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8月31日の夜に。ちょっと冷やすと美味しいです。

昨日、なんだかストンと眠れたのは明日のことをもわっと想像したからだ。

今日、2020年8月31日。自分の中できちっと、しゃっかりけじめをつける日としていた。

なにを、大げさな。いやいや、たいそう過ぎませんか。とも思う。いつか、いつかと思ってはいたが行動に移せずにいたこと。行けなかった場所。

ぐぅが、小さい頃からお世話になっていた動物病院だ。亡くなってからもお花を送ってくださり、手紙ではお礼も伝えていたけれど、いつか、そのうち気持ちが落ち着いたら、ちゃんと顔を見てお礼をいおう。いつか、いつかそんな日がくる。

ことしの夏は、たぶん誰にとっても今までの夏ではなかった。だからこそか、ちゃんとその時に感じたことを「ことばにする」「行動する」を意識しょうと思った。

自分が会いたいと思えば、会いに行けばいい。話したいと思えば、連絡してみる。あずきバーがどうしても食べたければ、箱買いすればいい。

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ちょっと冷やすと美味しいです。

病院の待合室に人がいないのを確認し、ちょっとした手土産を持って中へ入った。

いつもの受付で「こんにちわ、ぐぅです。」馴染みのある受付のお姉さんに、手土産を渡し「冷やした方がちょっと美味しいです。」

すると、すぐに先生を呼んでくださり、奥から、優しい顔でゆっくりと歩いてきた。なんでだ、まだ何も言えてないし何も話していないのに、1年ぶりに顔を見ただけなのに、ぽろぽろとなみだが溢れてた。「あえましたね。」そう感じた。

さっきまで普通に、ふつうにここまで来れたのに。手土産あれにしょうか、いや冷たい方がいいかな、でもこっちの方が美味しいはず。とかとかはやる気持ちで、わくわくしながら来たのに。「やっとこれました。その節は本当にお世話になりました。お花もほんとに嬉しかったです。ありがとうございました。」やっと言えた。

先生は、わたしが手紙と一緒に送ったぐぅの写真をデスクに貼ってると言った。

「いつも、振り返り見られてるょ。いつかストンと胸の中に収まる時がくるから。そしたらもう、一緒に生きてるようなもの。」

じわじわしてポロポロして、待合室に誰もいなくてよかった。そんな状況を周りにいるスタッフがこれまた優しい目で見守ってくれていた。

「ありがとうございました。ほんとに。」手を振りながら「先生、ちょっと冷やして食べてくださいね。」

どうしても、ちょっと冷やして食べてほしかったみたいだ。そんな、2020年夏の終わり8月31日でした。

明日から、なにかが変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。でもいいかな、自分で夏終わりましたと、区切りをつけたから。

今日もいちにち、ありがとうございました☻


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