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【日本音楽集団】今日行ったコンサートの感想:令和05年(2023年)01月20日(金)【作曲家との火花】

 日本作曲家協議会との共催企画で全曲新曲初演。挑戦的なプログラム。これからも攻めて行って欲しい。

山本 準『いざ出でむ雪見にころぶ所まで 邦楽七重奏のための』公募選出 初演
 5音音階だったのかな。作曲技法が調的で単純だと思いました。夏の楽章は攻めてて好きだった。

遠藤 雅夫『ランドスケープ 秋和 邦楽アンサンブルのために』公募選出 初演
 始まると巫女鈴を持った人が入って来る。場の空気が引き締められるというか、緊張感のある音がする。メインの楽器は琵琶弾き語り。声ネタがあまり好きではないので、インストルメンタルでやってくれないかな、と思った。終わると巫女鈴の人が退場して行く。全体的に儀式めいていた。

菊池 幸夫『沙庭の風』委嘱初演
 編成に笙が入って来ました。篳篥も龍笛もいず、平安時代の狩衣を着ているのが笙の笛だけ。他はすべて江戸・明治の服装をしていて、楽器の出自の位相が違う。これも現代邦楽の特徴。

糀場 富美子『天籟譜Ⅲ』委嘱初演
 尺八3人による掛け合いが面白かった。糀場さんは全然前衛ではないので、とてもすんなり聞ける。尺八の技法も凝っていて、低音のふくよかな音色から高音のつんざく音色まで、いろいろな重ね方で聞かせて貰った。これからも尺八のレパートリーとして定着して欲しい。

菅野 由弘『梓弓2 ~悪霊退散~』委嘱初演
 梓弓というものを初めて見ました。そして明珍火箸。これは2本のウインドチャイムでした。「悪霊退散」の真言が変拍子のオスティナートとなって声で発される。大きな声、囁く声、一部楽器に任せて、また一部は声に出す、などバリエーションがあった。曲調としてはかなり無調。私好みだった。

 今日の演目では全て古典的な13絃の箏と低音の17絃箏だけでした。20絃箏や25絃箏は無かった。