び込み、
なんか知らないうちに増えていく。
そしてブラックフライデーなんかになれば、
もはや別になんにも狙ってなくても
「何か買わないといけない!何かないか!」
と謎の切迫感すら出てくるのだ。
イベントってのは書き入れ時だね!
僕もそうだし、
実際プラグイン・シンセがなんにもなくなったら
まずいことになるっていうか結構終わる👼
しかしながら、
時たまエフェクトスロットの呼び出しを見て、
「なんかいっぱいあるなぁ」
と他人事のように思う時もあるのだ。
「これ最後に使ったのいつかなぁ…」
…⏳
時は遡り、10年ほど前だろうか。
僕はデモ音源を作っていたんだ。
クライアント様に音源を聴かせる時っていうのは、
中身が大事なのは当然として、
音源としての耳当たりも無視することは出来ない。
相手がすごく好意的にミュージシャン的に聴いてくれるならさて置き、
一般リスナー的な聴き方でジャッジされるなら尚更だ。
タレントオーディションなのに
ヨレヨレのシャツとボサボサの頭で向かえば、
イケメンだったとしても評価を下げるのは当然だもの。
と、なってくると、
みんなデモの時点でも頑張るのがミックスだ。
少しでも製品音源と遜色ないような印象、
つまり好印象を与えるためにがんばる。
最近は、マスタリング用ソフトも普及してるし、
ホント宅録で出来ることの範疇が馬鹿デカいよね。
「使いこなせない村」の中に
「使いこなせるマン」が現れると、
村人たちは突然、
普通の人から出来ないやつに格下げされる。
技術進歩とは恐ろしいものだね。
ネットで注文して5日とか待てないもんね。
「えっ?Amazonなのに翌日届かないの?」
ってね。
■
話を戻そう。
そのデモ作りの終盤、ミックス作業の時、
たまたま居たエンジニアの友達が、
「ミックスだけならやったげるよ〜」
と突然神の手を差し伸べてきたのだ。
うひょひょーー。断るわけないじゃん、バカっ!
⏰
🐶「…んがーすぴー、😪」
👦「出来たよー」
じゃじゃーん♪
おぉぉぉーーーっ!
素晴らしい。
あーだこーだいじくり回し最終的に帯域コンプとリミッターを突っ込みなんか派手にさせて終えただけのいつもの自作とは聞こえ方が違う。
音楽的だった。
さすがやでエンジニアさん、さすがや。
職人ってのはすごいぜ!
で。
当然見るじゃない?後学のために。
どんな風にミックスされてるんでしょう!
否、
どんなプラグイン使ってるんでしょう!
💻
「えっ!?」
Protoolsに最初から入ってるEQとコンプとディレイ・リバーブ。
買ったら付いてくるアレら。
おまえほとんどそれしか使ってないやんけーー
しかし明らかにいつもの自分のデモより良い。
僕がいつもwavesのなんちゃらとかを引っ張り出してごちゃごちゃやってたのはなんだったというの。
でプラグイン系は超シンプルだった代わりに、
音の出始めのノイズ処理とか、歌のボリュームオートメーションとかは、
「なんそれ」
ってくらい丁寧かつ細かかった。
🐶「なんで備え付けのコンプなの?アレとかコレとかもあるけど使わないの?」
👦「アレは色味が強いから邪魔だった。あと今回はデモだし、負荷が軽いヤツでやったよ」
🐶「EQも?」
👦「基本的に軽くて分かりやすいヤツでやっただけ」
🐶「これローカットしないの?」
👦「これ切っちゃうと音弱くなるよ、それよりココが強すぎて音が固いよ、全体的にちょっと楽器の配置が歌と近いかもよ、低音楽器をもうちょっと管理した方が良さそう、etc」
🐶「プリセットってやっぱ使わないの?」
👦「たまに使うけど、自分が何やってるか分からなくなるからあまり使わないよ」
🐶「このリバースシンバル、どうして頭の方カットしたの?」
👦「聴こえにくいけど、うっすらノイズが始まってるから、ビートの邪魔だと思った」
👦「🐶は演奏できるじゃない?だから録り音に時間かけた方がいいよ、楽器の配置とか弾いてる音域とかはミックスじゃどうしようもないから…」
🐶「……ワンッ、ホネあげますっ!🦴」
犬の目から鱗がポロポロ落ちていった。
そんな彼は今や色んな著名作品の中にクレジット名を見かける人なので、
シンプルに彼の腕前がすばらしかったというだけかもしれないが。
分かって使っているということの威力を痛感したのでした。
感銘を受けて、その後、
🐶「ヘイ、プラグインは標準装備のものでイイんだぜ?それで出来なきゃニセモノよ?」
って真似するよね。
だとまぁモッコモコしたり冴えなかったりして、
「まずオレの耳をアップグレードしてくれ!」って何回も泣いたよね。