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SCMとは?|アパレル系小売のサプライチェーンを図にしてみた

小売サプライチェーンの「ミライ」を考える

シリーズで投稿したいと思います。

本投稿では小売業における「ソリューション課題」についてお話したいと思います。

小売業サプライチェーンと代表的なシステム/ソリューション

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手作り資料なので、ちょっと荒いですがご容赦を。

こちらは国内アパレル企業の一般的なサプライチェーンと対応するソリューションの事例になりますが、順番に説明したいと思います。

SCM(左のグレーのボックスの項目)

このSCM(サプライチェーンマネジメント)の流れは、いわゆるグローバルトップリテイラーの3社を参考にした業務フローにしています。

実際は、市場・マーケティングのような項目が無く、いきなり商品企画やMDをする会社も多くあるのではないでしょうか?

昨年の販売実績データの分析と、デザイナーの頭に「降りてきた」デザインや商材をいきなりガッチャンコすると言う力技も時々(結構)見かけます。

小売システム

代表的なグローバル企業は、オリジナルに仕立て上げた自社システムを有しているのであまり当てはまらないですが、ほとんどの企業はシステム会社の製品を自社の運用に導入している事が多いかと思います。

データマーケティングやクリエイティブを取りまとめするシステムは殆どなくて・・・

①MD計画システム:一部需要予測や発注数を決めるのが主な役割
②生産管理システム:製造に関わる仕様書や画像データなどを保管したり、製造工程を管理するなど
③基幹システム:在庫の入出荷やPOSとの連携、商品マスターの登録や会計システムとの連携などが主な役割

などの業務範囲で区切られたシステムを使ったり、部分的にエクセルや紙を使って業務をするケースもあります。

見ておわかりの通り、業務的には繋がっているのですが、システム的にはほぼ別会社の事が多いため、連携していません(泣)。

ですので、業務フロー的には川上にあるMD業務システムで商品の品番をとった方が絶対良いと普通なら考えると思いますが、基幹システムで発番してからMDシステムや生産システムに「手で入力する」とかがザラに発生します。

関連企業システム

このあたりの機能を自社で内製化してる企業は、上述の通りあまりないかと思います。それこそファーストリティリングやZARA、H&Mなどの一部のグローバルリティラーのみになるでしょう。

特にボタンなどの付属品一つとっても、オリジナリティにこだわる程(悪い事ではありません)、様々な取引先や仕入れ先、伝達方法が生まれ、それはもうカオスに近いです。

そのため、様々な工程で星の数ほどの企業が関わり、それぞれが異なるインターフェースや手法で、ヒトとモノとカネを動かしています。

ですので、社内で生産管理システムをもたずに、外注先のシステムやエクセルやメールなどの連絡手段で、生産工程を管理している?と言うか情報をバックしてもらっていると言う企業も多いです。

また、販売チャネルの方も、直営店舗はかろうじてPOSレジを導入して売上や在庫を管理していても、ECでの売上や在庫管理は全てバラバラで、自社で欠品しているが自社のECサイトや楽天ショップには在庫があるけど、リアルタイムで把握できない、、、などもしばしば。

オレンジ色の「在庫一元化システム」とは、いわゆる「オムニチャネル化」を実現する優れたシステムもあるのですが、そのようなシステムの存在に「気づいていない」企業も多いと思います。

ファッションアパレルの理想と現実

大体の一般的なアパレル企業は、このようなシステムやソリューション構成で業務をしている事が多く、入力や登録などの地道な業務も多いです。

業界を知らない人がイメージする「綺麗でお洒落でイイ匂いのするオフィス」で「イケメン・イケ女が仕事なのか遊びなのか分からない会話」を弾ませながら、インスタ映えする近くのカフェで「休憩なぅ」とかリア充を満喫している訳ではありません。

体感的には、1日の半分以上を「入力」や「照らし合わせ」、「写真の加工」や「指示書作り」などに時間を費やし1週間過ごしているのでは?と思います。

ただ、個々人は自由な感性と鋭いセンスを持っており、またコミュニケーションや自己表現が非常に上手で、しかも結構、忍耐強く根性がある優秀な人材が揃っていると思います。

しかも異常に見づらくわかりづらい小売システムを難なく使いこなす「システム耐性」や「柔軟性」もあります。

あとがき

現況の小売/アパレル産業は、正直、現代社会においては「遺物」レベルの旧式システムと、一貫して整わないサプライチェーンが原因で、本来、ファッション企業が時間を費やすべき「創造性」を妨げ、一人ひとりの社員が最大のパフォーマンスを出せない環境下にあるとも言えます。

もちろん、一人ひとりが声を上げて改善して行くべき事はたくさんあると思いますが、サプライチェーンとソリューションは必ず経営者が意思を持って考え抜かなくてはいけません。

ここだけは「下からの積み上げ」でなんとかなる領域ではないと感じています。

他の業態の例だとどうでしょう?

携帯電話は日本でも「ガラパゴス」携帯と言われたほど、機体が高機能で価値があった時代があったと思います。

それが今やiPhoneやアンドロイド携帯など、もちろん機能性も高いですが「アプリケーション=アプリ」と言うソフトが付加価値を産み出し、しかもサードパーティ(第三者)も積極的に取り入れてまだまだサービスの進化が続いています。

Nokiaをはじめとする「機体」で価値を出していた企業は「ソフト」の部分が画一的かつ閉鎖的で、ユーザーが望む価値提供が遅れていき、今では見る影もなくなってきました。

小売・アパレルにも第三者によるイノベーションが起きて、ユーザーの望む価値が「ブランド」や「企業」ではなく、違うのものに移ってしまったら?

自社における「ブランド価値」を見つけ出すため、今一度、自社SCMの点検から始めて頂けたらと思います。


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