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Seestarの画像処理のステップアップ

この投稿は2024/10/27時点での内容です。
PixInsight:core 1.8.9-3(build 1612 | 2024-06-25)
Siril:v1.2.3
GraXpart:v3.0.2
Seestarアプリ:v2.1.0
PC:windows 11 home
スマホ:iPhone15
(2024/11/10 Seestarの公式アプリ画像処理の記事リンク追加)


0.はじめに

2023年9月、スマホで簡単に操作して天体写真が撮れるスマート望遠鏡「SeestarS50」が私の元に届きました。

2リットルペットボトルとの大きさ比較

そして私の生活の中に、天体撮影とその画像処理が入ってきました。

本格的に?天体写真を撮り始めて約1年。まだまだその道では未熟者ですが、そんな私が今思うSeestar画像の画像処理のステップアップをなるべく簡単にまとめてみました。あくまで未熟な私の私見です。

ですが、画像処理は何より
「楽しみながら」
を大切に。


1.スマホの標準編集機能で。

私もSeestarで撮影を始めて1か月~2か月かこれでした。

なぜって、これだけでも結構良くなっているように見えたからです。

例えば、Seestarから自動でスマホに送られてくる画像を、iPhoneの標準編集で自動編集してみると、、、

before
標準編集画面
自動編集ボタンを押す
バーを右にスライド
after

いかがでしょうか?自動編集ボタンのみで編集し、細かい編集はしていません。スマホからこのnoteを見ている方は、結構な違いを感じているのではないでしょうか?ただし、これには注意点があって

〇スマホによって違って見える
〇iPadやタブレットだとノイズが多く見える
〇パソコンだとなおさらノイズが多く見える

ということです。違う端末で見ると違って見える、というのは何もスマホ編集に限ったことではなく、パソコンで編集されたモノでもよくあることなのですが、私が感じている限りでは、パソコンで編集したモノよりも、スマホで編集した画像の方がより他の端末で見た時のノイズが激しく見えるなぁという印象です。

(2024/12/28追記)
アップデートで「インテリジェントデノイジング」というAIノイズ除去機能が追加されました。この機能を使うと、少なくともタブレットで見たときのノイズはだいぶ抑えられるようになったなぁという印象です。

じゃあiPadの標準編集ソフトで編集したら?

私もやってみました。するとスマホよりノイズなどを見つけやすいので、ノイズがなるべく目立たないように、明るくし過ぎないように画像処理できる、、、のですが、今度はスマホで見ると、確かにノイズは少な目に見えるものの、そもそもみょーに暗く見え、あまり見栄えは良くなりませんでした。

もちろんスマホもタブレットも私が知らないだけで、アプリで解決することがあるのかもしれません(^^;

また、実はSeestarは公式アプリを通してSeestar本体に入っているデータを画像処理することもできます。有料のアプリを買うくらいであれば、まずは試してみるのもひとつの手かと思います。興味のある方はこちらを参考にしてみてください。

(注意)あくまでSeestar本体に入っている画像を選択しないと、画像処理できないので注意が必要です。

また、Seestar本体に入っている今まで撮影したすべての画像(例えばオリオン大星雲の何日かに分けて撮影した10時間分の画像など)を合わせてスタックし直すことができます。これはとても魅力的な機能で、これだけでかなり画像の様子が変わってくるはずです。興味がある方はこちらの記事を参照してください。


2.無料ソフトで。

では、もうちょっと本格的にパソコンで画像処理をしてみたい、、、だけど有料ソフトを買うのもなぁ、、、という場合。

ひとつの選択肢としてSirilがあります。

元は海外ソフトで、すべて英語だったようなのですが、今は日本語に設定する(と言っても英語も混ざってますが)ことができます。

ただ、これとは別に、最近、画像全体の明るさのバランスの補正やノイズ除去という一部の機能に特化した、とても評判の良いフリーソフトGraXpartというソフトが出てきました。

こちらも海外ソフトですが、わりと簡単に使うことができます。そんなわけで、このSiril&GraXpartでSeestarの画像を画像処理をしてみた一例がこちらです。

少なくとも、ノイズがだいぶ抑えられているのがわかるでしょうか。
もしSiril&GraXpartの画像処理に興味を持たれた方は以下のnote記事からどうぞ。

ちなみに、私はあまり使ったことが無いのですが、他のフリーソフトとしては「DeepSkyStacker」というソフトもあります。こちらは英語のソフトですが、有名なソフトで、色々な方が使い方を書かれているのでもし興味のある方は調べてみると良いかと思います。

また、”最後の仕上げ”の部分は上記のような天体写真用のソフトよりも普通の?写真の画像処理ソフトの方が、より細かい処理ができる場合があります。フリーソフトだと「Gimp」というソフトがあり、こちらも私は詳しくは無いのですが、元は英語ですが、日本語を選ぶこともできるのでそういう面での苦労はないかもしれません。

ただ、それもまずは焦らずに、先にSiril&GraXpartに慣れてからでも遅くないと思いますし、そこまでこだわらなければSiril&GraXpartだけで仕上げてしまっても良いかと思います。


3.有料ソフトで。

更に一歩踏み込んで?有料ソフトとしてこのnoteでは英語のソフト「Pixinsight」を紹介しています。実際にSeestarの画像をPixinsightで画像処理した画像がこちらです。

さきほどのSiril&GraXpartで画像処理したモノより良いか?どうなんでしょう(^^; まだ未熟な私が画像処理したモノなので、さっきの方が良かった!という方もいるかもしれません。ただ、もし興味を持たれた方は、以下の①~④の順に見ていくとSeestarの画像処理のステップアップになるかもしれません。

以下は私が実際に最近やってる画像処理の一例です。自己流です(^^;

ちなみに、日本語の有料ソフトは?と言えば「ステライメージ」です。現在は「ステライメージ9」が最新版でしょうか。実は私もフリーソフトのSiril&GraXpartより先に、もちろんPixinsightより前に、ステライメージの方を使っていました。ステライメージには
〇 自動処理モード
〇 詳細編集モード
の2種類があり、私は自動処理モードがとにかく楽で、簡単だったのでよく使っていました。特に彗星の位置合わせを自動でやってくれるところが今でもたまに使っているくらいですが、この機能は安いLiteの方にはなく、更に「ステラナビゲータ」という天文シミュレータソフトを別途購入する必要があるので注意が必要です(^^; ただ、それが使えなかったとしても、やはり日本語のため、Pixinsightより使いやすいという方もいるかと思いますし、私は使いこなせなかったですが、「詳細編集モード」ではかなり本格的な画像処理ができるようなので、ひとつの選択肢としてアリなのではないかと思います。

何より、PixInsightのソフトは完全英語。そして「値段が高い」です。一応お試し期間もあるので、もし興味のある方は一度試されるのが良いかもしれません。その際も、先程のnote記事が役に立つ、、、と良いなぁと思っています。

最後に、大切なこと。

有料ソフトだから、無料ソフトよりうまく画像処理できる、とは限りません。

無料ソフトでも、その機能をうまく使いこなせば有料ソフトで画像処理するよりうまく画像処理できるかもしれませんし、有料ソフトであっても、うまく使いこなせなければ大した画像処理はできないかもしれません。上に示した画像では、あたかもSiril &GraXpartで画像処理したものよりPixInsightで画像処理したものの方が良くなる!と見えるかもしれませんが、それも単に私がSiril &GraXpartを使いこなせていないだけだと思います。

ただ、じゃあ高くて完全英語のPixInsightを自分がなぜハマっているのか?というと、、、

「楽しい」からです(笑)

特に、更新頻度が高く、新しく色々な機能が追加されていきますし、それぞれの機能はデフォルト設定でもある程度よく機能し、意外と簡単に見栄えをよくすることができます。「慣れれば」かなり楽です。ただ、デフォルト設定でソフトの方がうまくやってくれる分、ひとつひとつの機能の実行から終了するまでにかかる時間が結構かかるモノが多いのが気になるといえば気になるかなぁという感じです。

そこは別途作業をしながらだったり、動画を見ながらだったり、気長にやっていくしかないのかなぁと思っています。

ただ、ひとつひとつ機能で、目に見えて画像が変わっていく姿は心躍るモノがあるかなぁと思います。

うまく伝えられたかわかりませんが、、、

Seestarから出てくる画像をもうちょっとキレイにできないか?と思ったそこのあなた!!ぜひこの楽しい?画像処理ライフに足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

今回はこれにて。

ではでは。