【不妊治療】嫉妬心との向き合い方
「私酷いんだ。」
「どうした。」
旦那はスマホをいじる手を止めてこちらを見た。
「入院中、同部屋の人が妊娠5週でさ。」
「うん。」
「危険な状態で救急車で運ばれてきてたみたいで。」
「うん。」
「妊娠に気づかずにお酒いっぱい飲んでたみたいでね。」
「うん。」
「私…最悪なこと考えちゃったの。」
「うん。」
「ダメだったらいいのにって。」
旦那はボロボロと泣く私を見つめ
肯定も否定もせず真剣に話を聞いてくれた。
不妊治療3年目。
気付いたら人の不幸を祈る自分がいた。
自分がこんなこと考えることになるなんて思いもしなかった。
不妊治療を始めたころは嫉妬心をむき出しにしたSNSを見ては
「他者のことなんか気にしなきゃいいのに、哀しい人だ」
と他人事のように考えていた。
治療が長くなってきて、思うようにいかず焦り…頭の中は不妊治療だらけ。
自分を責めるうちに
嫉妬心が積もりに積もってコントロールが効かなくなったのかもしれない。
見たくなかった。
こんな自分に出会いたくなかった。
でも他人の不幸を祈る私は紛れもなく私なのだ。
そんな私をどうにかしたい。
勇気を振り絞って旦那に話した。
私が少し落ち着いたのを見計らって旦那は口を開いた。
「ごんがさ、他人の妊娠がダメになることを祈るとするじゃない。」
「うん。」
「そしたらごんって妊娠できるのかな?」
「出来ない。」
「どんなに他人の不幸を祈ったって
自分が幸せになることは絶対にないよね。」
「うん。」
他人の不幸を祈ったって
自分の不妊治療がうまくいくわけじゃない。
かといって自分が苦しい時に
上手くいかない時に
他人の幸福を祈ることはなかなか難しい。
特に同じ目標に向かっている人なんて。
だから私は不幸を祈ってしまいそうな時は
「不幸を祈っても幸せになれるわけじゃない」と
自分にブレーキをかけていけたらなと思う。
少しずつでも。
旦那よ、いつも大切なことを教えてくれてありがとう。