ニューヨークとブラックコーヒー
そう、ブラックコーヒーを飲めるようになったのは、初めてニューヨークへ一人旅したときのこと。
特別おいしかったわけではなかったけど、
宿泊していたホテルのその朝食は、まさにアメリカ映画にでてくるモーニングセットそのもので、
カリッカリッのベーコンにパンケーキ、それからスクランブルエッグがついて、
「これがアメリカだ〜」なんて感動して食べたっけ。
そのとき今まで飲めなかったブラックコーヒーも不思議とおいしく感じ、
ちょっぴり自分が大人になったようで、とても嬉しかった。
初めてのニューヨークは、何もかもが僕にはきらめいており、無愛想なマックの店員にさえも感動するあり様。
目に映る全てのものが大きく見え、
本当に自分がひと回り小さくなったようで、最初はとてもビクついていた。
ろくに言葉なんか話せなかったけど、
恥かいてなんぼという気持ちで、あらゆるところへ出かけた。
時季はクリスマスシーズンに差し掛かる11月。
時より肌を突き刺すような風が吹き、とても寒かったことを覚えてる。
ニューヨークの街はとてもエネルギッシュで、タイムズスクエアを目の当たりにした時は、
これが世界の中心かと、とても興奮したし、
それからだいすきなジョンレノンが、小さな愛息子を連れて、よく散歩していたセントラルパークには毎朝出かけた。
美術館、ブロードウェイミュージカルももちろん素晴らしかったけど、
何気ないアパートメントが並ぶ通りを歩いてるだけで、まるで自分がニューヨークを舞台にした映画に入り込んでいるかのようで、とても心踊った。
コロナで変わってしまったニューヨーク。。
早くまた、ニューヨークが元気を取り戻し、自由に人が行き来できること願って。