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ちょっと早めのルーツ回帰

アラフォー・アラフィフあたりで日本文化や自分のルーツに帰りたがるアーティストが多いなとは思っていたけれど、人生四半世紀目の自分にそれがきた。

これまでは受験や大学の講義があるからってことで最低限の日本の思想・歴史について学んできたし、身近なサブカルにお金は使ってきたし、アジアってことで括ればボリウッド俳優が好きって程度だった。

でもそれってどれも西欧化した状態で受容しているわけだし、好きで追っかけてるドイツ版画やドラン映画と同じ感覚での愛好だったと思う。美しいものやハイコンテクストなもの、って括り。

でもなんか今の回帰欲はなんか違う。「現代日本に生まれた自分に刷り込まれているもの」をきちんと理解しておきたいって気持ちが強い。日本の文化が大陸の影響ゴリゴリに受けてるのも、ナショナリスムっていう枠を無理やり押しつける愚かさもわかったうえで、血肉や遺伝子に組み込まれてるような思想・文化をわかりたい。

きっかけはたぶんこの自粛。まず、狂ったように私が引用し続けているミッドナイト・ゴスペルの影響。

3話でゲストが「東洋の瞑想とか輪廻転生よりも、自分が属している西洋の魔術の方がわかりやすい。文化が違うと理解しやすさが違う(意訳)」と言ってたのが刺さった。

実際、その後観たこの講義シリーズで東洋思想・西洋思想のまとめ見た時に、定期的に見てたけど理解できてない西洋思想よりも、大学受験ぶりに概要見た東洋思想の方がすんなり頭に入ってきたから驚いた。それで、「うまく受容できないものと戦い続けるよりも吸収しやすい方と向き合った方が楽しくない?」ってなってしまった。

次に、バーチャル上ならどこでも行けるのに実際の外出は躊躇してしまうこの状況。新しい生活様式とかはよくわかんないけど、肉体の可動域を制限するのなら、肉体のある場所とそこに息づく諸々をきちんと受け止めたくなった。だから私の回帰はよそと距離を取るためのものじゃなくて、よそともうちともうまくやっていくためのものだ。

それに、これまで「近現代の刷り込み」で散々苦しんできて、それで苦しまない社会作りたいってずっと思ってた。だけど、それってあくまで「数百年前蔓延った歪みを現代人視点で改善したい」ってだけだった。だからもっと前から脈々と受け継がれているものを理解して、その堆積物と共存するには何を変えたらいいか考えたいと思った。

というわけで、現在は既存の西欧寄りの推したちを愛でつつ、東洋思想の学び直しを始めている。うまく咀嚼できるの何年先になるかわからないけど、少なくとも今はこれをやりたい・ルーツ回帰したいって思ってるから、やれることをやるしかない。頑張る。

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